便秘のはなし
排便のしくみやどうして便秘になるのかを知って、便秘になりにくい体を作りましょう。
排便のしくみとメカニズム
(1)食べ物が胃の中に入ると、胃が膨張し、胃から大腸に信号が送られます。
食べ物は胃をぬけて小腸で栄養分が吸収され、大腸で水分が吸収されます。
この食べ物のカスが便となり、便は大腸のS状結腸に溜まります。
(2)このS状結腸から便は、「ぜんどう運動」によって直腸に送られ、腸壁を刺激します。
(3)この刺激が一定以上になると、刺激が脳に伝わって便意を感じ、
肛門括約筋がゆるみ、便が排出されます。
便秘とは?
どうして便秘になるのでしょうか?
- 便意を我慢する便意を見逃してしまうと腸内の「便が溜まっている」という感覚が鈍くなり便秘になります。
- 食物繊維や水分の不足が原因食物繊維や水分が不足すると、「便の軟らかさ」が保てずに、「硬い便」になり便秘になります。
- ストレスが原因ストレスや緊張などの「精神的要因」で大腸の運動リズムが乱されて便秘になります。
便秘になりやすい人
便秘になりやすい人の傾向を知る
女性
便秘というと「女性」に多い症状と思われていますが、なぜ、女性に多い傾向なのでしょうか?
それは、女性の「排卵と月経」という体の周期が、卵巣ホルモンと黄体ホルモンで作り出されているからです。
特に、排卵後から月経前までは、主に分泌される「黄体ホルモン」の影響で、
大腸のぜんどう運動が弱くなり、その時期はどうしても便秘を起こしやすい状態となってしまうのです。
また、黄体ホルモンは同時に体に水をため込む性質があり、排便のための水分が不足します。
これも、便秘を増長させてしまう一因になります。
しかも、このホルモンの影響にゆるものだけでなく、女性は男性よりも筋力が弱く、
大腸の活動も活発ではないこと、ダイエットなどで便の量そのものが少なくなってしまうなど、
便秘を誘因する条件を多く備えていることがあります。
60歳を過ぎた頃
今まで便秘とは無縁だった人も、加齢と共に体の筋肉や神経が衰えて、大腸の活動も弱くなり、
便意も起こりにくくなってきます。
それに併せて、食事の量も少なくなったり、消化の良い食べ物ばかりを食べるようになると、
便の量が減り、便秘になりやすくなってしまいます。
子供
子供にも便秘は起こります。
便秘の原因には、朝のトイレタイムが取れないとか、偏った食事をしてしまうとか、
ちょっとした様々な要因が原因となって便秘を引き起こしてしまいます。
もっと詳しく子供の便秘を知りたい方は、「こどものベンピ相談室」を覗いてみてくださいね♪
便秘解消アドバイス
食生活の改善
- 朝食をシッカリと食べる空の胃に食べ物が入ると脳が刺激され、便意を起こします。
1日3食。バランスの良い食事を心がけましょう。 - 朝、コップ一杯の水を飲む起きたら、冷たい水を1杯。大腸の運動が促されます。
- ヨーグルトなどの乳酸菌をとる乳酸菌は腸の働きを良くし、腸内環境を整えます。
まずは、自分に合うヨーグルトを見つけましょう。 - 食物繊維の多い野菜や果物を食べる食物繊維は便のカサを増やし、大腸の働きを良くします。
自分に合ったヨーグルトを見つける方法
ヨーグルトは同じもの200g位を、毎日1~2週間食べ続け、
おなかがグルグルと動くような状態になるものが、自分に合うヨーグルトと考えられます。
食物繊維の多い食べ物
海草類:ひじき、わかめ、こんぶ、のり、寒天
豆類:大豆、枝豆、グリンピース、小豆、納豆、おから
キノコ類:えのきたけ、しめじ、まいたけ、エリンギ、なめこ
いも類:さつまいも、やまいも、さといも、こんにゃく
野菜、果物:ごぼう、蓮根、人参、ホウレン草、干し柿、ミカン
乾物:かんぴょう、干し椎茸、切り干し大根、キクラゲ
腸内環境の改善
- 腸内環境を整える発酵食品やオリゴ糖を多く含む食品を食べましょう。
ぬか漬け・納豆・キムチ・味噌・醸造酢・醤油・鰹節・塩麹・チーズ
★ オリゴ糖を多く含む食品
タマネギ・ニンニク・チコリ・アスパラガス・キャベツ・ハチミツ・ネギ・ゴボウ
日常生活の改善
- 適度な運動を行う運動することによって、腸が活発に動きます。
特に、腹筋運動が効果的です。 - 便意を大切にする便意は「便が直腸に溜まったから、出しましょう」という合図です。
そのサインを何度も見逃すと、便が出にくくなってしまいます。 - トイレタイムを十分にとる朝一番の排便の時間が取れずに我慢すると、次の日に持ち越しになってしまうことが多いようです。
1日1回、朝食後がベストですが、生活の中で決まった時間にトイレに行って、
十分なトイレタイムを取りましょう。 - ストレスをためないようにするストレスは、腸の運動を妨げてしまいます。
自分にあった「ストレス発散法」を持って、ストレスを取り除きましょう。
いろいろ対処しても、ダメなときは「便秘薬」を使いましょう。
※ただし、「けいれん性便秘」の場合は、便秘薬の使用を避け、お医者さんに相談してください。
腸のぜんどう運動が、活発すぎるために起こる便秘です。
腸が何らかの原因でけいれんをおこし、ところどころくびれて狭くなってしまうため、
便が通過しにくくなったしまったものです。原因は、ストレスや心理的なものが多く、
腹痛を伴い 下痢と便秘 を繰り返すこともあります。