腸内細菌が喜ぶ おすすめの食材で腸内環境を整えましょう!
食事と健康の関わりが重要視されています。
炭水化物やお肉ばかりといった偏った食事の取り方をしていると栄養のバランスが崩れ、体調を崩しやすくなり、生活習慣病のリスクが高くなります。
また、季節の変わり目は特に体調を崩しやすい時期ともいわれています。
そこで、毎日の健康的な食生活を送るための合言葉。
「まごわやさしい」という表現をご存じでしょうか?
これは、積極的に食事に取り入れてほしい食材の頭文字から取って出来た言葉です。
近頃、食生活が乱れがちだなと思い当る方は、食生活を見直して「まごわやさしい」の食材を意識して食事に取り入れ、栄養バランスの良い食生活を送ってみてはいかがでしょうか。
最近では、この「まごわやさしい」を活用して、腸内細菌が喜ぶ食べ物として覚えやすく言い表した「まごわやさしいよ」で表される頭文字の食材を食事に取り入れ、腸内細菌を育てて腸内環境を整えていきましょうという取り組みが注目されています。
今回は、腸内環境を整え、腸内細菌を元気にする食べ物についてご紹介したいと思います。
目次
◎食生活と腸内環境
腸は食べ物の消化・吸収のほか、さまざまな働きをしています。私たちの腸には、およそ1,000種類、100兆個もの腸内細菌が住み、その腸内細菌のほとんどは、大腸に住んでいます。腸内細菌は、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見(ひよりみ)菌」の3つから構成されていて、これら3つの腸内細菌のバランスが保たれていると腸内環境が安定し、身体の免疫機能が安定して、心身のバランスを良好にしてくれるのです。しかし、偏った食生活により特定の細菌(悪玉菌)だけが増えてしまうと腸内環境のバランスがくずれてしまうと、便秘や下痢などの体調不良を起こしやすくなってしまいます。そのため、良好な腸内環境を整えるためにも、日々の食生活で腸内細菌が喜ぶ食事をすることが大事です。
腸内環境を整えるには、「まごわやさしいよ」を意識した8種類の食材を食生活に取り入れることで、誰でも簡単に腸内環境を整えることができるのです。
◎食事のポイント「まごわやさしいよ」の食材
「ま」は、まめ類を表します
大豆、納豆、豆腐などの大豆製品は良質なたんぱく質が豊富に含まれています。また、ビタミンや食物繊維も豊富に含まれていて、特に食物繊維は腸内細菌のエサにもなります。
「ご」は、ごまを表します
ごまにはオレイン酸やリノール酸などの良質な油が含まれています。オレイン酸やリノール酸などはコレステロールを減らす作用があり、生活習慣病を予防することが期待できます。
「わ」は、わかめなどの海藻類を表します
わかめ、こんぶ、ひじき、もずくなどの海藻類は、ビタミン、ミネラル、水溶性食物繊維が多く含まれています。水溶性食物繊維は腸内細菌のエサとなり、腸内細菌を育てる働きがあります。
「や」は、野菜類を表します
色の濃い緑黄色野菜には抗酸化ビタミンが豊富に含まれています。また、にんじん、ごぼう、れんこんなどの根菜類には食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は胃や腸で消化されずに大腸まで届いて便のカサを増して大腸の粘膜を刺激したり、腸内細菌のエサとなり腸内細菌を育てる働きがありますので、たくさんの種類をバランスよく食べるようにしましょう。
「さ」は、魚類を表します
魚には良質なたんぱく質が豊富に含まれています。サバやイワシなどの青魚には、動脈硬化や心筋梗塞などの血管の病気を予防するEPAやDHAが豊富に含まれています。
「し」は、しいたけ類を表します
しいたけなどのきのこ類は、食物繊維が豊富に含まれていて水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類を同時に取ることができます。これらの食物繊維は腸内細菌(善玉菌)のエサとなるので、より腸内環境を整えてくれます。また、低カロリーの食材であり、しっかりかんで食べることで食べ過ぎの予防にもつながります。
「い」は、いも類を表します
サツマイモなどのいも類には、水溶性と不溶性の食物繊維がバランス良く含まれているため、腸内環境を整えて便秘の解消やコレステロールに悩む方におすすめです。
「よ」は、ヨーグルトなどの発酵食品を表します
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は腸内細菌(善玉菌)を増やす作用があり、腸内環境を整えてくれます。
また、味噌や漬け物などの発酵食品には、乳酸菌や酵母菌、納豆菌など、さまざまな善玉菌が豊富に含まれています。
以上の8種類の食材が食事に入っているかどうか意識して選択していけば、腸内細菌が喜ぶ腸内環境が整います。1回の食事で欠けても、1日の食事の中で8種類を満たすことができれば大丈夫です。
◎食物繊維と腸内細菌の関係と期待される効果
ヒトの大腸内には非常に多くの腸内細菌が生息していています。
この腸内細菌は、腸内環境を整えて健康に過ごすためのいろいろな役割を果たしています。
腸を動かしたり守ったりする短鎖脂肪酸をつくったり、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンなどの神経伝達物質も作ります。また、免疫細胞に指令を出して、有害なウイルスなどを攻撃したりします。
腸内細菌は大きく「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3種類に分類されます。
善玉菌は健康維持や老化防止などに影響する菌で、代表的な菌は乳酸菌やビフィズス菌です。
反対に悪玉菌はからだに悪い影響を及ぼすとされる菌で、ウェルシュ菌・ブドウ球菌・大腸菌などが代表的な菌にあげられます。
日和見菌はからだが健康なときはおとなしくしていますが、からだが弱ったりすると腸内で悪い働きをする菌で、代表的なものにバクテロイデス・大腸菌(無毒株)・連鎖球菌があります。
このような腸内細菌を、特にヒトにとって良い菌に育てるには、毎日の食事に気を配ることが大切です。すなわち、良い菌である善玉菌のエサとなる食物繊維、特に水溶性食物繊維やオリゴ糖を多く含む食品を食べ、悪玉菌が好むような肉類などの食品は適量以上に食べないようにすることです。そうすることで、食物繊維が腸内に生息する乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を増やし、悪玉菌を減らして腸内環境を整えて、便通等を良くしてくれるのです。
現在の私たちの生活は、ストレスや睡眠不足、偏った食生活により、腸内細菌のバランスが崩れやすくなっています。
腸内細菌のバランスは非常にデリケートですので、規則正しい食習慣やバランスのよい食生活を心がけるとともに、食物繊維を積極的に取り入れて、おなかの調子を整えることで健康な毎日を送りましょう。規則正しい食生活は腸内環境を整え、健康の維持増進とともに私たちの身体にとって多くのプラス効果をもたらしてくれます。
その他、チョットした生活習慣の改善の見直し点を以下に列記します。
・食事は三食きちんと食べる
・朝起きたら、先ずコップ一杯の水や牛乳などを飲む
・適度な運動
・決まった時間にトイレに行く
どれも今日からできそうですよね。
コラム「お腹の不調を改善するには・・先ず腸を元気に!」も参考にしてみてください。
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【参考】
厚生労働省生活習慣予防のための健康情報サイト>e-ヘルスネット>便秘と食習慣
厚生労働省生活習慣予防のための健康情報サイト>e-ヘルスネット>腸内細菌と健康
厚生労働省生活習慣予防のための健康情報サイト>e-ヘルスネット>食物繊維の必要性と健康
株式会社山崎帝国堂 薬剤師。
スポーツファーマシスト/日本薬剤師会、千葉県薬剤師会の会員。
中堅製薬企業にて医薬品開発に従事し、消化性潰瘍治療薬を2品目上市。
現在、専門学術領域は日本微量元素学会、日本微量栄養素学会、日本栄養・食糧学会を中心に活動。 日本微量元素学会の代議員を務める。