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  • 毒掃丸と「毒退治」のトラ

    2021.09.20 便秘薬のこと

    毒掃丸のシンボルといえば、ネコ科の猛獣トラ。今も毒掃丸のパッケージの一番目だつところに描かれています。このトラは、明治時代に「毒退治」のシンボルとして毒掃丸に描かれるようになりました。今回は、歴史を振り返りながら、トラに秘められた当社の思いをご紹介します。

     

    ■時代背景(1)明治時代に身近になったトラ

     

    トラは古来、日本にはいない動物です。もちろん、中国や韓国との交流を通じてエリート層にはその存在はかなり古くから知られていましたし、十二支に用いられるなど、市民にもなじみは深いものがありました。しかし、庶民が実物のトラに接することができるようになったのは、割と最近のことです。一般市民が生きたトラを目にすることができるようになったのは、見世物の目玉として実物のトラが出されるようになった江戸末期だといわれています。明治に入ってそんな機会も増えてきて、徐々にトラは身近になってきます。そして、1882年(明治15年)に日本で最初の動物園である東京の上野動物園が開園しますが、開園5年後の1887年(明治20年)になると、いよいよトラが展示されるようになりました。ちなみに、そのトラは、外神田・秋葉ヶ原で興行していた当時大人気だった舶来サーカス団で生まれたトラを動物園側がヒグマと交換で入手したものだそうです注1。当時の上野動物園では、トラが入る前は熊しか猛獣がいなかったので、新たにやってきたトラは、人気を博したといいます注2

     

    外神田・秋葉ヶ原の舶来サーカス団でトラが生まれた1887年の翌年・1888年(明治21年)に、秋葉ヶ原のすぐ南・神田花房町で、山﨑帝國堂が創業しました。のちに当社がトラを看板商品のシンボルマークに選んだのは、もしかしたら、創業者たちが、当時身近になってきた本物のトラを見て、斬新さを鮮烈に感じたからなのかもしれません。

     

    ■時代背景(2)病魔退散のシンボル・トラ

     

    大阪にある薬の街・道修町で、「神農(しんのう)さん」として親しまれている少彦名神社(すくなひこなじんじゃ)は、日本医薬総鎮守として、病気平穏・健康成就を祈る神社です。この少彦名神社では、普通の神社だと狛犬がいるようなところに、今もトラの像が鎮座しています。そして、本堂の中にも張子のトラが鎮座しています。ここではトラは病魔退散のシンボルなのです。

     

    少彦名神社でトラが病魔退散のシンボルになったのには、そう古いことではありません。1822年に大阪でコレラが流行したときに、病除けの薬として「虎頭殺鬼雄黄圓」(ことうさっきうおうえん)というトラの頭蓋骨を砕いたものを入れた丸薬を作り、張子のトラとともに配ったところ、流行がおさまったというのです。本物のトラが極めて珍しかったころですから、人々は、よく知らない猛獣に、神秘的な力強さを感じたことでしょう。

     

    江戸・明治の時代には、大阪の道修町は日本の薬業の中心でしたから、薬業界に身を置く当社の創業者たちは、トラが道修町で病魔退散のシンボルになっていることを知っていたと思うのですが、確かなことはわかりません。

     

    ■「猛虎一聲掃萬毒(もうこいっせいそうばんどく)」と解毒への強い思い

     

    そうした時代背景のもと、創業したばかりの当社は、現在の毒掃丸のルーツにあたる「腹内毒掃丸」を発売しました。その名前は体内の毒を掃除してくれる丸薬であるということから名付けられました。効能は、梅毒・そう毒・しつ毒・淋毒・胎毒など、当時体内の毒が原因で引き起こされると思われていた諸疾病です。明治30年代には、「毒掃丸」の名で全国展開していきます。

    (当時の経緯については、弊社HP「複方毒掃丸の歴史」もぜひご覧ください)

     

    全国展開するようになった明治時代の毒掃丸には、トラがシンボルとして描かれるようになります。猛獣の強そうなイメージと、病魔退散のイメージを融合させたような、「毒退治」のシンボルです。そしてトラには「猛虎一聲掃萬毒(もうこいっせいそうばんどく)」というキャッチフレーズが添えられます。このフレーズは、力強い虎が一吠えすれば全ての毒が一掃される、といった意味で、つい数年前まで毒掃丸のパッケージに絵柄として描かれていたフレーズです。ここには、当社の、体内の不要物を出すことで人の健康をとりもどしたいという強い思いが込められています。

     

    明治時代の毒掃丸の新聞広告

     

    これは、明治35年1月1日の東京朝日新聞(今の朝日新聞)に出されていた当社の広告です。新聞一面を使ったかなり大きな広告で、明治時代とは思えない大胆なグラフィックだと感じます。リアルに描写された猛虎が、諸毒に襲い掛かる様が描かれています。

     

    ■改良された処方と、変わらぬ思い

     

    このように、毒退治のトラを掲げてひろまっていった明治時代の毒掃丸ですが、実際に毒消しになったのでしょうか?(注意:現在の毒掃丸は、便秘薬であり、解毒の効能効果は認められていません。)

     

    初期の毒掃丸の処方の組み立て方を見ると、確かに、体の不要なものを排出することへの強いこだわりが見て取れます。江州の名医・香川修徳伝来の処方に「香川解毒剤」というものがあり、梅毒等の諸毒に用いられてきましたが、初期の毒掃丸の処方にもちいられている8生薬(下記参照)のうち5生薬が「香川解毒剤」と重なります。また、配合されている8つの生薬全てが、古来、瀉下・排膿解毒・利尿のうちいずれか・もしくは複数の目的で用いられていたといわれているものです。

     

    明治の毒掃丸が効能にうたっていた疾病の中には、科学の進歩とともに病原体が判明し、根本治療の方法が確立されたものがいくつもあります(例えば梅毒や淋病)。毒掃丸は、こうした疾病を完治させることはできなかったと思いますが、他に治療法がないなか、いわば現在のデトックスのような考えで、服用されてきたものと思います注3

     

    (当社のデトックスに関する考え方は、『便秘と「デトックス」①デトックスを理解する』を、江戸時代のダイオウやサンキライの用いられ方については『便秘と「デトックス」②医薬の歴史にみるデトックスの系譜と、毒掃丸』をご覧ください)

     

     

    〇初期の毒掃丸の処方注4

    ダイオウカンゾウセンキュウサンキライ、ドリュウソウ、ニンドウアロエアケビ

     

    その後、毒掃丸の処方は、時代に合わせて改良されてきました。現在配合されている6つの生薬のうち2つは、初期の毒掃丸には含まれていないものです。小腸の水分を増やすことで排便を促すエイジツと、胃腸の調子を整えるコウボクで、いずれも便秘・便秘にともなう諸症状を緩和することを期待して配合されています。一方で、4つの生薬は、発売当初と同じものです。

     

     

    〇現在の毒掃丸の処方

    ダイオウ、カンゾウ、センキュウ、サンキライ、エイジツ、コウボク (クリックすると詳細が書かれた添付文書がポップアップします)

     

    現代の医学薬学のもとでは、もはや毒掃丸が萬毒を一掃するとは言えませんが、カラダの中の不要物を出すことで人の健康をとりもどしたいという強い思いは、毒掃丸が便秘薬になっても変わりません。

     

    ■トラの変遷

    最後に、これまでに当社で用いられてきたトラのマークをいくつかご紹介します。美意識が現在と異なるのか、ユーモラスなトラが多いと感じませんか?

     

    どくそうがん 虎キャラクター1どくそうがん 虎キャラクター2どくそうがん 虎キャラクター3どくそうがん 虎キャラクター4

     

    こちらは、北多摩薬剤師会会長の平井 有先生所蔵の、古い旗に描かれてたトラです。ちょっと人懐っこそうに見えますね!

     

    毒掃丸のトラキャラクター5 販促用旗

     

    このように、明治以降色々なトラが描かれてきました。そんな中で、当社の歴史上もっとも人懐っこくて心優しいトラを挙げるとするならば・・・それは、もちろん現在の当社のキャラクター、さぶろうまる君です!

     

    当社の公式キャラクター トラの さぶろうまる

     

     

    注1:参考文献:上野動物園HP・上野動物園の歴史  注2:参考文献:濱田陽ほか, 日本人の非日常と日常に棲息する虎たち – 日本十二支考〈寅〉生活文化篇 –,  帝京大学文學部紀要. 日本文化学 2010  (41)   注3:古来用いられている生薬には、解毒作用をうたったものが多くあり、毒掃丸のような和漢薬や、多くの漢方処方に用いられています。しかしながら、そうした生薬の解毒作用の作用機序や、人体での実際の効果や、最適な加工工程などについては、十分な研究が進んでいません。それらの研究は、これからの課題です。 注4:竹内眞哉, 家庭薬物語 第20回 複方毒掃丸, ファルマシア, 2015:  51-9,  p882-883 から抜粋

    写真説明:毒掃丸の、古い販促用の旗に描かれたトラ 北多摩薬剤師会会長 平井 有 先生所蔵

     

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  • 腸内環境と便秘 ② 発酵食品やオリゴ糖、食物繊維、整腸薬の活用

    2021.09.06 便秘のこと

    前回の「腸内環境と便秘①」では、腸内フローラについて解説し、腸内環境を良くするために自分に合ったヨーグルトを摂ることをおススメしました。今回は、発酵食品やオリゴ糖、食物繊維、そして整腸薬を活用した、腸内環境改善方法についてお話したいと思います。

     

    ■お薦めの腸内環境改善方法 後編

     

    発酵食品を摂る

     

    発酵食品とは、乳酸菌などの微生物によって、食材の持つたんぱく質や糖などが分解され、成分が変化することでできた食品のことです。微生物によって分解され成分が変化するという意味では、発酵も腐敗も同じメカニズムであり、発酵と腐敗の違いは、変化後のものを食べられるか否か、人間にとって有益か有害かです。発酵食品は、もちろん人間にとって有益で、風味豊かでおいしく食べられるだけでなく、積極的にとることで腸内環境を整えることができます。腸内環境を整えることで、便秘を改善したり、腸にあるバリアを維持して体を有害物質から守ったりすることが期待できます。

     

    発酵食品が、腸内環境を改善してくれる理由は、2つあります。

     

    1.発酵食品には、発酵を引き起こす菌類が多く含まれています。そうした菌は、食品によって種類や働きがちがうのですが、それらの中には、腸内の善玉菌そのものや、腸内の善玉菌の数を増やしてくれる働きをするものが多くあります(例:乳酸菌・納豆菌・酪酸菌等)。

     

    2.多くの発酵食品には、オリゴ糖や食物繊維(いずれも後述)といった腸内の善玉菌のエサになったり、腸内の環境を整えてくれる栄養素が多く含まれています。

     

    実は、発酵食品なら何でも同じくらい腸内環境の改善に良いというわけではなく、2つの理由が当てはまる発酵食品を摂ることが大切です。そんな、腸内環境の改善に特に良い発酵食品は、次の通りです(順不同)。

     

    腸内環境改善に特に良い発酵食品  チーズの絵

    ヨーグルト・ぬか漬け・納豆・キムチ・味噌・醸造酢・酒粕・甘酒・チーズ

     

    こうした食品を、積極的に摂るようにしましょう。

     

    オリゴ糖を摂る

     

    オリゴ糖は、別の言い方では小糖類と言いますが、構造が少しだけ複雑な糖類を示す言葉であり、沢山の種類があります。その中でも、ヒトの消化酵素では分解されないけれど(=腸の奥まで届く)、腸内細菌によって分解される「難消化性オリゴ糖」は、善玉菌のエサになります。善玉菌は、エサがあるとどんどん増えることができるので、善玉菌優位の腸内フローラができあがります。ふつう、便秘解消の話題で出てくるオリゴ糖は、この難消化性オリゴ糖を指しています。

     

    そんなオリゴ糖を多く含む食材は、次の通りです(順不同)。

     

    ★ オリゴ糖を多く含む食材 玉ねぎの絵

    タマネギ・ニンニク・チコリ・アスパラガス・キャベツ・ハチミツ・ネギ・ゴボウ・オリゴ糖甘味料・豆乳

     

    こうした食品を、積極的に摂るようにしましょう。

     

    食物繊維を摂る

     

    食物繊維とは、ヒトの消化酵素で分解されず、大腸まで届く食品成分のことです。栄養として消化吸収されないにも関わらず、ヒトの健康な生活のためには不可欠な成分です。

     

    今の日本人は、食生活の欧米化もあって、食物繊維の摂取量が不足しています。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では、女性18 g以上、男性21 g以上(ともに18~64歳の場合)を食物繊維の1日の摂取目標量として定めていますが、実際の摂取量は、だいたい15g程度で、全年齢・性別で目標を下回っています。食物繊維が不足すると、便通が悪くなります。また、十分摂取することで、心臓疾患、2型糖尿病、大腸癌にかかる可能性を減らせることが分かっています注1当社では、食物繊維を多く含んだ副菜をあと一品追加することをおススメしています。

     

    食物繊維には、水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性食物繊維に分けられます。水溶性食物繊維は、便をやわらかくしてくれる上に、善玉菌のエサになり、結果として善玉菌を増やしてくれます。不溶性食物繊維は、便のカサをふやしてくれ、快便をもたらします。腸内フローラを改善してくれるのは水溶性食物繊維の方ですが、健康維持のためには水溶性・不溶性の両方をバランスよく摂るようにしてください。

     

    そんな食物繊維を多く含む食材は、次の通りです(順不同)。

     

    食物繊維を多く含む食材 食物繊維

    水溶性食物繊維:海藻、果物、さといも、きのこ(なめこ・しいたけに多い)

    不溶性食物繊維:大豆、ゴボウ、穀類、野菜、きのこ(えのき・しめじに多い)

     

    上記以外にも、あらゆる植物・穀物に含まれていますから、どれか一つに絞るよりも多くの種類を摂るように心がけてはいかがでしょうか。

     

     

    実践のポイント

     

    体質や、お腹の丈夫さに合わせて、続けやすいものを選ぶのがよいでしょう。筆者は、体質的に、熱がこもり易くお腹が冷えにくいと自覚しているので、朝食時に、コップ一杯の冷たい豆乳(大豆オリゴ糖が豊富)をのみ、食後には、オリゴ糖豊富な若めのバナナと、水溶性食物繊維豊富なキウイにヨーグルトをかけ、更に発酵性食物繊維(ケロッグ社の「オールブラン」)をかけて食べています。筆者は朝は小食なのと、他の果物も食べる関係から、量は少な目で25~30g程度。腸内環境改善の目玉にするのなら、もっと多い方が良いでしょう。

     

    カラダやお腹が冷えやすい方は、朝に一杯水分を摂るのなら、お白湯や暖かいココア(食物繊維が豊富です)にしてはどうでしょうか。少し手間がかかってしまいますが、食物繊維やオリゴ糖豊富な食材(なめこ、玉ねぎ等)を入れたお味噌汁と、大麦や玄米を混ぜたご飯なども良いと思います。もちろん納豆もあれば、完璧ですね!

     

    オリゴ糖が豊富な豆乳

    朝起きてのむ、コップ一杯の豆乳 見た目以上に量はあります。

    バナナヨーグルトに発酵フレークを載せたもの

    朝食後の、バナナ+キウイ+ヨーグルト+発酵性食物繊維。これは25g程度で少な目。

    整腸薬でサポートする

     

    最後に、整腸薬で腸内フローラを改善する方法もご紹介します。

     

    整腸薬とは、善玉菌そのものや、食べ物の消化に必要な消化酵素の補充を行うことで、腸の調子を整える薬です。腸の本来の働きを取り戻す手助けをすることで、便秘や下痢を改善します。整腸薬は、腸内環境の改善を心がけているけれど、それでも便秘になり困っている方におススメです。毒掃丸整腸薬は、乳酸菌と消化酵素と4種類の生薬を配合した、シナモンのような爽やかな香りがする、のみやすい整腸薬です。ぜひ一度お試しください。

    毒掃丸整腸薬

    関連リンク:毒掃丸整腸薬の製品案内毒掃丸整腸薬の無料サンプルお申し込みフォーム

     

    ■便秘対策には運動などの腸活も行い、それでも困ったときには便秘薬

     

    以上のように、腸内環境を改善する食べ物は沢山あり、それらを摂ることは便通の改善につながります。しかし、必ず便秘が改善するとは限りません。別のページで様々な「腸活」をご紹介していますので、それらを参考にしていただきたいと思います。

     

    また、それでも出ない時には便秘薬・毒掃丸を活用してみてください。複方毒掃丸は、6種類の生薬が自然に近いお通じを促す便秘薬です。小さな丸剤なのでのむ量を調節しやすく、ちょうどよいお通じを目指せます。便秘薬は、正しい方法で使いこなしていただけば、便秘のセルフケアの頼もしい切り札になります。

    複方毒掃丸

    関連リンク:複方毒掃丸ブランドサイトおすすめの服用方法複方毒掃丸の無料サンプルお申込みフォーム

     

    前編 → 腸内環境と便秘 ① 腸内フローラ/ヨーグルト

     

    注1.Andrew Reynolds  et al, Carbohydrate quality and human health: a series of systematic reviews and meta-analyses , The Lancet, 2019; 393 (10170),  434-445

     

     

    写真説明: 腸内フローラは、お花畑にたとえられることも多いです。前回同様、花満開の写真に、タイトル文字を載せてみました。

     

     

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  • 腸内の環境を整えてあげることは、健康維持や便秘の改善・解消のために大切です。2回シリーズで、腸内環境を良くして便秘を改善するための方法についてまとめてみました。今回は腸内フローラとヨーグルトの話を、次回は発酵食品やオリゴ糖、食物繊維、整腸薬の活用について書いてみたいと思います。

     

    ■腸内フローラとは

     

    私たちの腸の中には、約100兆個もの細菌(腸内細菌)がいて、その状態は、健康と密接に関係しています。これらの腸に棲みついている細菌群全体は、腸内フローラと呼ばれています。フローラとは植物相を指す言葉ですが、ローマ神話の花と豊穣と春の女神と同じ名前なので、華やいだ好印象を抱かせます。

     

    ちなみに、初期ルネサンス期のイタリア人画家 ボッティチェリの代表作の1つ『プリマヴェーラ』(図1)に描かれた、右から3人目の花柄の服を着た女性がフローラです。

    プリマヴェーラの「フローラ」

    図1.『プリマヴェーラ』のフローラ(右から3人目)

     

    腸内フローラのなかの細菌は、体に良い働きをする善玉菌、悪い影響をもたらす悪玉菌、どちらにも属さない日和見菌に分類できます(図2)。腸の中で善玉菌が優勢ならば、良い腸内環境と言え、悪玉菌が優勢になると、腸内環境は悪化し、便秘を引き起こしたり、有害物質が多く発生してしまったりします。(悪玉菌の体への影響は、便秘とデトックスについての記事でも説明しています) つまり、「腸内環境を整える」とは、善玉菌が優勢な腸内環境を作ってあげることなのです。

     

    表:腸内細菌の分類

    図2. 腸内細菌の一般的な分類 当社作成

     

    腸内環境は、主に年齢や食生活によって変化します。

     

    乳児の腸内細菌は、母乳に含まれる乳糖やオリゴ糖をエサにする善玉菌が大半を占めています。そして、固形食を食べるようになって以降、多様な食物を反映して、図2に示したような複雑な腸内フローラが形成されていきます。善玉菌は、残念ながら加齢により減少してしまいます。ビフィズス菌などを含むアクチノバクテリア門の細菌は、60歳くらいから大きく減少し、100歳を超える被験者たちからはほとんど検出されないという研究結果が出ています注1年を重ねるにつれ、腸内環境の改善をより意識したほうが良さそうです

     

    食生活の影響も、大きいです。腸内細菌は、種類によって食べる(=代謝する)ものが異なるので、肉をたくさん食べれば、タンパク質を好む悪玉菌の数が増え、善玉菌が好む食べ物をたくさん食べれば、善玉菌が増えます。また、後述するように、善玉菌自体を食べることによって、腸内環境を良くすることが可能です。そのため、食文化が異なる国を比較してみると、腸内フローラの組成が異なっているそうです注2食べるものを工夫することは、手軽に腸内環境を改善する方法です

     

    なお、腸内環境を維持していくにあたっては、抗生物質の濫用は避けたほうがよいでしょう。抗生物質は、病原菌を退治してくれるありがたい薬ですが、腸内の有用な細菌まで殺してしまい、腸内フローラのバランスを崩してしまいます。ウイルス性の風邪などでは抗生物質の服用は不要ですから、医師とよく相談して指示されたとおりの服用にとどめ、腸内環境を守りましょう。

     

    ところで、抗生物質により腸内細菌が減ってしまうと、薬を服用した際の効き目にも影響を及ぼすことがあります。例えば、当社の便秘薬・毒掃丸は、有効成分の中に、腸内細菌によって分解されたあとに薬効を発揮するもの(ダイオウ)を含んでいますから、腸内細菌が少なくなっていると、効果が弱まってしまうかもしれません。

     

    ————————————————————————-

     

    では、おススメの腸内環境改善方法4つを、今回(その1)と次回(その2~4)に分けてご紹介します。

     

    ■おススメの腸内環境改善方法 前編

    自分に合ったヨーグルトを食べる

     

    腸内環境を良くするために、自分に合ったヨーグルトを見つけて毎日食べてみましょう。ヨーグルトは、乳酸菌・ビフィズス菌といった善玉菌を多く含んでいますが、こうした食品を摂取することが便秘改善に有効であることを示す様々な研究成果があります。しかしながら、どの菌をどのくらい摂取すれば便通が改善するのかについては、まだエビデンスが十分にありません注3

     

    お店で売られているヨーグルトには、実に様々な種類があります。それぞれのヨーグルトに含まれている乳酸菌・ビフィズス菌は、メーカーやブランドごとに色々な菌種のものがあり、異なる菌種では、代謝過程や、産出する乳酸のタイプ(異性体)や、産出する乳酸以外の生成物が異なります。そのため、人によって合う製品とあわない製品があるようです。

     

    様々な種類のヨーグルトのイラスト

     

    そこで当社では、自分にあったヨーグルトを見つけるために、同じ銘柄のヨーグルトを1~2週間食べ続けてみることをおススメしています。摂取量は、できれば1日200g程度。そして、おなかがグルグルと動くような状態になるものが、自分に合うヨーグルトと考えられます。お腹の調子が良くない場合や、効き目を感じない場合は、今とは違うタイプの菌が使われているヨーグルトに代えてみましょう。

     

    自分に合ったヨーグルトに出会えたら、毎日食べ続けてみてください。食べる時間は、腸の活動が高まる夜がよいと言われていますが、時間ごとに効果を比較した研究は見当たりませんでした。無理せずきちんと続けられる時間に食べましょう(筆者は、毎朝+時々寝る前に摂っています)。

     

    ヨーグルトを食べ続けた場合に、体重が減りやすいという研究結果は多くあり注4、ダイエットと腸内環境の改善は、兼ねることができるかもしれません。(ダイエットをされる場合、ダイエットと便秘についての記事もご参照ください)

     

    ヨーグルトを毎日食べても便秘が改善しない場合は、ヨーグルトをやめてしまうのではなく、違う製品をためしてみたり、他の便秘解消法と組み合わせるようにしてください。(その際は、便秘のセルフケアについての記事や、腸活の記事群便秘薬をのむ時に気を付けてほしいことの記事もご一読頂けると幸いです)

     

    ヨーグルトの市場は、便秘に関連する産業の中でも最大規模で、かつ最も急速に伸びています。ヨーグルト+乳酸菌飲料の市場は、2010年から2020年までの間に1.5倍に拡大したそうです(TPC調べ:日本経済新聞電子版2020年10月12日参照)。しかもその規模は、直近で7000億円近いとのこと。当社を含む便秘薬の市場はわずか約200億円弱で、長年横這いか微増ですから、違いに驚きます。

     

    ヨーグルトを食べるだけでは便秘の悩みを完全になくすことは難しいとは思いますが(その証拠にヨーグルトの市場拡大にも関わらず、厚生労働省の調査では、便秘有訴者数自体は長年ほぼ横ばいです)、前述の通り、善玉菌の摂取が便通を改善させることははっきりしていますし、便秘以外にも、免疫力UPなど多くの効果が期待されています。ぜひ積極的に食べてみてはいかがでしょうか。

     

    つづく → 腸内環境と便秘 ② 発酵食品やオリゴ糖、食物繊維、整腸薬の活用

     

    注1: K. Kato et al.  Age-related changes in the composition of gut Bifidobacterium species,  Current Microbiology 2017; 74(8): 987-995 注2:例えば、Suguru Nishijima et al., The gut microbiome of healthy Japanese and its microbial and functional uniqueness, DNA Research, 2016; 23,(2): 125–133  注3:日本消化器病学会関連研究会,慢性便秘の診断・治療研究会:慢性便秘症診療ガイドライン 2017.南江堂,2017 p.62-63 注4: 例えば、Jessica D Smith et al. , Changes in intake of protein foods, carbohydrate amount and quality, and long-term weight change: results from 3 prospective cohorts, Am J Clin Nutr 2015;101:1216-1224 .  アメリカでの、12万人を対象にした大規模調査。

     

    写真説明:腸内フローラは、お花畑にたとえられることも多いです。今年の春の、花満開の写真にタイトル文字をのせてみました。

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  • 体重を減らし、体形を今よりスリムにしたいと考える人は多いようです。大手エステサロンチェーンM社の調査では、20~34歳の女性の90%が今の自分の体形に満足していないと答えたそうです。また、私たちは、自分を太り気味だと自己評価する傾向があるようで、厚生労働省が2014年に行った「健康意識に関する調査」では、国民全体の傾向として標準体型の人の多くが自分を太っていると認知していることがうかがえます(下図)。

     

    表:体型についての自己認識

    厚生労働省「健康意識に関する調査」2014年 を参考に当社作成

     

    人は、よりよい人生を手に入れるために、よりよい自分を目指し続けるのであり、だとするとダイエットをしようとする気持ち自体はまったく正常で、お互いに応援すべきものだと思います。ただ、方法を誤ったり、過剰なダイエットをしてしまうと、健康を害すのもまた事実です。やり方次第では、ときに不快な便秘も引き起こしてしまいます。

     

    今回は、よりよい自分を目指す皆さんに少しでも参考にしていただくために、ダイエットと便秘について現在わかっていることをまとめてみました。

     

    ■ダイエットが便秘の原因になる場合

     

    ダイエット中には、食生活を大きく変える人が多いと思いますが、次のような場合に便秘を誘発することがあります。

     

    ・朝食を抜かす

     

    排便の仕組みとして、胃・結腸反射というものがあります。結腸(大腸のこと)にある消化後の食べ物は、胃に食べ物が入った時の刺激で反射的に引き起こされる蠕動(ぜんどう)運動で一気に肛門の近くまで運ばれます。この反射は朝食後によく起こることが知られています。ダイエットで朝食を抜くと、胃・結腸反射が起こるチャンスを逸してしまうので、便秘をしやすくなってしまいます。実際に、便秘がちの大学生は、便秘でない大学生よりも朝食を抜かしている率が1.5~2.5倍高かったという研究結果があるそうです注1

     

    ・食事量を減らしすぎる

     

    食事に含まれる食物繊維や水分が減ってしまうと、便秘が引き起こされます

     

    野菜などに多く含まれる食物繊維は、人間の消化液では消化されないため多くが便の材料になります。また保水性が高いため、水を吸って膨らみ、便のカサを増します。ダイエットで食事量を減らすときも、食物繊維が不足しないよう気をつけましょう。

     

    また、食事量の減少は、水分の減少にもつながります。ヒトは、1日に摂取する水の量2.5Lのうち、1Lを食べ物から摂っています(厚労省のこのポスターの図がわかりやすいです)。更に、便の重さの7~8割は水分です。そのため、食事量を減らすと便の水分が減り、便のカサが減ってしまいます。すると、便意が正しく起こらないことなどにより、排便回数減少型大腸通過正常型の便秘になってしまうことがあります。実際に、ダイエット経験がある女性には便秘が有意に多く、また1日あたりの水分摂取が1.5Lを超える男性に快便が有意に多いという研究結果があります注2。ファスティングという、断食を柱にした健康法を始めると、便秘をする人がいるといいますが、当然かと思います。

     

    ・ストレスがたまり便秘に

     

    これはダイエット行動に限ったことではありませんが、一般にストレスがたまると、自律神経の働きが乱れ、便秘になることがあります。食事量を減らすだけでなく、ストレスを発散できる身体活動を交えるなど、ダイエットプランを一工夫してみてはいかがでしょうか。

     

     (番外編)メディカルダイエットの副作用

     

    少々特殊な例ですが、GLP-1受容体作動薬という糖尿病治療薬を、「メディカルダイエット」と称して保険外で処方するクリニックが多くあります。その是非についてはここでは論じませんが(日本糖尿病学会の見解はこちら)、この薬は、腸の蠕動運動を抑える働きもあるので、副作用として便秘を誘発します。また、GLP-1は満腹感を持続させることで食事の摂取量を減らしますので、食べ物の量が減り、便秘になりやすくなります。

     

    食べ物の誘惑にかられるダイエット中の女性

     

    ■腸活は、健康を増進するダイエット術

     

    腸活という言葉は皆さんもよくご存知だと思います。腸活とは便秘にならないことや、腸内環境をよくするよことを目的にした活動全般のことです。腸活に含まれている活動の多くは、正しく行えば健康そのものを増進します。(腸活全般については本ブログ『「腸活」について①』を参照ください)

     

    実は、腸活として行うアクティビティには、前の項で挙げた便秘の原因になるダイエットの真逆を行くものがいくつも含まれています。腸活の中にはダイエットの役に立つ考え方が多く含まれているのです。有名医師の中には、腸活ダイエットを提唱する方もいらっしゃいます。

     

    ここでは、皆さんがダイエットプランを立てるときに参考になるような腸活の技術について、いくつかご紹介したいと思います。

     

    ・朝食は抜かず、食物繊維や水分をしっかりとる

     

    忙しい毎日の中で、ダイエットまでしていると、つい朝食を抜きたくなってしまうかもしれません。でも頑張って朝食は抜かないようにしましょう。空になっている胃袋に食べ物が入ると、それが刺激となって腸が動き、お通じを促してくれます。朝起きたときにコップ1杯の水を飲むのもおススメです。胃・結腸反射による蠕動運動が起こることで、大腸の内容物が一気におしりの近くまで運ばれて行きます。また、食物繊維や水分はしっかり摂り、便のかさを確保しましょう。腸内の善玉菌を増やしてくれるヨーグルト、善玉菌のエサになるオリゴ糖や食物繊維が豊富なバナナなどは、簡単に摂れる腸活食材です。まずはダイエットで便秘になることを避けるようにしましょう。(食べ物による腸活については、本ブログ『「腸活」について② 腸に良い食生活 実践レシピ付き』をご参照ください)

     

    特にヨーグルトについては、毎日食べ続けた時に、他のタンパク質源と比較して体重が減少するという海外の大規模調査の結果がありますので注3、ダイエットに組み込む上では一石二鳥といえるでしょう。

     

     

    ・有酸素運動をし、腹筋や骨盤まわりの筋肉を鍛える

     

    有酸素運動は、腸の動きを活発にしてくれます。同時に、ある程度持続した有酸素運動は脂肪を燃焼させることで体重を落とすことにもつながります。個別の種目でいうと、例えばウォーキングやジョギングは、便秘改善に効果があることがわかっていますが、これらは、同時に全身を使った有酸素運動として消費カロリーが高い身体活動でもあります。言うまでもなく、ダイエットの基本は、消費カロリーが摂取カロリーを上回ること。もしこれまで運動をしてこなかった人が、30分以上のウォーキングを週2回続けることができたなら、確実に体重が減少します。運動によるダイエットは、継続することが難しいので、モチベーションを高めることがカギです。もしあなたが便秘がちだったり腸の健康に興味があるようでしたら、運動は腸活にもなると考えて、頑張ってみてはいかがでしょうか。

     

    また、体幹をひねる動き、腹部に圧をかける動きといった、腹筋や骨盤まわりの筋肉を鍛える運動は、(1)腸に刺激をあたえ、(2)排便に必要な筋肉を鍛えるため、便秘によい身体活動です。同時に、これらの運動は姿勢を整え、ぽっこりお腹を改善することに貢献します。(全くの蛇足でありますが、筆者の経験では、年単位でジョギングを続けていると、それだけで反り腰が改善し、お腹が引っ込みます。運動と便秘の関係全般については、本ブログ『便秘と運動』をご参照ください)

     

     (番外編)肥満の人は、ある腸内細菌が少ない

     

    最近の海外の研究で、肥満の人とそうでない人を比較すると、腸内細菌の構成(腸内フローラ)が異なることがわかってきました注4。肥満の人ではそうでない人と比較してバクテロイデス門という細菌のグループの相対的な割合が少ないというのです。こうした腸内フローラの違いが食事からら取り込むエネルギー量に個人差をもたらし、肥満の原因の1つになっていると考えられるようになっています。腸内フローラと肥満の関係は近年注目があつまっていますが、まだ研究者の間でも細部まで意見が一致しているわけではなく、具体的な肥満症の治療法やダイエット法も、見出されていません。今後の研究の進捗が待たれるところです注5

     

    今私たちにできることは、腸内細菌の多様性を自ら崩してしまわないように、偏食しないように心がけることではないでしょうか。

     

    ■便秘解消は、ダイエットになるのか?

     

    最後に、便秘を解消すること自体がダイエットになるかどうか、考えてみます。答えは簡単で、溜まっている便を出すことは体重減少につながりますが、どんなに多くても、便自体の重さである数百グラムの減少にしかならないでしょう。便がたまって体重が数百グラム余計に多くなることや、お腹がぽっこりしてしまうことは確かに嫌なものですが、皆さんが目指している体重の減少は3キロや5キロ、あるいはもっと壮大なものであるはずです。あせらなくても、腸活の技術を取り入れたダイエットを長く続ければ、便秘はきっと改善していくでしょう。

     

    したがって、私たちは便秘薬メーカーではありますが、ダイエットのために便秘薬を長く服用することはおすすめしません。便秘薬は、腸活の技術を取り入れてもなお便秘がちな場合や、まちがったダイエットでつらい便秘になってしまったときに、レスキュー用として適宜活用するのが正解です。(便秘薬の使い方については、本ブログ『便秘薬をのむ時に大切なこと』をご参照ください)

     

    みなさまが、便秘にならずにダイエット計画を完遂できることを、心からお祈りしております。

     

    注1:日本消化器病学会関連研究会,慢性便秘の診断・治療研究会:慢性便秘症診療ガイドライン 2017.南江堂,2017 p.11参考。 同書が引用の原著(福田ひとみほか,大学生の食事状況・食行動と便秘状況,平成17年度帝塚山学院大学人間文化学部研究年報 2005;7:91~97)を筆者はまだ確認できていない。注2:山田五郎ほか,大学生における慢性機能性便秘発現に及ぼす性および生活習慣との関連ー横断的研究ー,栄養学雑誌 2009;  67  p. 157-167 注3: プレーンまたは人工甘味料添加のヨーグルトの場合。Jessica D Smith et al. , Changes in intake of protein foods, carbohydrate amount and quality, and long-term weight change: results from 3 prospective cohorts, Am J Clin Nutr 2015;101:1216-1224    注4:Turnbaugh, P.J et al, Microbial ecology: human gut microbes associated with obesityNature.  2006;  444  : 1027-1031 注5:参考文献:入江 潤一郎ほか,  腸内細菌叢と肥満症,   日内会誌  2015;  104 : 703-709

     

    写真説明: 伊勢神宮に行ったときに、静かで美しい池を見つけました。その池の写真に、タイトルの文字を重ねてみました。新緑が青空に映える画から涼しさを感じていただけたら、また神秘的な池からダイエット完遂へのパワーを得ていただけたら幸いです。

     

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  • 運動は便秘解消に効果的で、また運動不足は便秘の原因になるということは、皆さまも一度は聞いたことがあるはずです。でも、そうとは知っていながらも、長引くステイホームと酷暑のせいで、実際には十分な運動ができていない方も多いのではないでしょうか。運動は、便秘のセルフケアの大事な要素で、ご自身の生活スタイルにあう形でしっかり習慣化していくことが大切です。東京オリンピックでスポーツ観戦の時間が増え、普段以上に運動を身近に感じられる今だからこそ、便秘対策のための運動も、しっかり実行に移したいものですね!

    ■運動と便秘の関係

     

    運動の減少が便秘の悪化につながることと、運動の実行が便秘解消に有効であることを示すデータは、多く存在しています。大腸通過時間(食べ物が大腸を通過する時間)は運動をしたほうが短くなること、歩行がカプセル内視鏡の排出率の向上につながること、また運動量が減った人に便秘の症状が増えてることなども報告があり注1、便秘に悩む人は、積極的に運動をするべきでしょう

    運動が便秘を改善する理由としては、(1)運動による刺激が腸管運動を促進することや、(2)自律神経のバランスを保つことで腸管運動を整えることが考えられています注2。また、排便時には腹圧を高める際に腹筋を使うことから、腹筋を鍛えることも便秘を改善させると広く一般的に考えられています。

    ■どんな運動を、どれだけすればよいの?

     

    運動が、便秘の改善に効果があることはかなり確実だと言える一方で、どんな運動で実際に効果がでるのかは研究が豊富とはいえません。まず、網羅的に様々な運動が便秘をどの程度解消するかを比較した研究はありません。ただし、ジョギングなど有酸素運動が便秘を改善するという研究結果がいくつかあり、気功やウォーキングなどの有酸素運動が便秘を改善したことを示す海外のメタ解析が存在しています注2。時節柄、運動を室内で行う方も多いと思いますが、その場合は、スペースが限られる中で効率よく運動をしたいものです。先に挙げたように、便秘対策として行う運動は、動作の刺激で腸管を動かすことを期待しているので、体幹をひねったり腹部に圧がかかるような動作がお勧めです。そして運動後でも構わないので、腹式呼吸も組み込むことができたら、より自律神経の働きも整うでしょう。中長期的な便秘対策としては、腹筋を鍛えることも意識してみましょう。

    便秘改善のための運動

    表は本記事の内容より当社作成

    また、どれほどの運動を勧めるかについては、明確なエビデンスがないため、医学的な基準はありません注1。ただ、ある程度継続的な運動が必要そうであることは、データから推察することができそうです。慢性便秘症の女性患者を対象とした、便秘のリスク因子に関するアメリカの研究注3では、日常の運動の頻度が便秘にどの程度影響するかを統計的に分析しています。論文のデータによると、一週間の運動頻度毎の便秘を訴える人の割合は、次のように推移しました。表を見ると、運動は週に1度であってもしないより良いものの、週2~3回行うことでぐっと効果を体感できるのかもしれません。

    運動頻度と便秘

    *multivariate  

    表は Laurent Dukas, et al: Association between physical activity, fiber intake, and other lifestyle variables and constipation in a study of woman. Am J Gastroenterol 98:1790-1796,  2003より作成

     

    1度に行う運動量については、便秘に特化した良質なエビデンスはまだないようです。健康づくり全般の目安としては、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準2013」というガイドラインでは、30分以上の運動を週2回以上行うことを推奨しており、健康維持全般のためにも一つの目安になりそうです注4

     

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    便秘によい運動要素を含めた有酸素運動を、毎回30分以上、週2回以上行う ・・・なかなかハードルが高いように見えますが、これは理想であって、最初からこの水準を目指す必要はありません。まずはできることから始めることが大切です。また、腸活や、腸活を含む便秘のセルフケアのメニューは、運動だけではありません。本ブログの腸活のタグと、便秘解消のタグにある各記事もぜひ参照していただき、ご自身に合った便秘対策を行ってみてください。また、毒掃丸整腸薬で腸活をサポートしてあげることや、便秘の症状が気になるようになったら、便秘薬・毒掃丸の助けを借りることも併せてご検討ください!

     

     

    注1:日本消化器病学会関連研究会,慢性便秘の診断・治療研究会:慢性便秘症診療ガイドライン 2017.南江堂,2017 p.60 注2  高野 正太: V.慢性便秘症に対する食事療法、運動療法,、理学療法,  日本大腸肛門病会誌 第72巻10号  621-627,2019 注3:Laurent Dukas, et al: Association between physical activity, fiber intake, and other lifestyle variables and constipation in a study of woman. Am J Gastroenterol 98:1790-1796,  2003 注4:前掲の「慢性便秘症診療ガイドライン 2017」でも「健康づくりのための身体活動基準2013」の活用を推奨している。

     

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  • 巷にいう「デトックス」は、医師など専門家の間では、医学的・法的に定義されていないあいまいな用語として、やや胡散臭い用語のように扱われています。でも、過去の歴史を紐解いてみると、当の医術や薬の専門家たち自身が(もちろん市民も)長らくデトックスそっくりの思想を抱き続けてきたことがわかります。私たちの毒掃丸をはじめ、今に伝わる伝統的な便秘薬の成分には、そんなデトックスそっくりの医学思想の痕跡が、はっきりと残っています。

     

    前回は、「デトックスを理解する」と題して、現在のデトックスを考察しながら、便秘薬メーカーとして2つの提案をいたしました。今回は、「医薬の歴史にみるデトックスの系譜と、毒掃丸」と題して、特に江戸時代の日本に焦点を当てて、以前はまるでデトックスそのものの医学が実践されていたことをご紹介し、合わせてその思想の痕跡が私たちの毒掃丸の処方に残されていることをお話したいと思います。

     

     

    ■世界に見られる下剤によるデトックスの発想

     

    古代には、病気は悪魔の仕業であると考えられ、魔術師や祈祷師が病気を治す役割を負っていましたが、吐剤や下剤(以下 瀉下薬(しゃげやく))が発見されるにつれ、体内から病魔を追い出すためにそれらを利用するようになります。メソポタミア、エジプトから始まり、ギリシャ、古代ローマに至るまで、多くの文明で悪いものを出すために便秘というより、病気自体の治療のために瀉下薬を用いていたという記録があります注1

     

    中国にも医薬の古い歴史がありますが、やはり下剤で体内の悪いものを出すという発想があります。古人は、邪気・悪気が人の五体の外から入って病気(傷寒)を引き起こすので、それを追い出すことが要諦と考え、「汗吐下(かんとげ)」の三法で邪を攻撃できると考えました。「下」は瀉下薬などで便とともに邪を出すことです(ここでいう瀉下薬の主役は複方毒掃丸にも配合されている大黄(ダイオウ)という生薬で、この後何度も登場します)注2

     

    悪いものを便と共に出してしまう発想は、洋の東西を問わず世界中で生まれ、長いこと違和感なく医薬の現場や生活者に受け入れられてきたようです。

     

     

    ■デトックスを連想させる江戸時代の「万病一毒説」

     

    目を日本に転じてみましょう。

     

    日本の伝統医学は、中国の伝統医学を起源として独自の発展を遂げてきました。例えば江戸時代の日本では、中国の医薬思想を自分たちなりに咀嚼し、実践的に解釈する医家があらわれるようになります。なかでも吉益東洞(よしますとうどう、1702ー1773)は江戸時代の代表的な医家で、現代にいたる日本の漢方医療に大きな影響を与えた人物です。吉益は、「万病一毒説」といって、すべての病気は体内に生じた毒が原因であり、それを下剤などで出してしまえば病を治療できると説きました。吉益は、その著書『薬徴』でも大黄の活用を推奨しています注3

     

     

    ■江戸時代の長崎貿易で大量に輸入されていた、2大「解毒」生薬

     

    奈良時代から江戸時代まで、薬の多くは、生薬(しょうやく)といって、薬用植物をすりつぶしたものでしたが、前述したように日本の医学は中国由来でしたので、日本の風土で育たない主要な薬用植物も多く、そうした生薬の供給は、中国からの輸入に頼っていました。江戸幕府が鎖国政策をとっていたことは有名ですが、鎖国期間中も、長崎には大量の中国産の生薬が陸揚げされていたことは、あまり知られていないのではないでしょうか。その生薬の輸入を江戸時代を通じてみた時に、輸入量の1位と3位が、「解毒」に使われる生薬でした注4

     

    輸入量1位だった生薬は、山帰来(サンキライ)という生薬です。これは、当時蔓延していた梅毒を治療するために使われていました。梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌の感染により引き起こされる性感染症で、20世紀に化学治療薬が見つかるまで、まともな治療法がなかったので、感染すると数か月で全身に皮膚症状が現れ、10数年かけて酷い症状に苦しみながら死に至ります。もともと南アメリカからヨーロッパに持ち込まれ、インドや東南アジアを経由して、16世紀はじめに日本に入り、遊郭をつうじて急速に広まりました。江戸では、市民の梅毒の罹患率が50%を超えていたという推計もあります注5。そうした中、山帰来は排膿解毒作用がある生薬なので、治療効果が期待されたのでしょう、我が国での梅毒蔓延に合わせて需要が急増します。1754年には400トン以上が輸入され(おそらく現在の輸入量の100倍近く)、これはその年の中国からの全輸入生薬の47%を占める量だったそうです。また、この量は90万人の梅毒患者が1か月山帰来を連用できる量だとも見積もられています。山帰来の輸入は、江戸時代を通じて常時高い水準で推移します注4。しかしながら、山帰来は症状を緩和することはできても、病気の進行を止めることはできなかったはずです。

    山帰来
    山帰来(サンキライ)

    輸入量の3位だった生薬は、吉益東洞も活用した瀉下薬、大黄です。大黄の輸入量は、多い年には110トン程になりましたが注6、山帰来ほどコンスタントではなく、10年単位の波があり、これは痢疾(コレラやチフス)の流行りと相関しているのではないかといわれています注7。大黄にはタンニン類が含まれていて、古来痢疾にも効果が期待されていますが、細菌性の下痢に対して瀉下薬を使うことは今日ではありえませんし、当時であってもやや使いにくかったことと思います。しかし当時は、体内の悪いものを出す発想で大黄が用いられていたようです注8。実際に、十分な治療効果があったのかどうかは、不明です。

    大黄
    大黄(ダイオウ)

    はっきりとした根拠があるわけではないのですが、当時大量に輸入されていた大黄は、瀉下薬としてではなく、多くが痢疾や毒出しに使われていたのではないか、と私たちは考えています。そう考える理由は、(1)薬の値段は一般的に今よりずっと高く、庶民が舶来の大黄を便秘対策のために日常利用していたか疑問であること、(2)香川解毒剤注9など梅毒の解毒を目的とした当時の処方にも大黄が用いられていること、(3)江戸時代から販売されていた現存する家庭薬「七ふく」「百毒下し」に大黄が含まれ、それらが当時は毒出しの治療薬であったこと、の3つです。

     

     

    ■デトックスの系譜に何を見るか

     

    今の医療の観点からみても、体に入ってしまった悪いものを出すという発想自体が、原理原則とし間違っているとは言えません。脈々と受け継がれてきた、毒を体から出せば病気が治るという考えそのものは、恐らく有史以来多くの人命を救ってきたことでしょう。しかしながら、江戸時代に大量に輸入され消費されていた「解毒」に役立つ2つの生薬のエピソードが示すように、打ち克てない毒にまで、身近な薬草のチカラで解毒しようとしても、せいぜい対処療法どまりで、根本的な解毒はできなかったと思います。

     

    現代社会での「デトックス」も、健康維持の「心構え」としては悪いものではなく、恐らく、実際に人々の健康の助けになっていることでしょう。ただ、方法論を間違って効果のないものに頼ってしまうと、失うものがあるかもしれません(生薬を中国から買い付けた江戸時代の日本からは、大量の銀が大陸に流出しました)。なお、現代社会におけるデトックスについては、前回の「デトックスを理解する」に簡単な考察と、便秘薬メーカーとしての2つの提案がありますので、ぜひご覧ください。

     

     

    ■毒掃丸のルーツ

     

    最後に、複方毒掃丸のルーツについても触れさせていただきたいと思います。毒掃丸は明治20年代に当社から発売された薬ですが、今回の記事でとりあげた江戸時代以降のデトックスの流れとは切ってもきれない関係があります(詳しくはHP「複方毒掃丸の歴史」/本ブログ「毒掃丸と「毒退治」のトラ」をご覧ください)。

     

    複方毒掃丸

    たとえば、毒掃丸は、6種類の生薬からなる穏やかな効き目の便秘薬なのですが、江戸時代に大量に輸入されていた山帰来と大黄が今でも含まれています。毒掃丸は当初、梅毒他、毒が原因になる諸病の薬として、香川解毒剤等の伝統処方をもとに開発されたようです。その後、処方の改良を経て、便秘と便秘に伴う諸症状に効く薬となり、今に至ります。

     

    山帰来と大黄についてですが、この2つの生薬は、正しく使うことで優れた効果をあらわします。元来、大黄は大腸の働きを良くして便を出す際立った効果があり、山帰来は排膿解毒作用があるので、これらを組み合わせることで、ただ便秘を改善するだけではなく、便秘に伴う吹出物・肌あれを抑える効果が期待できるのです。まず、山帰来に本来期待するべきだったことは、このような活用方法だと思います。大黄については、漢方の世界では今も様々な使われ方をしている、主要な生薬の1つです。しかし、毒掃丸の処方において大黄に期待することは、やはり、効能通り便秘を改善することにより、「快食快便」の毎日を取り戻す手助けをしてもらうことでしょう。

     

     

    ^^^^^^^^^^^^^

     

    以上、デトックスについて、医薬の歴史にその系譜をたどってみました。人類はデトックスの願いを抱き続けてきたことがわかります。健康への人々の願いは、いつの時代も共通なのですね。

     

     

    写真説明: タイトル文字の後ろにある道具は、当社に残る昔の「薬研(やげん)」です。この道具は、生薬原料をすりつぶして粉末状にするために用いました。

     

    注1:この段落の参考文献 石坂哲夫:くすりの歴史 日本評論社 1979 年 p.9~51 注2:「汗吐下」の三法は張子和(1156?-1228)により『儒門事親』で提唱された。この段落の参考文献 山脇悌二郎:近世日本の医薬文化 ミイラ・アヘン・コーヒー 平凡社 1995年 p.229 注3:長沢元夫:薬徴における吉益東洞の論理 薬史學雑誌 Vo1.10, No.1., 2. 1975年 注4:山脇悌二郎 前掲書   p.8~12 注5:鈴木隆雄:骨からみた日本人 古病理学が語る歴史 講談社学術文庫版 2010年 p.234 注6:山脇悌二郎 前掲書 p.233 注7 山脇悌二郎 前掲書 p.229 注8 富士川游:日本疾病史 平凡社 1969年 注9 香川解毒剤(ががわげどくざい)は、香川修庵由来の処方で、梅毒一般、諸皮膚疾患や淋病などに良いとされる。山帰・木通・茯苓・川芎・忍冬・甘草・大黄からなる。矢藪道明:臨床応用漢方處方解説 創元社 1981年 p.645

     

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  • 今回は、便秘と「デトックス」について理解を深めていくために、便秘薬メーカーの視点で考察と提案をしてみたいと思います。

    今の日本で「体から毒を出すことを指す言葉は何ですか?」と問えば、恐らく、かなりの方が「デトックス」と答えるでしょう。実際にデトックスをうたう商品が巷に溢れています。

    実はこの言葉は医学用語ではなく、また法的な定義もありません。そのため、まともな根拠もなくデトックスをうたう健康食品や健康器具の広告が後を絶たず、この言葉自体が、やや胡散臭いイメージを帯びてしまっているように思います。便秘薬も、便を出すという効能がデトックスのイメージと結びつきやすいので(商品名も毒掃丸ですから…)、私たちもこの状況とまったく関係がないとは言えません。「便秘薬を飲むと、デトックスになるんでしょ?」と聞かれて答えづらい思いをすることも結構あります。

    そこで、今回と次回の2回に分けてデトックスについて整理をしてみることにしました。今回は、「デトックスを理解する」と題して、デトックスを考察し(最初に敢えて冷めた目で見て)、その後で私たちなりの提案もしてみたいと思います。

     

     

    1.世の中のほとんどの毒に対して、巷でいうデトックスは無力で、便秘薬も効果がありません

     

    毒とは、生体に悪い影響を引き起こす物質のことです(生物由来の物質も含みます)。口から入るものもあれば、目や皮膚から入ってくるものもあります。それら毒性のある物質の範囲は、デトックスという言葉から漠然とイメージする「毒」と比べ、驚くほど広いです。

     

    毒の範囲の広さを体感するために、化学物質の安全対策に関する我が国の法体系をみてみましょう。毒性をもつ化学物質から私たちの身体と生活を守ってくれる法律は、実はたくさんあります。

     

    毒劇法労働安全衛生法農薬取締法食品衛生法医薬品医療機器法家庭用品規制法建築基準法化学物質審査規制法土壌汚染対策法水質汚濁防止法大気汚染防止法廃棄物処理法

     

    以上の法律があり、それぞれが、人体への毒になる膨大な量の化合物について、定量的に客観評価し、物質の急性毒性、慢性毒性、発がん性、催奇性、環境毒性などの見地から、専門的知見に基づいてリストを作り、社会活動を規制しています注1

     

    毒といっても、例えばダイオキシン・ベンゼン・重金属といった化学物質を、社会として活用しながら生活者の身を守るためには、法律・科学技術・医療の総力を挙げて対処する必要があるのです。個人がサプリによるデトックスで自衛できるものではないということです。それよりも、特定の物質への暴露が増えないよう、多彩な食材を食べるなどの工夫の方が有効でしょう。もちろん便秘薬もこれらの化学物質の解毒には何の効能も認められていません。

     

    続いて、もう少し身近な食中毒についても見てみましょう。食中毒とは、人体の毒となる物を食べてしまうことにより、健康を害してしまうことです(ちなみに中毒の語源は「毒にあた)る」です)。食中毒の原因となるものは、法的にみるとかなり広く、細菌、ウイルス、自然毒、化学物質、寄生虫などが含まれています。関連する法律は、食品衛生法と、コロナ禍で一躍有名になった感染症法です。食中毒の原因の代表例としては、ウイルスではノロウイルス、菌ではO157、自然毒ではフグ、化学物質では魚に含まれるヒスタミン、寄生虫ではアニキサスが挙げられます。指定感染症とされているものとしては、コレラ菌や赤痢菌があります。とても怖い名前ばかりに見えます。皆さまもご存じのものが多いのではないでしょうか。

     

    食中毒から身を守る方法は、「つけない」「ふやさない」「やっつける」で、これは食中毒予防の三原則と呼ばれています注2。ちなみに3つ目の「やっつける」は、十分に加熱することなどであり、デトックスサプリを服用することではありません。また、当然ながら便秘薬も食中毒への効能は認められていません。

     

    ざっと俯瞰すると、この世界にある実際の毒のほとんどは、巷でいわれているデトックスと次元が違うところがあるようです。デトックスに医学的・法的な定義がない理由や、多くのお医者様や行政が冷淡な理由も、察することができる気がします。結局、多彩な食材を用いたバランスの取れた食事を心がけることと、衛生対策をきちんと行うことが、最も効果的かつ経済的な「毒」対策なのではないでしょうか。

    2.腸内環境を整えることや、便秘をしないようにすることで、一部の毒から身を守ることができます

     

    一方で、デトックスに良いイメージを持っている方は、恐らく前項のような本来の解毒というよりも、「今より健康になる」ことを求めているのだと思います。そうした思いに答えるために、この項では、便秘薬メーカーの視点から、毒から体を守るために私たちにできることを2つ挙げておきたいと思います。これらをデトックスと呼ぶかどうかのご判断は、皆様にゆだねたいと思います。

     

    ① 腸内環境を整えて、大腸のバリアを維持しましょう

     

    大腸には、粘液質のバリアがあり、有害な細菌から人体を守ってくれているのをご存じでしょうか。もしこのバリアが破綻すると、体内に腸内細菌が侵入し(バクテリアルトランスロケーション)、敗血症や全身性の炎症を引き起こしてしまいます。この大切なバリアを維持するために、腸内環境を整えることが大切であることが近年わかってきました。

     

    口に入った食べ物は、まず胃や小腸でドロドロに消化され、栄養素が吸収され、大腸に運ばれます。大腸では、主に水分が吸収され、残ったものから便を作るのですが、その大腸には、100兆個ともいわれる大量の腸内細菌が生息しています。菌には、体に有益なもの(善玉菌)も多くいますが、有害物質を作り出すもの(悪玉菌)もいますし、食中毒を起こすような病原菌が食べ物に付着してやってくることもあります。粘液質の大腸のバリアは、腸の他の免疫細胞と力を合わせて有害な菌が大腸に直接触れないように守ってくれているのです。この粘液層は、腸内細菌の種類が減ってくると(腸内フローラの乱れ)、粘液が減ってしまったりして機能が低下し、腸内の炎症を引き起こすなどの異常がおこると考えられています注3

     

    腸活整腸薬注4の服用で腸内環境を良くし、良好な腸内フローラを保つことが大切です。

     

    ② 悪玉菌を減らして、体内に吸収される有害物質を減らしましょう

     

    大腸の中で、腸内細菌たちは、小腸で消化吸収しきれなかった食べ物や食物繊維を分解して生きています。善玉菌たちは、食物繊維やオリコ糖を分解し、人体に有益な物質を多く残してくれます。その一方で、悪玉菌は肉由来のアミノ酸やコレステロールなどを分解して、人体に有害な物質を多く残します。悪玉菌が作る有害な物質の中には、アンモニア、スカトール、インドールなど強い悪臭のもとになる物質が含まれており、便のいやな臭いの元でもあります。

    こうした有害物質は、便として体外に排出されもしますが、一部は大腸から水と一緒に吸収されてしまい、体内に入ってしまうのです。大腸から血液に移行した物質は全て、全身を循環する前に門脈(腸から肝臓につながる血管)を通って肝臓に運ばれるので、主な有害物質はすぐに肝臓で分解されることになりますが、もし肝臓が弱っていると、有害物質が全身に運ばれてしまいます(健康な人の場合、最終的には腎臓から排出されます)。疲労臭と呼ばれるアンモニア臭い体臭や、便秘の人の臭い息などは、腸から血中に溶け込んだ有害物質が原因だと考えられています。

    腸内フローラが悪玉菌優位になると、そうした有害物質の産出量が増えてきます。また、悪玉菌は腸の働きも悪くするので、便秘がちになり、便の滞留時間が増えることで、大腸と有害物質が接触している時間も長くなります。腸活整腸薬注4の服用で腸内環境を良くし、良好な腸内フローラを保つことが大切です。また、便秘になった場合は、水をよく飲んだり便秘薬を適切に活用するなど、便秘解消おすすめのセルフケアの方法はこちら)を心がけていただきたいと思います。

     

    ^^^^^^^^^^^^^

    以上、デトックスについて記してみました。デトックスは医学的にも法的にも定義されていない言葉ですから、何を毒と考え、どのような手段をデトックスに含めるかは、慎重に考えるべきことだと思います。

     

    次回の「便秘と「デトックス」②」では、江戸時代の医学思想と便秘薬の歴史に、デトックス的思考の源流を見出してみたいと思っています。

     

     

    注1:法律の羅列は、次のサイトを参考にしました。独立行政法人製品評価技術基盤機構 https://www.nite.go.jp/chem/hajimete/lawquery.html 2021年7月13日アクセス 注2:食中毒については、次のサイトを参考にしました。厚生労働省 食中毒|厚生労働省 (mhlw.go.jp) 2021年7月14日アクセス 注3:大腸のバリア機能についての参考文献:本田 賢也:  腸内細菌と腸管, 領域融合レビュー, 2, e011 (2013) 注4:整腸薬は、腸内細菌のうち善玉菌と呼ばれる体によい菌や、食べ物の消化に必要な消化酵素の補充を行うことで、腸の調子を整える薬です。詳しくは「便秘解消を目指して ~便秘のセルフケア~」の回をご覧ください。

     

     

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  • 本ブログでは、皆様の便秘解消に役立てていただけるような、様々な知識や情報を発信してきました。今回は、これまでの発信の一部をまとめつつ、便秘解消を目指した生活スタイル全般についてお話しして参りたいと思います。

    ■便秘のセルフケアの手段 腸活・整腸薬・便秘薬

    便秘は多くの場合、自身の健康管理と、市販薬の力を使うことで対処可能です。自分の健康を自分で守ることをセルフケアと呼びますが、便秘は比較的、セルフケアで対処しやすい悩みなのです注1

    便秘のセルフケアの手段は主に3つあります。それは、腸活、整腸薬の服用、便秘薬の服用です。我々は、専門メーカーとして蓄積してきた知見から、この3つにはそれぞれ大事なポイントがあると考えていますので、順にご説明したいと思います。

    ■腸活は、便秘のセルフケアの基本です

    まず最初に腸活についてです。腸活とは、この10年で使われるようになってきた言葉で、便通(や腸管免疫)を整えるために、腸によい活動をしていくことをあらわしています注2。語感が前向きで、よい印象をもたれる方が多いのではないでしょうか。

    腸活といってもその範囲は広く、そして深いので、ここでは概要だけ表にしてみました注3

    一覧表:腸活のアプローチ

      表1:腸活のアプローチ

    どの活動も健康維持のために効果的で、便秘の人にも、そうでない人にもやっていただきたいと思います。腸活は、費用もあまりかかりませんし、便秘のセルフケアの基本になります。是非今日から始めてみましょう!また、今腸活をしている方も、表の中から1~2個選んで追加で実践してみてください(個別の詳しい内容は、腸活関連の各記事をご覧ください)。

    また、腸活は、便秘薬や整腸薬をのんでいる方が行うと、薬が減らせるかもしれません。

    ■整腸薬は、忙しい現代人の、腸活のブースター

    次に整腸薬についてみてみましょう。整腸薬とは、腸内細菌のうち善玉菌と呼ばれる体によい菌や、食べ物の消化に必要な消化酵素の補充を行うことで、腸の調子を整える薬です。腸の本来の働きを取り戻す手助けをすることで、便秘や下痢を改善します。

    整腸薬を便秘対策としてのんだ場合、排便を促す力は便秘薬に比べると弱いですが、腸活だけでは便秘がちだった人の便通が、目に見えて改善することもあるようです。そして、ほとんどの市販製品は、作用が穏やかな分、副作用のリスクも少ないので安心して続けられます注4。そんな整腸薬は、次のような皆さまに、特におススメです。

    ◎腸活を頑張っているけれど、それでも便秘になり困っている

    ◎腸活では出ず、便秘薬をのんでいるけれど、できれば便秘薬を減らしたい

    もっと腸活に励みたいと思っても、忙しい毎日の中で、時間には限りがあります。整腸薬は、あなたの腸活の結果をぐっと向上させてくれるブースターになってくれるかもしれません。

    関連リンク:毒掃丸整腸薬の製品案内毒掃丸整腸薬の無料サンプルお申し込みフォーム 毒掃丸整腸薬は、乳酸菌と消化酵素と4種類の生薬を配合した、シナモンのような爽やかな香りがする、のみやすい整腸薬です。

    ■便秘薬は、セルフケアの切り札だからこそ、正しく使って!

    そして、セルフケアの最後の切り札は、便秘薬です。便秘薬は、大腸を動かしたり、腸内の水分量を増加させたりして、排便を促します

    便秘薬は、腸活や整腸薬の服用と違って、直接的に排便を促す効果があります。一方で、強い薬を選んだり、服用量が多すぎたりすると、下痢をしてしまうことなどもあります。そのため、薬をのんだ時でもバナナのようなちょうどよい硬さのお通じ(バナナ便)を目指すために、私たちは、服用量を調節しやすい便秘薬を選んでいただくことをおススメしています。また、便秘薬の成分はいくつもあり、人によって効き方が違うので、購入前にお試しいただくことも、おススメです(詳しくは、便秘薬ののみ方の記事をご覧ください)。

    いざ服用する時には、しっかりと排便を促してスッキリしていただきたいと思います。そして長期的には、整腸薬を活用したり、腸活で生活習慣を改善することで、便秘薬の量を減らすことにもチャレンジしてみてください。便秘薬は、便秘のセルフケアの頼もしい切り札になりますので、正しい方法で使いこなしていただきたいと思います。

    関連リンク:複方毒掃丸ブランドサイトおすすめの服用方法複方毒掃丸の無料サンプルお申込みフォーム 複方毒掃丸は、6種類の生薬が自然に近いお通じを促す便秘薬です。小さな丸剤なのでのむ量を調節しやすく、ちょうどよいお通じを目指せます。

    ■まとめ

    以上、ポイントだけを駆け足でご説明しました。最後に便秘のセルフケアの3つの手段と、そのポイントについて、表にまとめておきたいと思います。是非とも、腸活・整腸薬・便秘薬を上手に活用して、便秘をセルフケアで解消していただけたらと思います。

    一覧表:便秘のセルフケアまとめ

      表2:便秘解消のためのセルフケア

    追記: 冒頭の「ついに出た」と書かれた写真ですが、これは当社のYoutube動画のキャプチャー写真です。便秘を解消するよろこびを表現した7本の短い6秒動画シリーズのうちの1本です。BGMは、クラシックのピアノ曲・フォーレの「組曲ドリー」です。

    シリーズ全7本をまとめたものはこちらです。是非ご覧ください↓

    なお、この動画シリーズは、国内最大規模の広告賞「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」で、2020年度のフィルム部門Bカテゴリーのシルバー賞を受賞しています。

    注1:便秘には、お医者様に診てもらう必要があるものもあります。参照:便秘の種類と原因 注2:腸活の目的・アプローチ・方法についての概略と、腸活という言葉が使われるようになった過程についてはこちらを参照:「腸活」について① 注3:表に書かれた内容は、「腸活」について②腸に良い食生活 実践レシピ付き と「腸活」について③食べる以外の腸活 をまとめたものです。 注4:市販の医薬品の人体に対するリスクは、薬機法で規定されたリスク区分等で分類されていますが、殆どすべての整腸薬が、最もリスクの低い第三類医薬品か、人体に対する作用が緩和で安全性上特に問題がない医薬部外品に分類されています。

     

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  • 便秘薬のむ人は、たいてい、便秘に悩まれた末に、やむにやまれず薬に頼ることを選んでいます。私たちの調査によると、便秘薬ユーザーの8割以上ができれば薬はのみたくないと考えながらも服用を続けていらっしゃいます。もし、やむにやまれず便秘薬を使ってくださるのに、使い方を誤って体に要らぬ負担がかかってしまったとしたら… それはとても悲しいことです。ユーザーの皆様には、便秘薬は正しく選んで、正しく使っていただきたいと心から思います。「最初は抵抗があったけど、やはりのんだ甲斐があった」そんなふうに思っていただきたいものです。

    ■カラダに余計な負担をかけず、しかものむ側が望むことを満たす方法を探る

    便秘薬を正しく選び、正しく使うにはどうすれば良いのでしょうか?実は、その答えは「〇〇便秘薬を買ってX錠のんでください」というような単純なものにはなりません。

    何故かというと、まず、症状としての便秘の重さに、人によって大変大きな幅があります。例えば、多くの人は今日排便がなくても明日には出たりしますが、ある調査によると週に0回から2回しか出ない人も1割程度いらっしゃるようです。便秘の具合が違えば、薬ののみ方は変わってきます。それに、便秘薬の主成分にも様々なものがあり、人によって良く効く成分が異なる場合があります。更には、買う側が便秘薬に望んでいること(こんな効き方をしてほしい、等)や、懐事情・忙しさの問題もあります。例えば、お金に糸目をつけないことを前提にした提言(例えば色々な薬を順に試していく方法)や、どんな手間も厭わない人にしかできないような凝ったやり方は、たとえそれが正論であっても、人によっては実行が難しいでしょう。

    現実問題として、市販薬の場合は、売り場で選んでくださるのも、実際にのむのも、のむ側の方々です。ですので、便秘薬選びの方法論は、のむ方々が進んで取り組みたいと感じて頂けるおゆな内容でなければなりません。私たちは、カラダに余計な負担をかけず、しかものむ側が望んでいることを満たせる方法があれば、それは便秘薬を正しく選び、正しく使うための解の1つになると思っています。今回は、そんな方法を探り、2つのご提案につなげたいと思います。

    ■買う人が望むこと ①最重視点

    便秘薬を買う人が最も望んでいることは、何なのでしょうか。下のグラフは、当社が実施した消費者調査の結果で、市販便秘薬のユーザーに、便秘薬を選ぶときに最も重視しているポイントを聞いた結果です。No.1は「服用すると必ず排便に至ること」でした。

    便秘薬を選ぶときに最も重視する点最重視点

    この問いは、最も重視することを1つだけ選んでもらう形式をとっています。便が出ないことに悩んで便秘薬を買うのですから、服用しても排便に至らないようでは意味がないということなのでしょう。結果として、1番手の「服用すると必ず排便にいたること」は2番手の「お腹が痛くならないこと」にダブルスコア、3番手の「クセになりにくいもの」にほぼトリプルスコアをつけての圧勝となっています。

    営業回りをしているときにドラッグストアの薬剤師さんとお話をしていて、「お客様に、せっかく買ったのに効かなかったと言われると困るので、効きの良い薬を勧めている」というようなことを言われたことがあります。その背景には、このような、ユーザー側が服用すると必ず排便に至ることを最重視している現実があると思われます。しかし、この指向だけにとらわれていると、便秘薬選びで思わぬ失敗をしてしまうかもしれません。私たちの調査によると、市販便秘薬ユーザーの体には、実際に、余計な負担がかかってしまっているようなのです。

    便秘薬をのんで下痢をしている人が多い

    下の円グラフをご覧ください。これは当社のネット調査で、市販の便秘薬をのんだ時にどのような便が出ているかを聞いたアンケートの結果です。ちょうど良いバナナ便が出ている人は全体の19%にすぎず、水のような便か形がはっきりしないような柔らかい便が出ている人がそれぞれ9%と36%いらっしゃいます。このアンケート結果を見ると、軟便になっている人は、薬の効きが足りなくて硬便になってしまっている人より、ずっと多いように見えます。

    便秘薬をのんで下痢をする人が多い

    円グラフを通じて見てみる限り、便秘薬ユーザーは服用すると必ず排便に至ることを重視するあまり、必要以上に強い薬をのんでいるか、必要以上に多くの分量をのんでいるように見えます。確かに便秘薬をのむ目的は便を出すことですが、もし、この現状が、のむ側が望んでいる姿そのものを正しく映し出しているのだとしたら、私たちは服用を薦めるどころか、無暗に薬に頼らないようにしましょうと言わなければならなくなってしまいます。

    ■買う人が望むこと ②複数回答編

    ところで、便秘薬を買う人が薬に求めていることは、本当に出すことだけなのでしょうか?次のグラフは、先ほどと同じ質問を複数回答可で再度問うてみた結果です。同じ設問でも、複数回答可とするだけで、景色が変わります。

    便秘薬を選ぶとき重視する点複数回答

    「服用すると必ず排便にいたること」は引き続き1位となっていますが、「お腹が痛くならないこと」「クセになりにくいもの」を挙げる人が大幅に増えています。市販便秘薬をのむ人達は、ただ排便に至るだけではなく、できればお腹が痛くならず、できれば薬がクセになるないようにしたいと考えているようです。

    この結果なら、希望が持てます。この3つをどんな時も完璧に満たす便秘薬は、ありませんが、この3つをバランスよく追求していく方法なら、あるからですしかも、体にも、余計な負担をかけずに追求することが可能です。多少面倒でも、バナナ状のちょうどよいお通じが出るように工夫すればよいのです。薬をのんでいても、ちょうど良いお通じが出るくらいの量をのむ分には腹痛はありませんし、薬がクセになる心配も少なくなります。

    私たちは、便秘薬ユーザーは、ただ出せば良いと思っているのではなく、本当は薬を使ったときにもちょうどよいお通じを出したいけれど、そのやり方を医療者や便秘薬メーカーがうまく伝えられていないのだと考えています(「便秘薬メーカーの使命の話」もご参照ください)。

    バナナ状のちょうどよいお通じのことを、当社では「バナナ便」と呼んでいます。便秘薬をのんだ時にもバナナ便を目指すことが、カラダに負担をかけずに、バランスのとれた便秘薬の使い方を実現する大切な秘訣です。そのための簡単で実践的なご提案を2つ、書いてみたいと思います。

    ■提案 その1 調節して飲むこと

    これまで何度か申し上げた通り、便秘の程度は人によって大きく異なります。また薬の効きく度合いも人によって差があります。ですので、便秘薬は自分の便秘の調子にあわせてのむ量を調節する必要があります。服用して軟便になるようでしたら、バナナ便が出る程度まで徐々に量を減らしていきます。多くのお薬は、多少の調節ができるように服用量に幅をもたせていますので、購入時の箱の裏面や、能書を再度読んでみてください。もし、1日1錠の服用が定められているお薬を、1錠のんだだけで下痢をしてしまう場合は、もう少し細かく調節できる便秘薬に変えたほうが良いかもしれません。

    毒掃丸は、小さな粒の丸剤(がんざい)のお薬で、服用量を1日1~3回、のむ量も1日最大90丸までの範囲で、自由に調節できます。お通じがない日に適量を服用しながら、長い目では腸活で生活改善をしていただき、徐々に減薬していくことをお勧めしています。また、整腸薬を活用することもおすすめです。普段は便秘薬ではなく毒掃丸整腸薬などの整腸薬を使用し、便秘薬は出が悪い時に使うようにすれば、日々強い便秘薬を飲み続ける場合と比べてクセになりにくくなります。

    ■提案 その2 できれば試してから買うこと

    また、便秘薬は人によって特定の成分が効きにくいということもあります。のむ量を調節しやすい便秘薬を見つけて購入したとしても、成分が合わず効きが悪いようでは困ってしまいます。可能なら、購入前に試すこともお勧めの方法です。いくつかの便秘薬メーカーは、試供品を無償で提供しているようです。またドラッグストアなどが試供品を配布することもあるようです。

    当社でも、便秘薬・毒掃丸と、整腸薬・毒掃丸整腸薬の試供品を、無料でお送りしています(←太字の商品名をクリックしてください)ので、ぜひお試しください。便秘薬・毒掃丸の試供品にはおすすめの服用方法の説明も同封してあります。

    ただし、今別の便秘薬をのんでいる方が試供品を試される場合は、複数の便秘薬を同時に服用しないようにしてください。

    いかがだったでしょうか。調節も、試すことも、それほど手間がかかるわけではありません。のむ量を細かく調節できる、自然な成分の便秘薬・毒掃丸を賢く活用して、是非ともすっきりとした日々を過ごしていただきたいと思っています。

     

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  • 便秘とひとことで言っても、さまざまな種類があります。生活改善や市販の便秘薬の正しい服用で解消できないような便秘に悩んでいる場合は、医療機関などで自分の便秘のタイプを検査してもらうことが、便秘解消への手助けになることでしょう。また、便秘の背景にもっと重大な病気が潜んでいることもありますから、便秘のタイプを知っておくことで、体の異変に早期に気づくことができるかもしれません。

    ■便秘と慢性便秘

    便秘の種類を見ていくにあたって注1、最初に、便秘の定義をおさらいしておきましょう。現時点での便秘の定義は、以下のようになります。

    本来対外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態

    日本消化器病学会関連研究会ほか編『慢性便秘診療ガイドライン 2017』南江堂 2017年

    この定義では、どんな便がどのような頻度ででているかではなく、出るべきお通じが「十分量かつ快適に」出ていなければ、その人は便秘であると言えます。

    そして、便秘のなかでも、旅行の際の便秘などの一過性のものではなく、6か月以上前から便秘の症状がある場合などを特に慢性便秘(症)といいます。便秘をきちんと分類する場合には、この慢性便秘を細かくタイプ分けしていくことになるのです。

    ■慢性便秘の分類 ~器質性便秘と、機能性便秘~

    慢性便秘は、前項でみたように、排便の一点に限った観察に基づいていますから、重篤な病気を含む、他のあらゆる疾病の結果として排便困難になっている人の便秘も含んでいます。

    そこで、第一のステップとして、慢性便秘を2つに分けます。大腸に形態的な変化をともなうものを器質性便秘、大腸に形態的な変化をともなわないものを機能性便秘と呼び、区別します。

    ・器質性便秘

    器質性便秘は、大腸に形態的な変化をともなう便秘で、その代表例は大腸癌、虚血性大腸炎、直腸瘤などによる便秘です。便秘に悩んでいる人の中で、急激な便秘、予期せぬ体重減少、血便、お腹にかたまりがある、発熱がある、などの場合は、それら深刻な病気にともなう、器質性便秘かもしれません。すぐにお医者様に相談してみてください。

    ・機能性便秘

    慢性便秘の人の多くは、この機能性便秘です。機能性便秘のほとんどは、生活習慣の改善や一般薬の服用、または処方薬の服用など内科的に治療が可能だとされています。

    そんな機能性の便秘も、2つの観点から分類がなされています。

    図1. 機能性便秘の分類

    図1.機能性便秘の分類 :日本消化器病学会関連研究会ほか編『慢性便秘診療ガイドライン 2017』(南江堂 2017年)を参考に作成

    ■機能性便秘の分類 ~症状による分類と、病態による分類~

    機能性便秘を分類する方法は、2つあります。1つは症状による分類で、もう一つは病態による分類です。

    ・症状による分類

    症状による分類は、専門的な検査なしで分類できるので軽度の便秘の人に対して一般の診療所でも診断ができます。

    機能性便秘を症状で分類すると、2つに分けられます(図1の「症状分類」)。1つは排便回数減少型で、文字通り排便の回数が減ってしまっている便秘で、この便秘の人は、結腸(大腸のうち、肛門近くの直腸よりも手前の部分)に便が滞留していることも多いです。もう1つは排便困難型で、便が固すぎたり直腸の働きが悪かったりして、排便一歩手前で便が出にくくなっている便秘を指します。

    タイプに合わせて、生活改善の指導や便秘薬の処方などの治療を受けながら、様子をみていきます。

    ・病態による分類

    この分け方は、国際的にも一般的で、より体内で起きている問題そのものに焦点をあてた分類です。ただし、この分類での正確な診断のためには、専門的検査を受ける必要もでてきます。

    機能性便秘を病態により分類すると、次の3つに分けられます。

    ①大腸通過遅延型

    小腸で消化された食べ物は、大腸でゆっくりと水分を吸収されながら肛門方面に輸送されながら便になっていきます。その大腸の輸送能力が低下すると、排便回数や排便量が減ってしまいます。その結果引き起こされている便秘が、大腸通過遅延型です。蠕動運動を正常化するために、便秘薬が使われることも多いです。

    このタイプの便秘の原因には、原因がはっきりしない特発性、他の疾患の影響、向精神薬や抗コリン薬などの副作用があげられます。また、一部の過敏性腸症候群もこの便秘の原因になります。

    ②大腸通過正常型

    大腸通過時間が正常だったにも関わらず、便のかさが足りないことにより排便回数が減ってしまっている場合や、便が固くなって排便ができなくなってしまっているような便秘を、大腸通過正常型といいます。このタイプの便秘になっている人も多く注2、食物繊維をしっかりとることで改善する場合もあります。

    原因としては、食物繊維不足、食事量自体がたりないことなどです。一部の過敏性腸症候群痙攣性便秘とよばれることもあります)もこの便秘の原因になります。

    ③機能性排出障害

    大腸でつくられた便は、直腸という肛門のすぐ上のあたりに到達し、便意をうみ、排便に至ります。機能性排出障害は、便が直腸までおりてきているのにうまく排便できないタイプの便秘です。

    排便に必要な筋肉の協調がうまくきかないこと、腹圧の低下、直腸の感覚の低下などが原因としてあげられます(直腸性便秘と呼ばれることもあります)。

    注1:特記なき場合、本項は次の文献を参考にしています。:日本消化器病学会関連研究会ほか編『慢性便秘診療ガイドライン 2017』南江堂 2017年、味村 俊樹ほか「慢性便秘症の診断と治療」 日本大腸肛門病会誌 第 72 巻第 10 号 2019 年 10 月 注2:前述の参考文献の記述ならびに、重症の特発性便秘患者1000人あまりのうち59%の大腸通過時間が正常だったという報告(D C Nyaml et al: Long-term results of surgery for chronic constipation, Dis Colon Rectum 1997 Mar;40(3):273-9.)がある。 

     

    ひとこと

    最後までお読みいただきありがとうございます。便秘の種類や原因については、自己診断が難しい部分があります。詳しく知りたい場合は、専門のお医者様に相談してみてください。また、受診した場合の実際の治療方針は、お医者様が判断します。

    軽度な便秘には、腸活による生活改善や、市販の便秘薬の頓服や整腸薬の活用も有効です。毒掃丸無料サンプルはこちらからお申込みいただけます。毒掃丸整腸薬無料サンプルも、こちらからのお申込みいただけます。

    また、お買い求めは全国のドラッグストア・通販サイトで。 見つからない場合は「毒掃丸をください」と申し出てください。 こちら(SHOPどくそうがん)でも販売しております→ショップどくそうがん | 便秘薬の毒掃丸 山崎帝國堂のネットショップ (dokusougan.jp)

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  • 便秘に悩みながら毎日の生活を送る人はとても多くいますが、普通は数日から長くても1週間くらいで排便があり、たとえつらい思いをしたとしても、ほとんどの場合、生命に影響が及ぶような事態にはなりません。注1.注2.   また、お医者様にかかるような場合も、便秘はほぼ内科的に治療が可能で比較的予後が良く、手術を必要とする症例は少ないと考えられています。注3.  そんな、ありふれていて、しかも危険を感じさせない便秘ですが、実は、長期的にみると、死亡リスクの増加があり、寿命に多少影響しているのではないかという気になる指摘があります。今回は、その中から2つの研究をご紹介します。

    ■胃腸障害と生存率の関係についてのアメリカの研究

    アメリカ・ミネソタ州の住民を対象行われた、あるコホート研究では、機能性胃腸障害(慢性便秘、消化不良、過敏性腸症候群、腹痛、慢性下痢)をもっている約4,000人の成人を追跡調査し、それぞれの障害の有無が10年後の生存率にどの程度影響するかを統計的に解析しました。解析の過程では、他の重大な疾患が原因でそれらの機能性胃腸障害がおきたことが分かった被験者は除外していますから、例えば癌が原因で便秘になっていたなどというケースは含まれません。

    結果は、興味深いものでした。それら機能性胃腸障害のうち、慢性便秘だけが生存率に影響を及ぼしていることが示唆されたのです。慢性便秘でない被験者の10年後の生存率が平均で85%だったのに対し、慢性便秘の被験者は73%で、12%の差がありました(消化不良、過敏性腸症候群、腹痛、慢性下痢については生存率の大きな低下は見られませんでした)。年齢・性別・喫煙・飲酒・教育レベル・併存疾患について統計的に調整をしたあとでも、慢性便秘の人々の生存率は低いままでした。なお、慢性便秘の被験者に大腸など消化管の癌が増えたということは、ありませんでした。

    原著はこちら→   Joseph Y Chang, et al. Impact of functional gastrointestinal disorders on survival in the community. Am J Gastroenterol. 2010 Apr;105(4):822-32.

    著者らは、慢性便秘がなぜ10年後の生存率に影響を及ぼしたのかは不明で、さらなる調査が必要だと述べています。

    ■排便頻度と心血管疾患死の関係についての日本の研究

    宮崎県で国民健康保険加入者を対象に行われたコホート研究では、排便頻度と循環器系疾患による死亡との関係について検証が行われました。約45,000名を対象にし、排便頻度で被験者を「1日1回以上」「2~3日に1回」「4日に1回以下」3グループに分け、各グループの13年間の心血管疾患(循環器系疾患、脳血管疾患、虚血性心疾患)による死亡リスクを解析しました。

    その結果、排便頻度が少ないグループほど、心血管疾患による死亡が多いことが分かったのです。「2~3日に1回」、「4日に1回以下」の各グループの全体的な心血管疾患死のリスクは「1日1回以上」グループと比較して有意に高くいものでした。死亡するリスクの大きさを相対的に示すハザード比は「2~3日に1回」が1.21、「4日に1回以下」が1.39でした。

    原著はこちら→   Kenji Honkura, et al. Defecation frequency and cardiovascular disease mortality in Japan: The Ohsaki cohort study. Atherosclerosis. 2016 Mar;246:251-6.

    ■便秘だと、本当にリスクが高まるのか?

    この2つの研究を通してわかるのは、便秘と生存率の相関関係であり、その因果関係についてはよくわからないという点には注意が必要だと思います。

    とはいえ、アメリカの報告の方では生存率に関係しそうな諸要素(性・年齢・既往症・喫煙や飲酒の習慣など)の影響を除外する調整を行っていますし、また日本の研究では同様の調整に加え、歩行時間や野菜や果物の摂取傾向についてまでも調整しています。この2つの調査をもってはっきりした関係があると決めつけることはできなくても、「リスクが高まる恐れはある」と考えるに越したことはないかもしれません。

    例えば、便秘が大腸癌発生のリスクになるかどうかについては、いまだによく分かっていないのですが、これについては「Yes」を示唆する研究結果と「No」を示唆する研究結果がどちらも沢山存在しています。注3 一方で、死亡リスクについては、便秘がリスクを高めるという研究はこれ以外にもありますが、便秘が寿命を延ばすという研究結果は、少なくとも私たちは、まだ見たことがありません。

    ■まずは腸活

    やはり、できるだけ便秘解消や便秘予防につとめたほうが良さそうではあります。ただし、10年単位でのリスクを下げることを目的に市販の便秘薬を飲むのは、短絡的すぎますし、薬には副作用があることを無視した誤った発想だと思います。一番良くないのは、便秘であることを気にすることもなく乱れた生活を続け、強い便秘薬をたくさん飲んで出すような日々を送ることです。また、便秘であることを気にして憂鬱になっていては、毎日がつまらないものになってしまいます。

     

    寿命を延ばすためにウォーキングをしている画像

     

    まずは腸活にとりくみ、「快食快便」をゴールに楽しく便秘解消や便秘予防に取り組むのが、一番よいと思います。市販の便秘薬を使うとすれば、生活改善などで便が出なかったときに、頓服用に賢く使うのが理想です。そして、思い悩んだ時には、薬剤師(当社のお客様相談窓口も薬剤師・登録販売者常駐です)や医師に相談するようにしてください。

     

    注1:きわめて重度の便秘は、最終的に腸管が破れてしまったり、敗血症をおこしてしまって死に至る場合がありますが、それは非常にまれであり、また通常はそうなる前に苦しさから受診に至り専門の医療機関で処置が行われることになりますので、このブログでは取り扱いません。 注2:普通の便秘にみえても、急に便秘症になった場合や血便がみられる場合は、他の重大な疾患が隠れていることもありますので、気になる方はお医者様に診てもらうようにしてください。 注3:参考文献:日本消化器病学会関連研究会ほか編『慢性便秘診療ガイドライン 2017』南江堂 2017年 

     

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  • 便秘とはなにかー

    今回は、便秘の定義についていくつかの視点から整理してみたいと思います。普段暮らしていくうえで、便秘の定義が分からなくても、全く困ることはないのですが、いざ詳しく知るために便秘をきちんと定義しようとすると、実はこれが結構難しいのです。

    ■日本語としての便秘

    皆さまは、便秘というコトバを最初に知ったのがいつ頃だったか、覚えていますでしょうか?きっと、幼い頃、生活の中で記憶もはっきりしていないうちに覚えた方が多いはずです。3歳か4歳の頃に あなた:「うんちがでない!」 おとな:「あら、便秘なのね…」こんなやり取りを通じて、便秘という日本語を知ったのではないかと思います。

    便秘というコトバの日本語の意味は、「広辞苑」によると、

    大便が通じないでとどこおること。便通の回数または量が異常に減少すること。

    「広辞苑」第4版 新村 出編 岩波書店 1991年

    だそうです。一見、簡潔です。ただ、「回数や量が異常に減少する」というのは、今一つ具体的ではありません。この語意だと、私たちは、幼少期から今までの自らの経験や周囲の人の様子から、回数や量が正常か異常かを自己判断するしかなくなってしまいます。これでは、広くみんなで比較することができません。

    ■国際的な診断基準

    しかし一方で、客観的に定義するのも実は結構難儀なことなのです。

    研究者の世界では、便秘について(機能性便秘という一般的な便秘)、国際的な診断基準があります。Rome基準という、消化管障害全体の国際基準体系のなかに含まれており、その基準は次の通りになります(太字筆者)。

    RomeⅣ基準による機能性便秘の定義

    1 .次の 2 項目以上を満たすこと.
    a .排便の 1/4(25%)以上のいきみがあること.
    b .排便の 1/4(25%)以上に兎糞状,硬便(ブリストル便形状スケール 1 ~ 2 )を認める.
    c .排便の 1/4(25%)以上に残便感がある.
    d .排便の 1/4(25%)以上に直腸肛門の閉塞感がある.
    e .排便の 1/4(25%)以上に用手的な操作(例えば摘便,骨盤底の圧迫)が必要である.
    f .自発的排便が週 3 回未満
    2 .下剤を使用せずに軟便になることがほとんどない.
    3 .過敏性腸症候群の診断基準を満たさない

    日本大腸肛門病会誌 第 72 巻第 10 号 2019 年 10 月・尾﨑隼人ほか

    なお、1.bのブリストルスケールについては、下の図(これは当社作成)をご参照ください。スケール1~2は、下図の便の絵の一番上と、上から2番目です。

    ブリストルスケール

    さて、この国際基準、どう思われましたでしょうか。専門家向けですから、細かいものであるのは仕方がないかもしれません。そして、具体的に定義されていますが、普通の人からみると構造がやや難解かと思います。そして何より、自発的排便が週3回未満というのが、一般人の感覚からいうと結構厳しい基準に見えないでしょうか。

    ■一般の人が、便秘を自覚するとき

    一般の人たちの便秘についての感じ方は、この国際基準と異なっていることが、実際に指摘されています。

    本ブログでは以前、「ニッポン人の便秘事情を俯瞰する」と題したエントリーで、日本人の28%が便秘だと自己認識しているということを示した論文をご紹介しました。

    Tamura A, et al. : Prevalence and Self-recognition of Chronic Constipation: Results of an Internet Survey. J Neurogastroenterol Motil. 2016; 22(4): 677-84)

    この中で著者らは、この28%の便秘と自己認識している人たちの1週間の排便回数の平均は、週4.2回だったと述べています。

    また、ある海外の研究で、531人の患者と100人の専門家に便秘の定義について尋ねたところ、患者と専門家で答えが大きく違ったそうです。患者のうち50%が、医学的定義と違う状態を便秘だと言っており、27%が2日おき(週3.5回)以下の排便頻度を便秘だと答えたそうです。

    M J Herz, et al.: Constipation: a different entity for patients and doctors.  Fam Pract1996 Apr;13(2):156-9.

    一般の人は、専門家が医学上の必要性をもとに考えるよりも、便が出ない状態に、あせり・不快感・不自由を感じやすいようです。もし、本人が悩み苦しんでいるのに、専門家の便秘の定義から漏れているとしたら… 確かに何か本末転倒な気がします。

    ■日本のお医者さまの最新の定義

    では、日本のお医者様は今、どう考えているのでしょうか。本ブログでも時々参照している2017年の慢性便秘症診療ガイドラインでは、次のように定義されています(太字筆者)。

    本来対外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態

    日本消化器病学会関連研究会ほか編『慢性便秘診療ガイドライン 2017』南江堂 2017年

    この定義では、便秘とは症状名や疾患名ではなく、状態を表すコトバであるとしており、定義の中に排便頻度の目安はありません。このガイドラインが出される前には、前述の国際基準や「3日以上排便がない」等の基準が定義として広く使われてきましたので、結局一周まわって広辞苑のコトバの説明に近いところに戻ってきた気がしない訳ではありません。でも、患者各個人の感じ方にも幅があることを考えると、仕方のないことなのかもしれません。

    少々複雑な説明で恐縮ですが、同ガイドラインでは、国際基準RomeⅣをふまえた独自の診断基準を示しながら、その診断基準から外れていても、ガイドラインで定義したような便秘で日常生活に支障がでていたら便秘症と診断して治療することが望ましいとしています。定義を一般的にし、診療現場で柔軟に対応しようという考え方なのですね。

    ◇◇◇

    結局、現時点では、本人が排便できず苦しんでいれば便秘と言え、それで日常生活に支障をきたすようならば治療が望ましいということになっています。逆の言い方をすれば、2日か3日排便がなくても、不具合を感じなければ直ちに治療が必要とはされません。

    便秘の定義は、簡潔かつ患者目線にしようとすると、どうしてもあやふやさが残るようです。ここは、一般の人は日常生活に支障がない限りあまり細かく考えずに、昨日までの自分と比較しながら、腸活で快食快便を目指していくのもよいように思います。

    そして、思い悩んだ時には、薬剤師(当社のお客様相談窓口も薬剤師・登録販売者常駐です)や医師に相談するようにしてください。

    写真:大勢の人が悩む便秘。便秘を定義することは難しいですが、市販薬メーカーとして、きめ細かくニーズに寄り添って参りたいと思います。江戸城本丸跡から大手町を望む写真にそんな思いを重ねてみました。

     

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