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ニッポン人の便秘事情を俯瞰する

2021.04.19
ニッポン人の便秘事情を俯瞰する

世の中に、自分が便秘だと自覚している人は、いったいどのくらいいるのでしょうか?それは老若男女どんな人たちで、どの程度ひどい便秘なのでしょうか。また、最近便秘は増えているのか、減っているのでしょうか?

日ごろあまり接することのない情報かと思いますが、今回はそうしたニッポン人の便秘事情が分かるようなデータをいくつかご紹介してみます。

■国民生活基礎調査にみる便秘

 

まず最初に、国民生活基礎調査という国の大規模な調査から数字を抜き出して、2つの観点からニッポン人の便秘事情をみたいと思います。この調査は、現在我が国で行われている53の基幹統計の一つで、統計法に基づき厚生労働省によって実施されています。保健、医療、福祉、年金、所得等国民生活の基礎的事項を調査するかなりカバー範囲が広い調査であり、内容を絞った小規模な調査が毎年、フルスペックの大規模な調査が3年ごとに行われています。大規模調査の年には、調査対象は最大70万人にもおよび、対象の抽出方法や調査方法も統計学的にちゃんと設計されているからでしょう、調査の結果は政策以外にも広く活用されています。

国民生活基礎調査|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

まず、この3年ごとの大規模調査から、性・年齢ごとの便秘訴求者数を見ることができます。

 

 

縦軸が便秘の悩みを訴える人が1000人中何人いるかで、横軸が年齢、赤い棒が女性で、青い棒は男性です。1000人中の有訴者数が少なく見えるのは、複数回答可とは言え43もの症状(体がだるい、眠れない、耳鳴りがする、等々)から選ぶからだと思います。ここで便秘を選んだ人は、おそらく自分が便秘持ちであると強く自覚している人たちなのでしょう。

グラフから解るのは、(1)女性の方が男性より便秘に悩んでいること、(2)高齢になると便秘に悩む人がぐっと増える、の2点ですが、これは皆さんの感覚と一致しませんか?

女性は、筋肉量・骨盤の形・黄体ホルモンの影響など、便秘になりやすい要素が男性より多いのです。また、加齢は、腸の動きが衰えることや、食事量の減少、腸内細菌叢の変化など便秘の要因になります。80歳代になると、ほぼ男女の差がなくなるのが印象的です。当社にも、高齢男性からの便秘の相談は大変多いです。

便秘の有訴者数の推移
便秘の有訴者数の推移 1998年から2019年まで 国民生活基礎調査より

グラフ:厚労省 国民生活基礎調査 1998~2019より作成

また、この調査は長期にわたり比較可能であるという利点があります。グラフは、この20年間で便秘に悩む人が減っていないことを示しています。しばらく前から乳酸菌入り食品の市場は爆発的に増加しており、巷では腸活ブームです。生活態度も以前より健康的になってきていると思うのですが、便秘に悩む人はなかなか減りません。年齢別に細かく見ると、実は多少の変化は見られ、中高年層の便秘有訴者数減少を、高齢者自体の人数が増えている影響が相殺している(若い人の便秘は増減が見られない)のですが、ちょっと細かい話なので今日は深入りしません。便秘は意外と長く付き合わなければならない人が多い症状なのです。

 

■研究論文にみる、日本人の便秘の認識と排便頻度

 

つづいて、5155人の日本人を対象にしたインターネット調査に基づく研究論文から、興味深い数字を2つご紹介します。

Prevalence and Self-recognition of Chronic Constipation: Results of an Internet Survey (nih.gov)

Tamura A, Tomita T, Oshima T, Toyoshima F, Yamasaki T, Okugawa T, et al.  J Neurogastroenterol Motil. 2016; 22(4): 677-84

「日本人における便秘に対する認識と頻度」というのが日本語題なのですが、この調査によると、日本人の28.4%が、自分を便秘だと認識しているそうです。男女別にわけると男性の19.1%、女性の37.5%が自分を便秘だと認識しています。なかなかリアルな結果です。

この研究では、実に興味深いことに、同じ人たちに週の排便頻度も聞いています。結果は次の通りです。

8回以上  25.0%

3から7回 66.6%

0から2回  8.4%

平均排便回数 6.9回

平均すると、毎日1度出ているんですね。一方で、週に0から2回しか排便できていない人が8.4%もいらっしゃるというのは、驚きです。これまでの当社のデプス調査と呼ばれる消費者調査(少人数にプロが長時間インタビューする調査)で、便秘は自分にとっては深刻な悩みであると言われる方が何人もいらっしゃいましたが、それも納得です。

 

■まとめ

 

以上2つのデータから見えるニッポン人の便秘事情をまとめてみます。

・便秘に悩むのは女性が多いが、高齢になると男女ともである

・この20年で、日本において、便秘に悩む方の数は減っていないようだ

・日本人の約3割の方が自分を便秘と認識している(という調査がある)

・日本人の約1割は、週に0から2回程度の排便しかできていない(という調査がある)

便秘を完全におこらなくする方法は、残念ながら今のところ見出されていません。でも、生活習慣や食生活の改善など、日々の便秘に対処する方法はたくさんあります。また、正しく服用すれば、市販の便秘薬も頼もしい助っ人になります。肝心なことは、便秘を悪化させることを避け、上手に便秘に対処しながら、便秘を気にしすぎることなく日常生活を楽しく送っていくことだと思います。

 

関連リンク:「女性の便秘・男性の便秘 ~年代による、その変化と対策~

 

(最終更新日:2022年12月15日)

 

写真説明:会社の食堂から、敷地内の桜がきれいだったので写しました。木々の新緑が美しい季節になりましたが、ヒンヤリした朝の風に、一瞬、桜の花が咲く時期のことを思い出しました。

 

ひとこと

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