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  • 旅行と便秘

    2023.02.05
    旅行に行くのは楽しみだけれど、行くたびに便秘になるのが憂鬱…そんな方も多いのではないでしょうか。実は、旅行には、便秘を引き起こす要素がたくさんあるのです。そのことを知って、少しでも対策を立てることで、旅先での便秘を予防することができるかもしれません。今回は、まず旅行の便秘の原因をざっと解説し、そのあとで、旅の便秘対策について、ご説明したいと思います。    

    ■なぜ、旅行に行くと便秘になるのか

        便秘の症状が長期間(何か月も)みられるような場合を慢性便秘症と呼びますが、それに対し、突発的になってしまう便秘のことを「急性便秘」あるいは「一過性便秘」と呼びます。旅先での便秘は、典型的な「急性便秘」あるいは「一過性便秘」です。旅行に行くことで便秘になり、そして旅行が終わって普段の生活に戻ると、便秘も解消したりします。   ちなみに、旅行で便秘になりやすいのは、なにも私たち日本人に限ったことではありません。英語圏では”Travel constipation(旅行性便秘)”、あるいは” Vacation-induced constipation(休暇による便秘)”などと呼ばれています。おそらく、世界中でたくさんの人が、旅行中に便秘になっています。   旅先での便秘の原因は、複数考えられます。   一つは、旅先での緊張感やストレスです。宿泊先で便秘になる人は、慣れない場所に宿泊することで、何となく落ち着かず、体が緊張しているのかもしれません。あるいは、楽しい旅行で気分がハイになっているなど、興奮状態になっている人もいるかもしれません。こうした状況では、体内の自律神経は緊張状態になっています(自律神経のうちの、交感神経が優位な状態)。人間は、自律神経がリラックスした状態(副交感神経が優位な状態)にあると、大腸がよく動いて、腸内の内容物を肛門の方に押し出してくれるのですが、逆に緊張状態にあると、大腸の動きは抑制され、内容物が肛門まで運ばれなくなり、便秘になってしまいます。旅の緊張感やストレスは、便秘を引き起こすのです。   関連リンク:「便秘とストレスの関係」   もう一つは、旅先での生活リズムの乱れです。旅行に行くと、朝起きる時間や支度の順番などが、普段と違ってくることも多く、それが便秘の原因になります。   実は、朝起きてから、朝食後にかけては、排便においてはとても重要な時間帯です。排便の準備は、便意を感じる何時間か前、朝目が覚めた時から始まっています。大腸は、寝ている間はあまり動かず(深夜便意を催すことは、あまりないですよね)、朝起きた時に、力強く動きを再開します注1。この動きは「起立大腸反射」と呼ばれています。そして、朝食で食べ物が胃に入ると、数分以内に大腸が動き出し、続いて強い蠕動運動(大蠕動)が起きます。この動きは「胃結腸反射」と呼ばれ、一気に内容物が肛門の方に送られ、便意が引き起こされるのです。合宿などでトレイが混みあうのは、朝食後というのが相場ですが、それは、この一連の大腸の動きが、皆に同時に起こっているからです。旅行に行くと、この朝から朝食後にかけてのリズムが狂うことがあります。例えば、時差で睡眠時間が乱れてしまったり、朝食後、宿を出るまでの時間が短かすぎたりすると、自然な排便のリズムが乱れ、急な便秘を引き起こすのです。   また、便意の我慢も旅先での便秘の原因になります。いつもは1人で個室を独占できるのに、同室の同伴者がいたり、共用トイレが混んでいて、タイミングを逃してしまうかもしれません。バスなどでの長時間の移動などで、トイレ休憩の時間が便意のタイミングと合わないことも多いでしょう。便意を感じたら、すぐに排便をするようにしないと、やがて便意は消えてしまいます。   関連リンク:「便秘と便意」   他にも、旅の便秘には、いくつかの原因が考えられます。例えば、観光の途中にトイレに頻繁にいきたくならないようにと、水分の摂取を控えすぎてしまうのもよくありません。体の水分不足は、便を固くし、便秘を引き起こします注2。また、食物繊維が少ない食事も、便秘の原因になります。食物繊維は、小腸・大腸で消化吸収されず、最終的に便の材料になる栄養素です。そのため、食物繊維の摂取量が足りないと、便のカサが小さくなり、大腸が活発に動かなくなる場合があるのです。   このように、旅行中の生活には、便秘を引き起こす要素がたくさん含まれているのです。  

    旅行と下痢の関係は? 旅行にいくと便秘になる人が多い一方、旅先で下痢に悩まされることもあります。こちらは「旅行者下痢症」と呼ばれ、多くの場合、細菌などへの感染によって引き起こされます。海外旅行などで不衛生な食べ物を食べたときに起き、時に吐き気や発熱を伴います。細菌以外にも、水が合わない場合や、ストレスによって下痢が引き起こされることもあります。殆どの場合、時間とともに改善していきますが、熱や下痢が続くようなら病院を受診しましょう。

      温泉旅行のイメージ

    ■旅の便秘対策(お薬編)

        市販の便秘薬の服用は、旅行の便秘対策としては、お勧めです。これが旅行時ではなく、通常の慢性的な便秘の場合は、まず最初にすべきことは、薬の服用ではなく、生活習慣の改善です。しかし、生活習慣の改善は、数週間続けて行うことで効果が感じられるようなものも多く、短期間の旅行中の対策としては、やや即効性に欠けます。その点、便秘薬は、夜飲むと次の朝出るなど、比較的早く結果がでますから、旅先での一時的な便秘対策にはピッタリなのです。   関連リンク:「便秘対策の即効性」   便秘薬は、だいたい夕食前や夕食後に服用すると、次の日の朝、トイレに行きたくなります。旅行でいつも便秘になる人は、朝のトイレタイムにしっかり排便するために、夕食時に便秘薬を服用するようにしましょう。この時、一つ注意したいのは、強い便秘薬を、飲みすぎてしまうことです。便秘薬の効き方は個人差がとても大きく、薬が効き過ぎると、下痢になってしまい、楽しい旅行が台無しです。できれば、旅行の前に便秘になったときに、一度効果を試してみて、適量を把握しておくのがよいでしょう。複方毒掃丸のような、服用量を細かく調節できるタイプの便秘薬なら、下痢をしてしまわないように、服用量を加減することも簡単です。   関連リンク:「便秘薬をのむ時に大切なこと」   また、便秘薬を飲みなれていない人は、毒掃丸整腸薬のような、整腸薬を飲むのもよいかもしれません。整腸薬とは、腸内細菌のうち善玉菌と呼ばれる体によい菌や、食べ物の消化に必要な消化酵素の補充を行うことで、腸の調子を整える薬です。便を直ちに出す効能はありませんが、腸の本来の働きを取り戻す手助けをすることで、便秘や下痢を改善してくれます。    

    ■旅の便秘対策(お薬以外)

        便秘薬を飲む以外にも、旅行中の便秘を防ぐためにできることは、いくつかあります。まず、この記事の前半で挙げた、旅先で便秘になる要因を、つぶしていくことは、有効です。   旅による緊張感やストレスを和らげるためには、腹式呼吸や深呼吸がお勧めです。吸う時の2倍程度の時間を掛けて息を吐くことで、自律神経のバランスが整う(副交感神経の働きが高まる)ことが多くの実証実験で分かっています注3。夜はゆっくりお風呂に入り、リラックスを心がけましょう。また、腹部のマッサージもよいでしょう。腹部への直接的な刺激は、大腸の動きを促進してくれることを期待できますし、マッサージの際の手の温感や触感、筋肉の緊張のほぐれによる心地よさは、心身をリラックスさせてくれ、自律神経のバランスを整えてくれます。   関連リンク:「便秘とマッサージ」   排便リズムを狂わせないためには、朝起きた時にコップ一杯の水を飲み、朝食をしっかり食べることが大切です。旅先でも「胃結腸反射」が起きるようにしましょう。また、朝食を食べてから、宿を出るまでの間に、十分なトイレタイムを確保するようにしましょう。   便意を我慢しないことも大切です。同行者がいても、それぞれがゆっくりトイレを済ませられるよう、やはり十分なトイレタイムの確保が大切です。他にも、水分を十分に摂ることや、食物繊維不足にならないように気を付けることも、有効です。   関連リンク:「野菜と便秘の話」   あと、忘れがちなことですが、旅行に出発する前に便秘になっていないことも重要です。慢性便秘に近いような状態で旅行に出発してしまえば、旅行中の快便は、ますます遠のいてしまうでしょう。快適で楽しい旅行を楽しむためにも、日ごろから、「腸活」を心がけることが大切なのです。   関連リンク:「「腸活」について①」   では、記事の内容を参考にして頂き、しっかり対策をとったうえで、便秘薬や整腸薬を鞄に忍ばせ、楽しいご旅行をお楽しみください!    

    ◇ ◇ ◇

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      注1:  F Narducci et.al., Twenty four hour manometric recording of colonic motor activity in healthy manGut.  1987 Jan ; 28(1) : p17-25.  注2:吉良いずみ 便秘ケアとしての水分摂取のエビデンスに関する統合的文献レビュー, 日本看護技術学会誌 2013;12(2):p33-42. 注3:例えば、坂木 佳壽美, 腹式呼吸が自律神経機能に与える影響, 体力科学, 2001, 50 巻, 1 号, p. 105-118.    ひとこと 最後までお読みいただきありがとうございます。記事がお役に立ちましたら、SNSでもご共有いただけますと幸いです! 毒掃丸毒掃丸整腸薬のお買い求めは全国のドラッグストア・通販サイトで。見つからない場合は「毒掃丸をください」と申し出てください。こちら(SHOPどくそうがん)でも販売しております→ショップどくそうがん | 便秘薬の毒掃丸 山崎帝國堂のネットショップ (dokusougan.jp)

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  • 腹部のマッサージは、誰にでも簡単にできる、最も手軽な便秘対策の1つです。もちろん、マッサージをすれば「誰でも、すぐに排便がある」というわけではありません。しかし、マッサージの便秘改善効果はある程度実証されており、試してみる価値があります。今回は、なぜマッサージで便秘解消が期待できるのかを解説したうえで、代表的なマッサージ方法をご紹介したいと思います。    

    ■腹部のマッサージが、なぜ便秘に良いのか

       

    1.様々な理由で、大腸の動きが悪くなることがあります。

        便秘には、様々な原因がありますが、原因の1つとして、大腸の動きが悪くなることが挙げられます。   胃と小腸で消化された食べ物は、消化液や大量の水分とともに、ドロドロの状態で大腸へと運ばれてきます。大腸は、成人で1.5m程度の長さがある管状の臓器で、主に水分を吸収する働きがあります。大腸で、消化後の内容物から徐々に水分を吸収して固形状にしながら、ゆっくりと肛門の方へと運ばれていきます。肛門の方に運ばれてきた固形状になった内容物が、便です。   関連リンク:「うんちと便秘」  
    消化器の図
    胃と小腸で消化された食べ物は、大腸に運ばれます。
      まず、大腸がどのようにして内容物(消化済みの食べ物)を肛門の方に運んでいくのかを見てみましょう。大腸に内容物入ってくると、大腸内の神経がそれを感知し、反射的に大腸の収縮を促します。その収縮が先へ先へと順に伝わっていく「蠕動運動(ぜんどううんどう)」と呼ばれる動きによって、内容物は肛門側へ移動していきます。この大腸の蠕動運動がちょうどよく行われていると、適度な硬さの便が期待できます。蠕動運動が低下すると、内容物が停滞したまま大腸による水分の吸収が進むため、便が固くなり、便秘になってしまいます。   蠕動運動は、様々な理由で停滞してしまうことが知られています。例えば、女性ホルモンの1つであるプロゲステロン(黄体ホルモン)は、大腸の蠕動運動を抑制してしまいます。そのため、プロゲステロンが多く分泌される思春期から壮年期までの間、便秘は男性より女性にずっと多くみられるのです注1。また、加齢も蠕動運動を停滞させます。海外からの報告によると、高齢者16人(平均81歳)と若者16人(平均24歳)の大腸通過時間を調べたところ、高齢者は平均66時間、若者は平均39時間で、1.7倍の差があったといいます注2。加齢による蠕動運動低下の理由は、腸管の運動に関係する神経細胞の数やバランスが、加齢とともに変化するからだと考えられています注3。   関連リンク:「女性の便秘・男性の便秘 ~年代による、その変化と対策~」/「高齢者の便秘」/「便秘の種類と原因」   また、ストレスにより蠕動運動が起こりにくくなることもあります。大腸の蠕動運動が、大腸内の神経の働きで反射的に起きていることは、すでに触れたとおりなのですが、その他に、脳から背骨を通って大腸まで届いている「自律神経」という神経系も、蠕動運動の活発さの度合いを調整しています。この自律神経というのは、生命維持の様々なプロセスを調節するために体中に張り巡らされた神経で、意識しなくても自動的(自律的)に機能するのが特徴です。私たちは、緊張すると心拍が早くなり、リラックスすると心拍が遅くなったりしますが、これは、自律神経によって心臓の活発さが調節された結果です。大腸の動きは、心拍とは逆で、緊張すると蠕動運動が抑制されて排便が減り、リラックスすると動きが活発になって排便が促されます。そのため、ストレスなどで緊張状態が続くと、便秘になってしまうことがあります。   関連リンク:「便秘とストレスの関係」   このように、女性ホルモンや、加齢の影響、ストレスによる自律神経の乱れなどは、大腸の動きを抑制し、便秘を引き起こしてしまいます。    

    2.腹部のマッサージは、大腸に直接刺激を与えたり、心身をリラックスさせることで、排便を促します。

        腹部のマッサージは、前項で挙げたような、大腸の動きが悪くなったことによる便秘を改善してくます。まず、マッサージで体の外側からを大腸に刺激を与えることで、蠕動運動が活発になると一般的に考えられています。大腸の蠕動運動は、食べ物が入ってきたことを腸内の神経が感知することで反射的に起こるのですから、押すことで、食べ物をよりはっきり感知してもらおう、そんな発想です。また、腸の内容物の進行方向に向かってマッサージすることで、大腸の運動を補うことも期待しています。   更に、マッサージによるリラックス効果は、自律神経の調子を整え、ストレスなどによる緊張状態が引き起こしていた便秘を改善しれくれると考えれらています。マッサージの際の手の温感や触感、筋肉の緊張のほぐれによる心地よさは、心身をリラックスさせてくれ、腸の動きを促してくれる「副交感神経」という自律神経の働きを高めてくれます。これにより、自律神経のバランスが整い、蠕動運動がおこりやすくなります。   実際に、腹部のマッサージの便秘改善効果は観察されていて、例えば、1日15分・週5回の腹部マッサージを8週間続けたところ、便秘が改善されたという海外からの報告があります注4。    

    体を温める「温罨法(おんあんぽう)」とは? 一般の方には聞きなれない言葉かもしれませんが、体の一部を温めることで刺激を与え、体や心の状態を改善する看護技術のことを、温罨法といいます。温罨法には、血行促進や痛みの緩和等様々な効果があり、便秘改善にも良いことが分かっています。具体的には、例えば、横になった状態で、60℃程度のお湯で絞った蒸しタオルなどをお腹や腰の下に10分程度あてます。これを連日続けることで、便秘の改善が期待できます注5。便秘が改善する理由としては、温めることで体がリラックスし、自律神経のうち、腸の動きを促進する働きがある副交感神経が高まっていることが挙げられます注6。温罨法自体は、温度管理ややけど防止に知識が必要な専門技術であり、一般人にはできませんが、温めることの有用性は参考になります。やけどしないように注意しながら市販のカイロを腰に貼ったり、湯たんぽを抱くなどを、マッサージと合わせて行ってみてはいかがでしょうか。

        話は少しそれますが、当社の独自の調査をみると、便秘改善のために実際にお腹のマッサージをしている人は、かなり多いようです。便秘の症状を経験したことのある人を対象に、これまでやってみたことのある便秘対策を聞いてみたところ、4割近い人が「マッサージの実施」を挙げています(下表)。思い立ったらすぐにできる手軽さが受けているのでしょう。   皆さんの便秘解消法
    Q : あなたが、便秘の対応策としてこれまでにやってみたことがあるものをすべてお答えください。 全体 男性 女性
    食生活の改善 62% 54% 67%
    市販の便秘薬を利用 50% 39% 53%
    運動の実施 43% 44% 42%
    マッサージなどの実施 38% 20% 48%
    健康食品・サプリメントを利用 29% 23% 33%
    特に対策をしたことはない 12% 18%  8%
    医療機関へ通院  6%  6%  6%
    その他  2%  2% 13%
    2018年当社調べ N=8529 現在か過去に便秘の症状を経験した人を対象にした調査   関連リンク:「便秘による不調とは ~便秘に伴う諸症状の話~」  

    ■主なマッサージ方法

      続いて、便秘によいマッサージの具体的な方法を3つご紹介します注7。いずれも、自分ひとりでできる方法です。  

    1.腹部を大腸の進行方向に合わせて「の」の字にマッサージ

      のの字マッサージと呼ばれる、代表的な腹部マッサージです。大腸がある場所を、盲腸(右下)からS字結腸(左下)に向けて、ゆっくり何度もマッサージします。お腹でいうと、おへそ付近を起点に、右鼠径部の上から、右肋骨の下に向けてもみ上げ、そのまま左肋骨の下を経由して、左鼠径部の上のあたりまで「の」の字を描くように移動していきます。   のの字マッサージ  

    2.左右の脇腹を上下にマッサージ

      「腸もみ」とも呼ばれる方法です。両脇腹は、腰骨や肋骨に邪魔をされることがないので、大腸を前後から包み込むようにもみあげることも可能です。上下にマッサージしたり、前後から包み込むようにもんだり、大腸の四隅をもむなどの方法がありますから、やってみて気持ちよのよい方法を探してみてください。  

    3.下腹部を上に押し上げるようにして、「横行結腸」を刺激

      横行結腸とは、大腸のうち、おへそのあたりを右から左に横切るように走っている部分のことです。この部分の大腸は、お腹の中で固定されておらず、真ん中が垂れ下がるようになっています。人によっては内容物の通りが悪くなっている可能性があるので、下腹部から手で押し上げて刺激します。   その他にも、上体をねじることで腸を刺激する方法(立ったままでも、寝た状態でも可)や、仰向けになって膝を抱え、腹部を圧迫することで大腸を刺激する方法もあります。また、高齢者などで自ら動くことが難しい方は、腹式呼吸を繰り返すだけでも、大腸への刺激やリラックス効果が期待できます。   腹部マッサージは、誰でも必ず排便に至るという技法ではありませんし、たとえ施術で大腸が動きはじめても、すぐには便意につながらないことから、即効性も感じられないかもしれません。あまり効果が感じられなければ、食事内容の工夫や、運動などと合わせて行うようにしましょう。   関連リンク:「便秘対策の即効性」/「便秘によい食べ物」/「便秘と運動」    

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      関連リンク:複方毒掃丸ブランドサイトおすすめの服用方法複方毒掃丸サンプルお申込受付フォーム  複方毒掃丸は、6種類の生薬が自然に近いお通じを促す便秘薬です。小さな丸剤なのでのむ量を調節しやすく、ちょうどよいお通じを目指せます。マッサージと合わせてお使いください。 複方毒掃丸

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    便秘薬を飲むほどでもないという場合は、整腸薬で腸内環境を整えてあげるのもおすすめです。毒掃丸整腸薬は、乳酸菌と消化酵素と4種類の生薬を配合した、シナモンのような爽やかな香りがする、のみやすい整腸薬です。ぜひ一度お試しください。関連リンク:毒掃丸整腸薬の製品案内毒掃丸整腸薬の無料サンプルお申し込みフォーム
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      注1:例えば、令和元年国民生活基礎調査の便秘有訴者数(全国・5歳階級・男女別・症状は複数回答)と、令和元年総務省人口推計(全国・5歳階級・男女別)から計算すると、10~59歳の便秘有訴者数の男女比は、男23%に対し、女77%である。なお、10歳~15歳の人を成人期に入れたのは、便秘に関係が深い女性の初潮が12.3歳±1.3歳(平均年齢±SD)であることと、元の統計が5歳刻みであることから、成人期の便秘の特徴を捉えるためにより適切だと考えたため。注2:Jan L. Madsen, Jesper Graff, Effects of ageing on gastrointestinal motor functionAge and Ageing, 2004 March ; Volume 33, Issue 2 : p.154–159.    注3:日本消化器病学会関連研究会 慢性便秘の診断・治療研究会 編, 慢性便秘症診療ガイドライン2017, 南江堂, 2017, p.31.   注4:Kristina Lämås, et. al., Effects of abdominal massage in management of constipation—A randomized controlled trial, International Journal of Nursing Studies, 2009; 46(6): p. 759-767. 注5: 日本看護技術学会 技術研究成果検討委員会 温罨法班、便秘症状の緩和のための温罨法 Q&A、2021年2月、一般社団法人日本看護技術学会 注6:江上千代美他,  温罨法が末梢と心臓の自律神経系に及ぼす効果,  日本看護技術学会誌, 2014; Vol. 12(3): p.34-39.     注7:ここで挙げる3つは、次の文献で紹介されていた種目であるが、もみ方の詳細は当社の文責によるもの:高野正太, 慢性便秘症に対する食事療法,運動療法,理学療法, 日本大腸肛門病会誌, 2019; 72: p.621-627.   ひとこと 最後までお読みいただきありがとうございます。記事がお役に立ちましたら、SNSでもご共有いただけますと幸いです! 毒掃丸毒掃丸整腸薬のお買い求めは全国のドラッグストア・通販サイトで。見つからない場合は「毒掃丸をください」と申し出てください。こちら(SHOPどくそうがん)でも販売しております→ショップどくそうがん | 便秘薬の毒掃丸 山崎帝國堂のネットショップ (dokusougan.jp)

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  • 3回にわたってお届けしている「腸活」についての話題ですが、初回は腸活全般について、2回目は腸に良い食生活について書かせていただきました。そして3回目にあたる今回は、食べる以外の腸活について、ご紹介してまいります。   「腸活」とは一般に、腸内環境を整えたり腸の働きをよくすることで、便秘を改善したり、より健康な全身状態を目指したりすることを指します。この腸活の中には、リラックス、運動、マッサージ、ツボの刺激…など食べる以外にも、色々な方法があります。その多くは、健康法としての歴史も古く、実践している人も多くらっしゃるのではないでしょうか。こうした活動は、どれも「意思の力では動かすことができない腸に、動いてもらう」ものであるという共通点があります。  

    ■腸への語りかけ

      食べる以外の腸活とは、一言でいうと大腸への語りかけだと思っています(もちろん比喩ですが)。   私たちの腸はいわば筋肉の長~い管みたいなものです。腸の筋肉は、輪状に収縮し、その収縮する場所が食べ物を押し出すように口側から肛門側へと移っていく蠕動(ぜんどう)と呼ばれる運動をして、消化物を運んでいきます。でも、他の多くの内臓同様に、意識して腸を器用に動かし食べ物を運んでいくことはできません。誰もが、便意がおこるまでの長い時間、天から自らに与えられた腸の働きを信じて、任せきりにするしかないのです。   筋肉の管でもある腸は、1.脳とつながっている自律神経と、2.内容物に対して腸に反射的な運動を起こさせる腸壁内の大量の神経、の2種類が、互いに協調することで制御されています(これらの神経系統を、腸管神経系といいます)。私たちが、動いてくれない自らの腸を何とか動かそうとするときには、これらの神経系に信号を与えてあげることが必要です。しかし、何しろ手足のように意識して「動け」と念じても、信号を与えることができません。さてどうするか… 以下に、あの手この手で大腸各所の神経に「おーい、動け、動いてくれ」と呼びかる方法をご紹介します。どれも広く知られていますが、これらは腸への語りかけみたいなものですから、腸との非言語コミュニケーションだと思って自らの腸を慈しむ気持ちで行っていただけたらと思います!   では、代表的なアクティビティを4種類取り上げてみましょう。

    1.リラックスして自律神経を整える

      リラックスして自律神経を整えることで、腸の動きは良くなります。私たちの日々の生命維持を支えてくれている自律神経には、活発に活動しているときに高まる交感神経と、リラックスしているときに高まる副交感神経の二種類があって、両方の神経の活動量のバランスによって、内臓の動き具合を調節しています。腸の活動は、リラックスしているときに高まる副交感神経の働きが優位になっているときに、より活発に動くのです。   お勧めなのが腹式呼吸や深呼吸です。吸う時の2倍程度の時間を掛けて息を吐くことで、副交感神経の働きが高まることが多くの実証実験で分かっています(例えばこちら)。まずは5分でも続けて行い、実際にリラックスが得られることを実感してみましょう。リラックスが実感できたら、隙間時間や緊張状態のときにやってみたり、リラックスタイムの質を更に上げるためにどんどん活用してみてください。自律神経の働きが整ってくると、腸の動きも正常化してくるはずです。   *ストレスで頻繁に便秘や下痢をくりかえす人は、過敏性腸症候群(IBS)かもしれません。リンク先のチェックリストで痙攣性便秘に該当した方は、お医者様に専門的指導を受けることも検討してください。

    2.運動をする

      運動の減少が便秘の悪化につながることと、運動(特に有酸素運動)の実行が便秘解消に有効であることを示すデータは、多く存在しています。体を動かすことで、腸の働きは良くなります。動きが良くなる主な理由としては、運動することで自律神経が整うことと、運動自体で腸管が刺激されることです。   参考文献:高野 正太「V.慢性便秘症に対する食事療法、運動療法,、理学療法.」 日本大腸肛門病会誌 第72巻10号0621頁    また、長期間の運動習慣によってお腹周りの筋肉を鍛えられることも、便秘対策として有効です。私たちは、排便時には意識的に腹圧を高め、その力を利用して便を押し出してしているからです。   運動種目には、ウォーキングが推奨されることも多いですし、ジョギング、ヨガもお薦めです。   当社のお客様相談では、便秘に悩むお客様には体を動かすことを推奨しており、寝たきりやケガなどで運動ができない方には深呼吸だけでも意識的に行うよう伝えています。

    3.マッサージをする

      お腹をマッサージすることも、便秘改善に効果があるとされています(試験報告もあります)。特に「の」の字を描くように大腸をマッサージする方法は広く紹介されていますし、最近は「腸もみ」というコトバもよく見るようになりました。   先にも書いた通り、腸壁の神経は、内容物に対して反射的に運動をおこし、食べ物を運んでいきます。従って、腸をマッサージすることによって蠕動運動をおこすサポートをしたり、もむことの気持ちよさからリラックスできる(→自律神経が整う)ことが期待できそうです。痛みを感じない程度にもむようにしてください。体をねじる動きも、同様におすすめです。     但し、大腸の配置は一般に、皆が皆教科書通りなわけではなく、蛇行していたり、下部によっていたり個性があります。イラストの通りとは限りません。「の」の字マッサージが効かないこともあるかもしれません。   関連リンク:「便秘とマッサージ

    4.ツボ押しをする

      東洋医学伝統のツボ(経穴)は、神経経路の反応を通じて、痛みを緩和したり、内臓の働きを正常化させたりしてくれると考えられています。腸から離れている経穴を押して、腸の動きを改善してくれるのだとしたら、生理学的には自律神経の働きを通じてということになるでしょう。公益社団法人日本鍼灸師会のHPでも、
      身体には皮膚や筋肉などに刺激が加えられると自律神経の活動が変化し、自律神経が支配する臓器・器官の働きが反射的に調節される仕組みも備わっています。鍼や灸の刺激はその仕組みを利用して自律神経活動を変化させ、血管の調節をしたり臓器の働きを良くしたりします。 出展: 鍼灸の基礎知識 – 公益社団法人 日本鍼灸師会https://www.harikyu.or.jp/acupuncture/acupuncture-02/#i-8 2021年5月13日アクセス
      とあります。   便秘によいツボの代表的なものとして、2つ挙げておきます。(便秘に効くツボというのは便秘対策本などの定番ではありますが、個別にツボ押しが便秘に効くというエビデンスは見つけられませんでした。)   (1)合谷(ごうこく):万能のツボとも称されている非常にポピュラーなツボです。頭痛や肩こりによいとされていますが、便秘にも良いとされていることから、多くの便秘薬メーカーのおススメのツボになっています。人差し指と親指の合わさるところから少し指先よりの痛みを感じるくぼみを親指で挟むようにして押します。   (2)天枢(てんすう):胃腸の働きを整えてくれる代表的なツボです。おへそから指2~3本分はなれた両側です。やさしく押すだけでも腸が刺激されるのが実感できます。   いかがだったでしょうか?皆さまが考える腸活のイメージからは少し外れているものもあったかもしれませんが、どれも簡単にできるものばかりです。便秘改善への効果がある程度期待できるうえに、賢く楽しむ分には費用もあまりかからず、比較的安心して取り組めます。ぜひぜひ、様々な腸活にはげんでいただきたいと思います!   ◇   ◇   ◇   ◇   過去2回の腸活の記事の内容は下記のとおりです。   第1回 目次 腸活について① ■腸活とは、なにか? 腸活の目的 腸活のアプローチ (A)善玉菌のチカラを借りるための「食べる腸活」 (B)それ以外の方法で腸の動きを正常にする、「食べる以外の腸活」 腸活の具体的な方法 (A)「食べる腸活」(=腸によい食生活) (B)「食べる以外の腸活」   第2回 目次 「「腸活」について② 腸に良い食生活 実践レシピ付き 1.朝食を食べる 2.ヨーグルトなどの乳酸菌を摂る 3.食物繊維を摂る 4.発酵食品を摂る 5.オリゴ糖を摂る 実践!腸活レシピ     写真:腸活を実践していると、美しい景色に出会えることもあります。爽やかな風が吹く日に、ゆっくり東京都の多摩川沿いをジョギングしていた時の写真です。 (最終更新日:2023年1月11日)   ひとこと 最後までお読みいただきありがとうございます。記事がお役に立ちましたら、SNSでもご共有いただけますと幸いです! 毒掃丸のお買い求めは全国のドラッグストア・通販サイトで。見つからない場合は「毒掃丸をください」と申し出てください。こちら(SHOPどくそうがん)でも販売しております→ショップどくそうがん | 便秘薬の毒掃丸 山崎帝國堂のネットショップ (dokusougan.jp)

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