タグ別アーカイブ: 副交感神経

  • 便秘の原因

    2023.03.12
    便秘は誰にとっても憂鬱なもの。便秘とは、本来自然に排出できる便を、十分かつ快適に出せない状態のことをいいます。今この瞬間にも、女性や高齢者を中心に、とても多くの人が便秘に悩んでいます。排便回数が少ないことは精神的に負担で、便秘は私たちの生活の質を大きく下げてしまいます。 私たちは何故、便秘になってしまうのでしょうか。実は、便秘の原因は様々で、人によって原因は異なりますし、同じ人でもその時その時によって原因が違うこともあり得ます。今回の記事では、そうした、便秘を引き起こす様々な原因を、生活習慣と体の機能の両面から、解説していきたいと思います。  

    ■生活習慣と関係した原因

      まずは、イメージがわきやすい日常の生活習慣から、便秘の原因を紐解いていきたいと思います。いずれも比較的簡単に対策が取れる「原因」ばかりです。もしあなたが便秘で、ここに挙げる項目に思いあたるものがあったとしたら、まずは各項目のお勧めの改善策をしっかりと実践してみましょう。  

    (1)食物繊維の不足

      食物繊維とは、ヒトの消化酵素で分解されず、大腸まで届く食品成分のことです。野菜やキノコ、海藻、いも類、穀物など様々な食材に含まれています。食物繊維は、便のカサをふやしてくれて、快便のときの「ドッサリ」感のもととなります。これが不足すると、便秘になることがあります。   大腸の動きや、便の排出機能などに問題がなければ、食物繊維を多く摂ることで便秘が改善します。アメリカでの研究によると、便秘症の人147人に植物性の食物繊維(インドオオバコの種子15〜30g/日:不溶性食物繊維を多く含む)を投与したところ、約4割の65人が治癒または改善しました注1。ダイエットなどで食事を少なくすると便秘になる場合がありますが、そういう時にも食物繊維(多くの食物繊維はカロリー0です)を積極的に食べるようにしましょう。   そもそも、現代の日本人は、食生活の欧米化もあって、食物繊維の摂取量が不足しています。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では、女性18 g以上、男性21 g以上(ともに18~64歳の場合)を食物繊維の1日の摂取目標量として定めていますが、実際の摂取量は、だいたい15g程度で、2割前後不足しています。せめて毎日あと1品、食物繊維が豊富な食材を摂るようにしたいものです。食物繊維の便秘以外の健康への効果や、詳しい対策は、下記リンク先にあります。   関連リンク:「便秘によい食べ物」/「野菜と便秘の話お勧めの改善策:野菜や食物繊維を多く摂る  

    (2)水分の不足

      人の体の約60%は水でできていますが、便はそれ以上に水を含んでおり、重量のうち60~70%が水分です。便秘の時の便が普段より硬いのは、大腸に長くとどまりすぎることで便の水分が失われているからです。ですから、体の水分不足は、便を固くします。便秘の時のカチコチの便のできあがりです。   人間が1日に必要とする水分は、普通の生活をしている場合、およそ2.5リットルとされています。そのうち1.3リットル程度は食べ物に含まれている水分で、その他に飲み物として1.2リットルの水を飲む必要があります注2。体内の水分が不足した場合、尿が減るばかりでなく、便が硬くなって出にくくなってしまいます。飲料摂取が500cc以下だと便秘になりやすいことと、便秘の人が脱水傾向にある場合には水分を多くとると便通が改善することが分かっています注3。便秘がちの人は、水分を多めにとるようにしましょう。効果的な飲み方や、水以外の飲み物については、下記リンク先をご覧ください。   関連リンク:「便秘によい飲み物お勧めの改善策:1日1.2ℓは水分を飲む・朝起きたらコップ一杯の水  

    (3)運動不足・筋力不足

      運動不足が直接便秘を引き起こすわけではありませんが、運動量(特に有酸素運動や歩行距離)と便秘には関連があることが分かっています注3。運動によるひねりが大腸にちょうどよい刺激になっていたり、あるいは、運動することにより自立神経のバランスが改善されることで便秘が改善されるようです。日々の運動で、特に推奨したいのが、ウォーキングやジョギング、ヨガなどの有酸素運動です。しっかり歩いて便秘を予防しましょう。   また、腹筋などの筋肉量不足も原因になります。私たちは、トイレで排便時に「いきむ」際には、横隔膜と腹筋を意識的に収縮させ、同時に肛門周辺の筋肉を緩めています。そのため、腹筋力が弱いと、排便がうまくいかなくなってしまいます。   詳しくは、下記リンクも参照してください。 関連リンク:「便秘と運動」/「便秘と便意お勧めの改善策:1日30分以上、週2回以上の有酸素運動・腹筋力の維持    

    (4)ストレス

      ストレスを抱え込むような生活をしていると、排便のリズムは乱れ、便秘を引き起こします。ストレスに直面すると、人体は脅威に対処するために、様々な反応が起きるようにできています。その中の一つが、自律神経の反応です。自律神経とは、血圧や呼吸や発汗、大腸の場合は内容物を運ぶ動きである「蠕動運動」など、生命維持の様々なプロセスを調節するために体中に張り巡らされた神経で、意識の支配は及ばず、自動的(自律的)に機能します。   ストレス源に直面すると、自律神経のバランスが崩れてしまい、結果として、大腸の蠕動運動が抑制されてしまいます。すると、内容物は肛門側にむけて運ばれにくくなり、大腸の中に滞留し、便秘になってしまいます。   また、ストレスによって自律神経のバランスが崩れ、睡眠の質が下がることがあります。実は、睡眠不足も便秘を悪化させます注4。本来ヒトの体は、睡眠中に徐々に腸を動かして内容物を運んでおき、朝食後に起こる「大蠕動」という大きな大腸の動きで一気に肛門近くまで便を押しやることで、朝の排便を行うようなリズムになっています。睡眠不足は、このリズムを狂わせてしまう恐れがあります。   このほか、長期間ストレスにさらされることで、心身症の一つである過敏性腸症候群(IBS)になる場合があります。これは、自律神経の失調などで起こるとされ、発症すると腸が刺激に対して過敏な状態が続きます。そして、ちょっとした緊張やストレスで、便秘や下痢を繰り返すようになります。過敏性腸症候群には、主な症状が便秘のものと下痢のものがあるため、便秘型・下痢型・混合型(便秘と下痢のどちらにもなる)・分類不能型に分類されています。少しのストレスで便秘になってしまう方は、この過敏性腸症候群の便秘型(痙攣性便秘ともいいます)なのかもしれません。   下記リンク先にも詳しく書いてあります。 関連リンク:「便秘とストレスの関係お勧めの対策:腹式呼吸でリラックス・有酸素運動・睡眠時間の確保    

    (5)便意を逃している

      普段から便意を我慢していると、直腸(肛門のすぐ上の部分)にある便意を感じるセンサーが鈍くなり、便秘しやすくなります。学校での排便を忌避しがちな学童や、自分のペースでトイレに行けない仕事をしている人は、便意を逃すことによる便秘になりやすいです。また、例えば朝食後には、大腸が力強く動く「大蠕動」が起こりますが、この時に感じる便意を逃してしまうのはとてももったいないことです。便意を感じたら、なるべくすぐにトイレに行くようにしましょう。   便意を感じるメカニズムを含め、詳しくは下記をご覧ください。 関連リンク:「便秘と便意お勧めの対策:便意を我慢しない・しっかり朝食を食べる  

    (6)腸内環境が悪化している

      人間の大腸の中には沢山の細菌が棲んでいて、その数はおよそ100兆個・1000種類注5、全部あわせると、その重さは1~1.5kgあるといわれています。これらの菌の分類は大変複雑で、専門家以外には理解が難しいでしょう。そこで、腸の中には、体に良い働きをする善玉菌、悪い影響をもたらす悪玉菌、どちらにも属さない日和見菌の3つのタイプがいると考えるのが分かりやすいです。   一般に、善玉菌は、主に食物繊維や炭水化物を分解して大腸のエネルギーになる短鎖脂肪酸(酪酸、酢酸など)を作ることで、大腸の働きを助け、我々の健康全体を維持する働きをします。短鎖脂肪酸は、腸の蠕動運動のエネルギー源なので、善玉菌が少ないと、腸の動きが悪くなって便秘になることが考えられます。   ただ、便秘の人の腸内環境が健常者と比べて実際にどう違っているかは、研究によって結果が様々で注6、実はよくわかっていません。なので、善玉菌の減少が実際に便秘を実際に引き起こしているという分かり易い証拠を示すことは残念ながらできません。それでも、各種のヨーグルト、オリゴ糖や食物繊維などの善玉菌のエサになるような食べ物を多く食べると便通が良くなることは、多くの研究から明らかです。便秘の解消・改善や、予防のために、善玉菌を増やすようにしましょう。   腸内細菌については、次のリンクもご覧ください。 関連リンク:「腸内細菌と、健康・便秘お勧めの対策:ヨーグルトや食物繊維等、善玉菌を増やす食品を食べる    

    ■体の機能と関係した原因

        生活習慣を改善してもなお、便秘しやすい方が多くいらっしゃいます。また、生活が乱れると、すぐに便秘になる方がいらっしゃいます。それは、便秘が生活習慣だけではなく体の機能(はたらきの良しあし)に起因している場合もあるからです。ここでは、大腸や肛門の機能に関連した便秘の原因を、ごく簡単にご紹介します。生活改善をしてもひどい便秘に苦しまれている場合は、原因は体の機能面にあるかもしれません。市販薬を上手に服用したり、お医者様の診断・投薬を受けることも検討しましょう。  

    (1)大腸の動きが悪くなっている

      前述したように、大腸の動きが悪くなれば、内容物の通過に長い時間が必要になり、その間に大腸による水分の吸収が進むことから、便はカチコチになってしまいます。大腸の動きを悪くさせる要因として、まず挙げられるのは、女性ホルモンの影響と、加齢の影響です。  

    ①女性ホルモンの影響

      女性が初潮を迎えると、卵巣から分泌される二つの女性ホルモン、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)が、便秘にも関係してきます。エストロゲンには、排便をよくする働きがあるのですが、プロゲステロンは、流産しないように子宮を守るため、腸の動きを鈍らせるよう作用します。このためプロゲステロンの分泌の増える排卵日から生理前にかけて、便秘になりやすくなるのです。   女性におすすめの便秘対策は、次のリンク先にあります! 関連リンク:「女性の便秘・男性の便秘 ~年代による、その変化と対策~」/「便秘とマッサージ」/「便秘薬をのむ時に大切なことお勧めの対策:お腹のマッサージをする、市販の便秘薬を上手に使う  

    ②加齢の影響

      高齢者は、大腸の動きが悪くなっており、内容物が通過するのに時間がかかり、そのため便秘になりやすいです。デンマークからの報告によると、高齢者16人(平均81歳)と若者16人(平均24歳)の大腸通過時間を調べたところ、高齢者は平均66時間、若者は平均39時間で、1.7倍の差があったといいます注6。大腸には、水分を吸収する働きがあるので、通過時間が長くなると、便がカチコチに硬くなり、便秘になってしまうのです。齢で腸の動きが悪くなる理由としては、腸管の運動に関係する神経細胞の数やバランスが変化していることが原因と考えられています注7。ヒトの体には、加齢とともに様々な変化が現れますが、それは大腸も例外ではないのです。   高齢者の便秘や、その対策については、次のリンク先をご覧ください。 関連リンク:「高齢者の便秘お勧めの対策:よく歩き、有酸素運動を心がける  

    (2)直腸や肛門周辺の働きが悪くなっている

      大腸を通って運ばれてきた便は、最後に直腸と呼ばれる肛門の真上のあたりに到着します。便がやってきて直腸の内側の壁に圧力がかかる(内圧が上る)と、直腸にあるセンサーから脳に信号が伝わり、便意を感じます。便意を感じると、私たちはトイレを探し、腹筋力などを使って排便を行います。もし大腸の機能が正常でも、直腸や肛門周辺の機能に異常があると、この一連の動作ができず、便秘になってしまいます。   このような、直腸や肛門周辺の働きが悪くなって引き起こされる便秘は、便秘薬の効果があまりみられないため、治療も大変です。ちゃんとお医者様に診てもらうようにしましょう。   高齢になると、特に直腸の機能に問題が生じやすくなります。まず、加齢により、直腸の内圧の上昇を脳に伝える神経の感度が下がりやすくなります。そのため、便が肛門近くまで運ばれてきても、すぐにトイレに行きたいという気持ちにならなくなってしまいます。海外からの報告では、便意を感じ始める内圧、便意が切迫してくる内圧、痛みを感じ始める内圧のいずれも、高齢者は若者よりも高かく、つまり便意を感じにくかったということです注7。   関連リンク:「高齢者の便秘お勧めの対策:便意を我慢しない・腹筋力を落とさないようにする    

    ■そのほかの原因

        生活習慣や、大腸・肛門の機能以外にも、便秘になる原因はいくつかあります。それは、腸の形などに問題がある場合、薬の副作用、他の病気による便秘、の3つです。これらについては、更に専門性が高いこともあり、別の機会に個別に触れていきたいと思います。  

    ◇ ◇ ◇

      以上、便秘の原因についてかなり網羅的に見てきました。便秘は様々な要因が重なって起こるため、どれか1つだけが原因とは限りません。一方で、複数の原因のうち1つを改善するだけで、便通がよくなる場合もあります。    

    ■まとめに変えて…どんな人が便秘になっているか。

        最後に、実際にどんな人たちが便秘になっているかを概観し、便秘の原因についてのお話を終わることにしましょう。     このグラフは、国の基幹統計の1つである「国民生活基礎調査」から作成したもので、便秘の症状がある人の人数(有訴者)を、性・年齢別に示したものです。このグラフを使って人の一生を俯瞰してみると、便秘の有訴者数が、2度大きく変化していることが分かります。最初は思春期で、便秘に悩む女性が一挙に増加します。2回目の変化は、高齢期です。男女ともに、便秘の人が激増しています。これまで見てきたように、女性や高齢者は、大腸や直腸の機能が低下しやすいです。上のグラフは、こうした機能面の変化が、人々の便秘の主要因になっていることを示唆している…そんなふうにも見えます。   そうだとすると、前半で見てきた、生活習慣に関連した諸々の原因は、あまり便秘改善の役には立たない要素なのでしょうか?いいえ、そんなはずはありません。記事の中で推奨した生活習慣の改善策の殆どは、統計的に便秘改善の効果があることが報告されています。   このデータは、生活習慣の改善「だけ」では便秘が改善しない場合があることや、生活習慣の改善で便秘が解消しても、再び生活が乱れるとすぐに便秘に戻ってしまう方が多いことを示していると思います。生活習慣の改善は当然するべきですが、それ「だけ」では便秘が改善しない場合、市販の整腸薬や便秘薬、場合によっては医師の力を借りてみることも必要なのです。   整腸薬や、便秘薬の選び方・飲み方については、次のリンクも参照してみてください。 関連リンク:「便秘解消を目指して ~便秘のセルフケア~」/「便秘薬をのむ時に大切なこと」  

    ◇ ◇ ◇

      関連リンク:複方毒掃丸ブランドサイトおすすめの服用方法複方毒掃丸サンプルお申込受付フォーム  複方毒掃丸は、6種類の生薬が自然に近いお通じを促す便秘薬です。小さな丸剤なのでのむ量を調節しやすく、ちょうどよいお通じを目指せます複方毒掃丸

    複方毒掃丸

    便秘薬を飲むほどでもないという場合は、整腸薬もおすすめです。毒掃丸整腸薬は、乳酸菌と消化酵素と4種類の生薬を配合した、シナモンのような爽やかな香りがする、のみやすい整腸薬です。ぜひ一度お試しください。関連リンク:毒掃丸整腸薬の製品案内毒掃丸整腸薬の無料サンプルお申し込みフォーム
    毒掃丸整腸薬
    毒掃丸整腸薬
      便秘の病理的な分類に基づいた解説については、こちらもご覧ください。関連リンク:「便秘の種類と原因」   (最終更新日:2023年4月16日)   注1:Voderholzer WA et al.,  Clinical response to dietary fiber treatment of chronic constipationAm J Gastroenterol. 1997 Jan ; 92(1) : p95-8. 注2:必要な水分量については、次のサイトを参考にしました。厚生労働省 「健康のため水を飲もう」推進運動  2023年3月11日アクセス。  注3:吉良いずみ 便秘ケアとしての水分摂取のエビデンスに関する統合的文献レビュー, 日本看護技術学会誌 2013;12(2):p33-42. 注3:   日本消化器病学会関連研究会,慢性便秘の診断・治療研究会:慢性便秘症診療ガイドライン 2017.南江堂,2017 p.60 注4:例えば、Yamamoto S, et al. Internet Survey of Japanese Patients With Chronic Constipation: Focus on Correlations Between Sleep Quality, Symptom Severity, and Quality of Life. J Neurogastroenterol Motil. 2021 Oct 30 ; 27(4) : p.602-611. 注5:Ruth E Ley, et al. Ecological and Evolutionary Forces Shaping Microbial Diversity in the Human IntestineCell. 2006 Feb 24;124(4):837-48.    注6:尾﨑 隼人ほか,  Ⅲ.慢性便秘症の治療 各論(便秘症と腸内フローラ),  日本大腸肛門病会誌 2019;72:p609-614. 注6:Jan L. Madsen, Jesper Graff, Effects of ageing on gastrointestinal motor functionAge and Ageing, 2004 March ; Volume 33, Issue 2 : p.154–159 注7:日本消化器病学会関連研究会 慢性便秘の診断・治療研究会 編, 慢性便秘症診療ガイドライン2017, 南江堂, 2017, p.31.  注7:Lagier E, et al. Influence of age on rectal tone and sensitivity to distension in healthy subjects. Neurogastroenterol Motil. 1999 Apr ; 11(2) : p101-7.    ひとこと 最後までお読みいただきありがとうございます。記事がお役に立ちましたら、SNSでもご共有いただけますと幸いです! 毒掃丸毒掃丸整腸薬のお買い求めは全国のドラッグストア・通販サイトで。見つからない場合は「毒掃丸をください」と申し出てください。こちら(SHOPどくそうがん)でも販売しております→ショップどくそうがん | 便秘薬の毒掃丸 山崎帝國堂のネットショップ (dokusougan.jp)  

    続きを見る

  • 旅行と便秘

    2023.02.05
    旅行に行くのは楽しみだけれど、行くたびに便秘になるのが憂鬱…そんな方も多いのではないでしょうか。実は、旅行には、便秘を引き起こす要素がたくさんあるのです。そのことを知って、少しでも対策を立てることで、旅先での便秘を予防することができるかもしれません。今回は、まず旅行の便秘の原因をざっと解説し、そのあとで、旅の便秘対策について、ご説明したいと思います。    

    ■なぜ、旅行に行くと便秘になるのか

        便秘の症状が長期間(何か月も)みられるような場合を慢性便秘症と呼びますが、それに対し、突発的になってしまう便秘のことを「急性便秘」あるいは「一過性便秘」と呼びます。旅先での便秘は、典型的な「急性便秘」あるいは「一過性便秘」です。旅行に行くことで便秘になり、そして旅行が終わって普段の生活に戻ると、便秘も解消したりします。   ちなみに、旅行で便秘になりやすいのは、なにも私たち日本人に限ったことではありません。英語圏では”Travel constipation(旅行性便秘)”、あるいは” Vacation-induced constipation(休暇による便秘)”などと呼ばれています。おそらく、世界中でたくさんの人が、旅行中に便秘になっています。   旅先での便秘の原因は、複数考えられます。   一つは、旅先での緊張感やストレスです。宿泊先で便秘になる人は、慣れない場所に宿泊することで、何となく落ち着かず、体が緊張しているのかもしれません。あるいは、楽しい旅行で気分がハイになっているなど、興奮状態になっている人もいるかもしれません。こうした状況では、体内の自律神経は緊張状態になっています(自律神経のうちの、交感神経が優位な状態)。人間は、自律神経がリラックスした状態(副交感神経が優位な状態)にあると、大腸がよく動いて、腸内の内容物を肛門の方に押し出してくれるのですが、逆に緊張状態にあると、大腸の動きは抑制され、内容物が肛門まで運ばれなくなり、便秘になってしまいます。旅の緊張感やストレスは、便秘を引き起こすのです。   関連リンク:「便秘とストレスの関係」   もう一つは、旅先での生活リズムの乱れです。旅行に行くと、朝起きる時間や支度の順番などが、普段と違ってくることも多く、それが便秘の原因になります。   実は、朝起きてから、朝食後にかけては、排便においてはとても重要な時間帯です。排便の準備は、便意を感じる何時間か前、朝目が覚めた時から始まっています。大腸は、寝ている間はあまり動かず(深夜便意を催すことは、あまりないですよね)、朝起きた時に、力強く動きを再開します注1。この動きは「起立大腸反射」と呼ばれています。そして、朝食で食べ物が胃に入ると、数分以内に大腸が動き出し、続いて強い蠕動運動(大蠕動)が起きます。この動きは「胃結腸反射」と呼ばれ、一気に内容物が肛門の方に送られ、便意が引き起こされるのです。合宿などでトレイが混みあうのは、朝食後というのが相場ですが、それは、この一連の大腸の動きが、皆に同時に起こっているからです。旅行に行くと、この朝から朝食後にかけてのリズムが狂うことがあります。例えば、時差で睡眠時間が乱れてしまったり、朝食後、宿を出るまでの時間が短かすぎたりすると、自然な排便のリズムが乱れ、急な便秘を引き起こすのです。   また、便意の我慢も旅先での便秘の原因になります。いつもは1人で個室を独占できるのに、同室の同伴者がいたり、共用トイレが混んでいて、タイミングを逃してしまうかもしれません。バスなどでの長時間の移動などで、トイレ休憩の時間が便意のタイミングと合わないことも多いでしょう。便意を感じたら、すぐに排便をするようにしないと、やがて便意は消えてしまいます。   関連リンク:「便秘と便意」   他にも、旅の便秘には、いくつかの原因が考えられます。例えば、観光の途中にトイレに頻繁にいきたくならないようにと、水分の摂取を控えすぎてしまうのもよくありません。体の水分不足は、便を固くし、便秘を引き起こします注2。また、食物繊維が少ない食事も、便秘の原因になります。食物繊維は、小腸・大腸で消化吸収されず、最終的に便の材料になる栄養素です。そのため、食物繊維の摂取量が足りないと、便のカサが小さくなり、大腸が活発に動かなくなる場合があるのです。   このように、旅行中の生活には、便秘を引き起こす要素がたくさん含まれているのです。  

    旅行と下痢の関係は? 旅行にいくと便秘になる人が多い一方、旅先で下痢に悩まされることもあります。こちらは「旅行者下痢症」と呼ばれ、多くの場合、細菌などへの感染によって引き起こされます。海外旅行などで不衛生な食べ物を食べたときに起き、時に吐き気や発熱を伴います。細菌以外にも、水が合わない場合や、ストレスによって下痢が引き起こされることもあります。殆どの場合、時間とともに改善していきますが、熱や下痢が続くようなら病院を受診しましょう。

      温泉旅行のイメージ

    ■旅の便秘対策(お薬編)

        市販の便秘薬の服用は、旅行の便秘対策としては、お勧めです。これが旅行時ではなく、通常の慢性的な便秘の場合は、まず最初にすべきことは、薬の服用ではなく、生活習慣の改善です。しかし、生活習慣の改善は、数週間続けて行うことで効果が感じられるようなものも多く、短期間の旅行中の対策としては、やや即効性に欠けます。その点、便秘薬は、夜飲むと次の朝出るなど、比較的早く結果がでますから、旅先での一時的な便秘対策にはピッタリなのです。   関連リンク:「便秘対策の即効性」   便秘薬は、だいたい夕食前や夕食後に服用すると、次の日の朝、トイレに行きたくなります。旅行でいつも便秘になる人は、朝のトイレタイムにしっかり排便するために、夕食時に便秘薬を服用するようにしましょう。この時、一つ注意したいのは、強い便秘薬を、飲みすぎてしまうことです。便秘薬の効き方は個人差がとても大きく、薬が効き過ぎると、下痢になってしまい、楽しい旅行が台無しです。できれば、旅行の前に便秘になったときに、一度効果を試してみて、適量を把握しておくのがよいでしょう。複方毒掃丸のような、服用量を細かく調節できるタイプの便秘薬なら、下痢をしてしまわないように、服用量を加減することも簡単です。   関連リンク:「便秘薬をのむ時に大切なこと」   また、便秘薬を飲みなれていない人は、毒掃丸整腸薬のような、整腸薬を飲むのもよいかもしれません。整腸薬とは、腸内細菌のうち善玉菌と呼ばれる体によい菌や、食べ物の消化に必要な消化酵素の補充を行うことで、腸の調子を整える薬です。便を直ちに出す効能はありませんが、腸の本来の働きを取り戻す手助けをすることで、便秘や下痢を改善してくれます。    

    ■旅の便秘対策(お薬以外)

        便秘薬を飲む以外にも、旅行中の便秘を防ぐためにできることは、いくつかあります。まず、この記事の前半で挙げた、旅先で便秘になる要因を、つぶしていくことは、有効です。   旅による緊張感やストレスを和らげるためには、腹式呼吸や深呼吸がお勧めです。吸う時の2倍程度の時間を掛けて息を吐くことで、自律神経のバランスが整う(副交感神経の働きが高まる)ことが多くの実証実験で分かっています注3。夜はゆっくりお風呂に入り、リラックスを心がけましょう。また、腹部のマッサージもよいでしょう。腹部への直接的な刺激は、大腸の動きを促進してくれることを期待できますし、マッサージの際の手の温感や触感、筋肉の緊張のほぐれによる心地よさは、心身をリラックスさせてくれ、自律神経のバランスを整えてくれます。   関連リンク:「便秘とマッサージ」   排便リズムを狂わせないためには、朝起きた時にコップ一杯の水を飲み、朝食をしっかり食べることが大切です。旅先でも「胃結腸反射」が起きるようにしましょう。また、朝食を食べてから、宿を出るまでの間に、十分なトイレタイムを確保するようにしましょう。   便意を我慢しないことも大切です。同行者がいても、それぞれがゆっくりトイレを済ませられるよう、やはり十分なトイレタイムの確保が大切です。他にも、水分を十分に摂ることや、食物繊維不足にならないように気を付けることも、有効です。   関連リンク:「野菜と便秘の話」   あと、忘れがちなことですが、旅行に出発する前に便秘になっていないことも重要です。慢性便秘に近いような状態で旅行に出発してしまえば、旅行中の快便は、ますます遠のいてしまうでしょう。快適で楽しい旅行を楽しむためにも、日ごろから、「腸活」を心がけることが大切なのです。   関連リンク:「「腸活」について①」   では、記事の内容を参考にして頂き、しっかり対策をとったうえで、便秘薬や整腸薬を鞄に忍ばせ、楽しいご旅行をお楽しみください!    

    ◇ ◇ ◇

      関連リンク:複方毒掃丸ブランドサイトおすすめの服用方法複方毒掃丸サンプルお申込受付フォーム  複方毒掃丸は、6種類の生薬が自然に近いお通じを促す便秘薬です。小さな丸剤なのでのむ量を調節しやすく、旅先でもちょうどよいお通じを目指せます複方毒掃丸 複方毒掃丸 便秘薬を飲むほどでもないという場合は、整腸薬もおすすめです。毒掃丸整腸薬は、乳酸菌と消化酵素と4種類の生薬を配合した、シナモンのような爽やかな香りがする、のみやすい整腸薬です。ぜひ一度お試しください。関連リンク:毒掃丸整腸薬の製品案内毒掃丸整腸薬の無料サンプルお申し込みフォーム
    毒掃丸整腸薬
    毒掃丸整腸薬
      注1:  F Narducci et.al., Twenty four hour manometric recording of colonic motor activity in healthy manGut.  1987 Jan ; 28(1) : p17-25.  注2:吉良いずみ 便秘ケアとしての水分摂取のエビデンスに関する統合的文献レビュー, 日本看護技術学会誌 2013;12(2):p33-42. 注3:例えば、坂木 佳壽美, 腹式呼吸が自律神経機能に与える影響, 体力科学, 2001, 50 巻, 1 号, p. 105-118.    ひとこと 最後までお読みいただきありがとうございます。記事がお役に立ちましたら、SNSでもご共有いただけますと幸いです! 毒掃丸毒掃丸整腸薬のお買い求めは全国のドラッグストア・通販サイトで。見つからない場合は「毒掃丸をください」と申し出てください。こちら(SHOPどくそうがん)でも販売しております→ショップどくそうがん | 便秘薬の毒掃丸 山崎帝國堂のネットショップ (dokusougan.jp)

    続きを見る

  • 3回にわたってお届けしている「腸活」についての話題ですが、初回は腸活全般について、2回目は腸に良い食生活について書かせていただきました。そして3回目にあたる今回は、食べる以外の腸活について、ご紹介してまいります。   「腸活」とは一般に、腸内環境を整えたり腸の働きをよくすることで、便秘を改善したり、より健康な全身状態を目指したりすることを指します。この腸活の中には、リラックス、運動、マッサージ、ツボの刺激…など食べる以外にも、色々な方法があります。その多くは、健康法としての歴史も古く、実践している人も多くらっしゃるのではないでしょうか。こうした活動は、どれも「意思の力では動かすことができない腸に、動いてもらう」ものであるという共通点があります。  

    ■腸への語りかけ

      食べる以外の腸活とは、一言でいうと大腸への語りかけだと思っています(もちろん比喩ですが)。   私たちの腸はいわば筋肉の長~い管みたいなものです。腸の筋肉は、輪状に収縮し、その収縮する場所が食べ物を押し出すように口側から肛門側へと移っていく蠕動(ぜんどう)と呼ばれる運動をして、消化物を運んでいきます。でも、他の多くの内臓同様に、意識して腸を器用に動かし食べ物を運んでいくことはできません。誰もが、便意がおこるまでの長い時間、天から自らに与えられた腸の働きを信じて、任せきりにするしかないのです。   筋肉の管でもある腸は、1.脳とつながっている自律神経と、2.内容物に対して腸に反射的な運動を起こさせる腸壁内の大量の神経、の2種類が、互いに協調することで制御されています(これらの神経系統を、腸管神経系といいます)。私たちが、動いてくれない自らの腸を何とか動かそうとするときには、これらの神経系に信号を与えてあげることが必要です。しかし、何しろ手足のように意識して「動け」と念じても、信号を与えることができません。さてどうするか… 以下に、あの手この手で大腸各所の神経に「おーい、動け、動いてくれ」と呼びかる方法をご紹介します。どれも広く知られていますが、これらは腸への語りかけみたいなものですから、腸との非言語コミュニケーションだと思って自らの腸を慈しむ気持ちで行っていただけたらと思います!   では、代表的なアクティビティを4種類取り上げてみましょう。

    1.リラックスして自律神経を整える

      リラックスして自律神経を整えることで、腸の動きは良くなります。私たちの日々の生命維持を支えてくれている自律神経には、活発に活動しているときに高まる交感神経と、リラックスしているときに高まる副交感神経の二種類があって、両方の神経の活動量のバランスによって、内臓の動き具合を調節しています。腸の活動は、リラックスしているときに高まる副交感神経の働きが優位になっているときに、より活発に動くのです。   お勧めなのが腹式呼吸や深呼吸です。吸う時の2倍程度の時間を掛けて息を吐くことで、副交感神経の働きが高まることが多くの実証実験で分かっています(例えばこちら)。まずは5分でも続けて行い、実際にリラックスが得られることを実感してみましょう。リラックスが実感できたら、隙間時間や緊張状態のときにやってみたり、リラックスタイムの質を更に上げるためにどんどん活用してみてください。自律神経の働きが整ってくると、腸の動きも正常化してくるはずです。   *ストレスで頻繁に便秘や下痢をくりかえす人は、過敏性腸症候群(IBS)かもしれません。リンク先のチェックリストで痙攣性便秘に該当した方は、お医者様に専門的指導を受けることも検討してください。

    2.運動をする

      運動の減少が便秘の悪化につながることと、運動(特に有酸素運動)の実行が便秘解消に有効であることを示すデータは、多く存在しています。体を動かすことで、腸の働きは良くなります。動きが良くなる主な理由としては、運動することで自律神経が整うことと、運動自体で腸管が刺激されることです。   参考文献:高野 正太「V.慢性便秘症に対する食事療法、運動療法,、理学療法.」 日本大腸肛門病会誌 第72巻10号0621頁    また、長期間の運動習慣によってお腹周りの筋肉を鍛えられることも、便秘対策として有効です。私たちは、排便時には意識的に腹圧を高め、その力を利用して便を押し出してしているからです。   運動種目には、ウォーキングが推奨されることも多いですし、ジョギング、ヨガもお薦めです。   当社のお客様相談では、便秘に悩むお客様には体を動かすことを推奨しており、寝たきりやケガなどで運動ができない方には深呼吸だけでも意識的に行うよう伝えています。

    3.マッサージをする

      お腹をマッサージすることも、便秘改善に効果があるとされています(試験報告もあります)。特に「の」の字を描くように大腸をマッサージする方法は広く紹介されていますし、最近は「腸もみ」というコトバもよく見るようになりました。   先にも書いた通り、腸壁の神経は、内容物に対して反射的に運動をおこし、食べ物を運んでいきます。従って、腸をマッサージすることによって蠕動運動をおこすサポートをしたり、もむことの気持ちよさからリラックスできる(→自律神経が整う)ことが期待できそうです。痛みを感じない程度にもむようにしてください。体をねじる動きも、同様におすすめです。     但し、大腸の配置は一般に、皆が皆教科書通りなわけではなく、蛇行していたり、下部によっていたり個性があります。イラストの通りとは限りません。「の」の字マッサージが効かないこともあるかもしれません。   関連リンク:「便秘とマッサージ

    4.ツボ押しをする

      東洋医学伝統のツボ(経穴)は、神経経路の反応を通じて、痛みを緩和したり、内臓の働きを正常化させたりしてくれると考えられています。腸から離れている経穴を押して、腸の動きを改善してくれるのだとしたら、生理学的には自律神経の働きを通じてということになるでしょう。公益社団法人日本鍼灸師会のHPでも、
      身体には皮膚や筋肉などに刺激が加えられると自律神経の活動が変化し、自律神経が支配する臓器・器官の働きが反射的に調節される仕組みも備わっています。鍼や灸の刺激はその仕組みを利用して自律神経活動を変化させ、血管の調節をしたり臓器の働きを良くしたりします。 出展: 鍼灸の基礎知識 – 公益社団法人 日本鍼灸師会https://www.harikyu.or.jp/acupuncture/acupuncture-02/#i-8 2021年5月13日アクセス
      とあります。   便秘によいツボの代表的なものとして、2つ挙げておきます。(便秘に効くツボというのは便秘対策本などの定番ではありますが、個別にツボ押しが便秘に効くというエビデンスは見つけられませんでした。)   (1)合谷(ごうこく):万能のツボとも称されている非常にポピュラーなツボです。頭痛や肩こりによいとされていますが、便秘にも良いとされていることから、多くの便秘薬メーカーのおススメのツボになっています。人差し指と親指の合わさるところから少し指先よりの痛みを感じるくぼみを親指で挟むようにして押します。   (2)天枢(てんすう):胃腸の働きを整えてくれる代表的なツボです。おへそから指2~3本分はなれた両側です。やさしく押すだけでも腸が刺激されるのが実感できます。   いかがだったでしょうか?皆さまが考える腸活のイメージからは少し外れているものもあったかもしれませんが、どれも簡単にできるものばかりです。便秘改善への効果がある程度期待できるうえに、賢く楽しむ分には費用もあまりかからず、比較的安心して取り組めます。ぜひぜひ、様々な腸活にはげんでいただきたいと思います!   ◇   ◇   ◇   ◇   過去2回の腸活の記事の内容は下記のとおりです。   第1回 目次 腸活について① ■腸活とは、なにか? 腸活の目的 腸活のアプローチ (A)善玉菌のチカラを借りるための「食べる腸活」 (B)それ以外の方法で腸の動きを正常にする、「食べる以外の腸活」 腸活の具体的な方法 (A)「食べる腸活」(=腸によい食生活) (B)「食べる以外の腸活」   第2回 目次 「「腸活」について② 腸に良い食生活 実践レシピ付き 1.朝食を食べる 2.ヨーグルトなどの乳酸菌を摂る 3.食物繊維を摂る 4.発酵食品を摂る 5.オリゴ糖を摂る 実践!腸活レシピ     写真:腸活を実践していると、美しい景色に出会えることもあります。爽やかな風が吹く日に、ゆっくり東京都の多摩川沿いをジョギングしていた時の写真です。 (最終更新日:2023年1月11日)   ひとこと 最後までお読みいただきありがとうございます。記事がお役に立ちましたら、SNSでもご共有いただけますと幸いです! 毒掃丸のお買い求めは全国のドラッグストア・通販サイトで。見つからない場合は「毒掃丸をください」と申し出てください。こちら(SHOPどくそうがん)でも販売しております→ショップどくそうがん | 便秘薬の毒掃丸 山崎帝國堂のネットショップ (dokusougan.jp)

    続きを見る