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便秘とストレスの関係

2022.09.04
便秘とストレスの関係

ストレスを抱え込むような生活をしていると、排便のリズムは乱れ、便秘が悪化してしまいます。この記事では、便秘の大敵であるストレスについて少し詳しく見ていき、ストレスだらけの現代社会の中で、どんな工夫をすれば便秘を悪化させないで済むか、解説していきたいと思います。

 

■ストレスってなに?

 

ストレスといわれて、思い浮かべるものはなんでしょうか?仕事や人間関係のトラブルに悩んだ時の、つらくて不快な心理状態を思い浮かべる方が多いかもしれません。生理学的には、ストレスというのはもっと広い概念で、外部からの刺激などによって体の内部に生じる様々な反応のことを指します注1

 

そうしたストレス反応の原因には、温度、光、音などの物理的なもの、大気汚染や臭いなどの化学的なもの、アレルゲンや病原菌などの生物的なもの、仕事や対人関係のような社会・心理的なものがあります。平たくいうと、ストレス反応は、生体の恒常性(つまり、生命活動を維持すること)が脅かされたときや、脅かされたと認識したときに発生します注2。ストレスに直面すると、人体は脅威に対処するために、免疫反応や、内分泌系の反応、自律神経を通じた反応などを起こします。これらの反応の結果として、体や心(ひいては行動)に様々な変化が起きます。

 

職場で不快な出来事があれば、その出来事が終わってからも不愉快な気分が長く続いたり、長時間血圧が上がったままになります。そのうち、頭痛や肩こりを感じるかもしれません。喪失や別離などの出来事があれば、長い間活力を失い、後悔にかられ、うつ気味になったり、不眠になってしまうかもしれません。こうした身心の変化には様々なものがあり、便秘もそのうちの1つです(ストレスで便秘になる仕組みは後述)。

 

 

ストレスによる体の変化
不眠
頭痛
肩こり
腰痛
腹痛
吐き気・嘔吐
下痢・便秘
疲労・倦怠感
過覚醒
ストレスによる心の変化
不安
うつ
集中力低下
意欲低下
乖離

 

 

日常の一つ一つのストレスは、一過性なので、やがて反応も終わって心身は平常に戻ります。しかし、大きなストレスが長期間に渡って続発するような場合は、うつ病などの精神疾患や、便秘や下痢を繰り返す過敏性腸症候群、本態性高血圧症などの心身症になりやすくなるなど、健康に深刻な影響を及ぼすことになります。更に、慢性的なストレスにさらされると心血管疾患のリスクも上がりますし注3、がんの罹患率が上がったという報告もあります注4

 

 

■大腸が動く仕組みと、自律神経のはたらき

 

続いて、ストレスが便秘をなぜ悪化させるのかを知るために、大腸が動く仕組みと、自律神経のはたらきについて概観してみましょう。

 

(1)大腸が動く仕組み

 

便秘と深い関係がある大腸ですが、他の臓器と同様、自分の意志で動かすことはできません。食事から排便までの流れのなかで、食べ物を飲み込んでから、直腸で便意を感知するまでの長い時間、意思の力は全く及びません。どんなに知能が高い人でも、あるいは体力が充実している人でも、自分の意識で胃や腸を動かしたり、便意をゼロから引き起こし、自在に排便するということはできません。胃や腸は、意識の直接の支配が及ばない神経の働きによって動いているからです。

 

関連リンク:「便秘と便意

 

大腸が動く仕組みは、少し複雑です。まず、大腸は脳の指示(無意識下の指示も含め)がなくても動くことができます。内臓には、中枢神経からの指示なしでも動く仕組みを備えたものがあって、例えば、心臓は自ら動く能力があり、脳からの神経(自律神経・後述)は、心臓自身の動きを調節しているだけです。大腸も、脳からの指示なしに自ら動く仕組みを持っている臓器の一つです。

 

大腸には、腸管神経系とよばれる、脳と直接つながっていない神経が張り巡らされており、この神経系が、大腸の中を内容物が通過する際の刺激を感知して、中枢神経の指示なしで自ら蠕動運動(ぜんどううんどう・内容物を先に運ぶ運動)を引き起こしています。そのうえで、脳から背骨を通って大腸まで届いている神経(自律神経)が、腸管神経によって引き起こされる蠕動運動の活発さの度合いを調整しています。

 

(2)自律神経のはたらき

 

前項の説明の中で、何回か自律神経という用語が出てきました。自律神経とは、血圧や呼吸や発汗、大腸の場合は蠕動運動きなど、生命維持の様々なプロセスを調節するために体中に張り巡らされた神経です。意識的な努力をしなくとも、自動的(自律的)に機能するのが特徴です。自律神経には、交感神経と副交感神経という2種類の系統があり、それぞれの系統の強弱が、各臓器の働きかたに影響を及ぼしています。

 

★交感神経:ストレスの多い状況や、緊急事態に対応できるよう、体の状態を整えます(闘争・逃走反応)。交感神経が活発になると、血管は収縮し、血圧が上昇し、心拍も早くなります。一方で、腸の蠕動運動は、抑制されます。緊急事態には、消化吸収にエネルギーを使うことや、排便が促されるような事態はそぐわないのでしょう。

 

★副交感神経:日常的な状況下で、体内のプロセスを制御します。体をリラックスさせ、エネルギーを温存し、体力を回復させます。血管は拡張し、血圧は下がり、心拍はゆっくりになります。腸の動きは促進されます。リラックスしていると排便がうながされるのはこのためです。ただし、睡眠中は、副交感神経が優位であっても、大腸の強い蠕動運動は起こりません。

 

交感神経副交感神経
収縮血管拡張
上昇血圧下降
早い心拍ゆっくり
緊張筋肉弛緩
蠕動運動抑制蠕動運動促進
促進発汗抑制

 

 

ストレス源に直面すると、自律神経系のストレス反応として、交感神経がたかぶります。すると、大腸の蠕動運動が抑制されてしまい、内容物が肛門側にむけて運ばれにくくなるのです。

 

■ストレスと便秘の関係

 

以上から、ストレスで便秘になったり、悪化してしまったりする場合には、次の3つの可能性が考えられます。

 

(1)大腸遅延型便秘

 

ストレスに直面した時に、自律神経のうちの交感神経がたかぶり、大腸の蠕動運動が抑制されてしまうと、大腸通過遅延型の便秘になりやすくなってしまいます。これが、ストレスが便秘を引き起こす代表的なパターンの1つです。

 

大腸通過遅延型便秘というのは、大腸の蠕動運動が十分に起こらないことで、内容物が大腸を通過するのに要する時間が長くなり、引き起こされる便秘です。内容物の通過所要時間が長くなると、その影響は、排便のタイミングが遅くなるだけではありません。通過に時間がかかることにより、本来なら便に含まれるはずだった内容物中の水分が大腸から吸収されてしまい、便がカチカチになってしまい、ますます排出しにくくなってしまうのです。

 

関連リンク:「便秘の種類と原因

 

(2)排便リズムの乱れ

 

また、2つ目に、ストレスで交感神経が昂ることで睡眠の質が悪くなったりして、排便のリズムが狂うことも考えられます。ストレスにさらされると、睡眠の質が下がってしまいますが、睡眠不足は便秘を悪化させます注5。本来ヒトの体は、睡眠中に徐々に腸を動かして内容物を運んでおき、朝食後に起こる「大蠕動」という大きな大腸の動きで一気に肛門近くまで便を押しやることで、朝の排便を行うようなリズムになっています。睡眠不足は、このリズムを狂わせてしまう恐れがあります。

 

(3)心身症による便秘

 

また、3つ目に、心身症による便秘も考えられます。長期間ストレスにさらされることで引き起こされる心身症には、様々なものがありますが、そのうちの1つが過敏性腸症候群(IBS)です。自律神経の失調などで起こるとされ、発症すると、腸が刺激に対して過敏な状態が続きます。そして、ちょっとした緊張やストレスで、便秘や下痢を繰り返すようになります。過敏性腸症候群には、主な症状が便秘のものと下痢のものがあるため、便秘型・下痢型・混合型(便秘と下痢のどちらにもなる)・分類不能型に分類されています。少しのストレスで便秘になってしまう方は、この過敏性腸症候群の便秘型(痙攣性便秘ともいいます)なのかもしれません。

 

腸を整えると、自律神経も整う?
最近、「腸脳相関(ちょうのうそうかん)」という言葉が良く使われるようになっています。これは、腸と脳は互いに影響し合っているという考え方です。腸は、体の中でも神経細胞が多い臓器で、脳に次ぐ数の細胞数があると言われます。そして、腸から脳に信号を届ける神経の経路も多くあることから、腸の調子が、脳や自律神経にも影響を及ぼしている可能性が指摘されています。近年では、腸内環境の乱れが、うつ病や過敏性腸症候群の発症に関係があるのではないか、と考える研究者が増えています。心身の状態を良好に保つためには、ストレスと上手に付き合うことと同様に、腸内環境を守ることも大切なのかもしれません。

 

関連リンク:「腸内細菌と、健康・便秘

 

ストレスで、女性は便秘に、男性は下痢になりやすい理由
過敏性腸症候群の症状の出方には、性差があります。女性は便秘型が多く、男性には下痢型が多いのです。やはり女性ホルモンが関与しているようで、近年の日本発の報告によると、ラットの大腸内に痛みの刺激を与えたところ、その影響でオスは大腸の動きが活発になったものの、メスは性ホルモンの影響からオスと異なる神経伝達物質が放出され、大腸の動きが活発にならなかったそうです注6。ストレスによる便秘にも、性差があるというのは興味深いことです。

 

関連リンク:「女性の便秘・男性の便秘 ~年代による、その変化と対策~

 

■ストレスが多い方のための便秘対策

 

ストレスによる便秘を避けるためには、心をリラックスさせる時間を持つことや、睡眠時間をしっかりとること、規則正しい毎日を送って朝のトイレタイムを逃さないことが大切です。数ある便秘対策の中から、ストレスが多い方に特におススメのものを選んでみました。

 

睡眠が大切

 

★腹式呼吸や深呼吸を心がける

吸う時の2倍程度の時間を掛けて息を吐くことで、副交感神経の働きが高まることが多くの実証実験で分かっています注7。まずは5分でも続けて行い、実際にリラックスが得られることを実感してみましょう。リラックスが実感できたら、隙間時間や緊張状態のときにやってみたり、リラックスタイムの質を更に上げるためにどんどん活用してみてください。

 

関連リンク:「「腸活」について③ 食べる以外の腸活

 

★運動をする

特に、有酸素運動を行うことで、便秘を改善できることがわかっています注7。運動がストレスを発散し、副交感神経のはたらきを良くしてくれるので、睡眠の質の改善と、腸の動きの改善が期待できます。1回30分程度の有酸素運動(ジョギング、ウォーキング、ヨガなど)を週2回行うことを目指してみましょう。

 

詳しくは:「便秘と運動

 

★睡眠時間を確保する

睡眠不足は便秘を悪化させます注8。眠れるかどうかわからなくても、睡眠のための時間をしっかり確保することは必要です。

 

★朝起きてコップ1杯の水をのみ、朝食を抜かず、朝の便意は逃さない

この3つの文節は、それぞれ1つだけを行っても効果は期待できますが、3つでワンセットだと考えてください。私たちの体は、食事で胃に食べ物が入ると、その刺激が神経を通して伝わることで、数分以内に大腸(結腸)が動き出し、続いて強い蠕動運動=「大蠕動」が起こるように出来ています。これは胃結腸反射と呼ばれ、朝食後に一番強くおこります。コップ1杯の水と朝食で、大蠕動を引き起こし、大腸の内容物を直腸に送り込みます。直腸に便が入ると便意を感じますので、このチャンスを逃がさず、しっかり出してしまいましょう。

 

詳しくは:「便秘と便意」/「便秘によい飲み物

 

以上のうち、1つを選ぶのではなく、できるだけ沢山生活に取り入れることが大切です。毎日の自然なお通じを取り戻すために、ぜひ頑張ってみましょう!

 

◇    ◇    ◇    ◇

 

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注1:厚生労働省e-ヘルスネット「ストレス」(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-031.html)2022年9月3日参照。注2:Chrousos GP. Stress and disorders of the stress system. Nat Rev Endocrinol. 2009 Jul ; 5(7) : p374-81. 注3:Batty GD, et al. Psychological distress and risk of peripheral vascular disease, abdominal aortic aneurysm, and heart failure: pooling of sixteen cohort studies. Atherosclerosis. 2014 Oct ; 236(2) : p385-8.  注4:Song H, et al. Perceived stress level and risk of cancer incidence in a Japanese population: the Japan Public Health Center (JPHC)-based Prospective Study. Sci Rep. 2017 Oct 11 ; 7(1) : 12964. 注5:例えば、Yamamoto S, et al. Internet Survey of Japanese Patients With Chronic Constipation: Focus on Correlations Between Sleep Quality, Symptom Severity, and Quality of Life. J Neurogastroenterol Motil. 2021 Oct 30 ; 27(4) : p.602-611. 注6:Horii, K., et al., Sexually dimorphic response of colorectal motility to noxious stimuli in the colorectum in rats. J Physiol, 2020 : 599 :  p1421-1437.    注7:例えば、坂木 佳壽美, 腹式呼吸が自律神経機能に与える影響, 体力科学, 2001, 50 巻, 1 号, p. 105-118.  注8:日本消化器病学会関連研究会,慢性便秘の診断・治療研究会:慢性便秘症診療ガイドライン 2017.南江堂,2017 p.60 

 

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