月別アーカイブ: 2022年8月

  • 便秘と痔

    2022.08.15
    痔は、痛みや出血をともなうつらい疾患で、軽症のまま治ることも多い反面、放置して悪化すると手術が必要になることもあります。お尻のことなので人にも相談しにくい、困った問題です。ご存知の方も多いかもしれませんが、便秘はそんな痔と深い関係があります。便秘は、一部の痔の原因となるだけでなく、一度なってしまった痔全般の状態を悪くしてしまいます。今回は、痔に焦点をあててその全体像を概観し、その上で、「便秘の人が痔にならないように」「痔の人が便秘のために症状を悪化させないように」するための知識をまとめてみたいと思います。  

    ■痔について

      肛門が切れて血がでることを痔だと理解されている方も多いと思います。実際は痔というのは広い範囲を指す用語で、肛門部の病気の総称です。痔は主に3つの種類に分けられています。「痔核(じかく=いぼ痔)」・「裂肛(れっこう=切れ痔)」・「痔ろう」といい、それぞれでき方や症状、治療法などが異なります。  

    (1)いぼ痔について

      いぼ痔(痔核)は、肛門の中や外にいぼができるタイプの痔です。いぼ痔は、いぼが肛門の奥の粘膜の部分にできる「内痔核」と、外側にできる「外痔核」に分けられます。排便時のいきみや便秘、座りっぱなしなどによる肛門周辺の血行不良により、患部の毛細血管がうっ血して腫れることで起こります。症状は、出血、痛み、肛門からいぼが飛び出すこと、かゆみ、粘液の漏出などです。内痔核の場合は、知覚神経が通っていないところなので悪化するまで痛みを感じない一方、出血はしやすいです。外痔核の場合は、知覚が過敏な部位にできるので、痛みを強く感じます。   いぼ痔は、痔の中で最も多くみられるタイプで、肛門疾患のうちの約60%を占めます。性別による有病率の差はほぼ無いようです。年齢的には、45歳から65歳にかけてが一番多いという報告や、70歳までは増えていき、それ以降は減るという報告が見られます。また、重労働の人や、座る時間が長い職業の人に多く見られるとも言われています注1。   いぼ痔の治療は、まず便秘にならないように生活を改善したり、入浴などで血行を良くしたりすることで、つらい症状を抑えます。塗り薬や座薬、飲み薬の服用でも、症状を抑えることができます。いぼが相当大きくなってくると、手術などの外科的治療法をとることになります。  

    (2)切れ痔について

      切れ痔(裂肛)とは、肛門の出口付近の皮膚が裂けてしまうタイプの痔です。何度も繰り返し裂けることで、慢性的に炎症が起き、悪化すると、深い傷や、潰瘍・ポリープ等が見られるようになります。肛門の皮膚が切れる原因としては、慢性便秘による固い便の通過が最も多いですが、下痢が原因になることもあるようです。きれ痔がおこる肛門の皮膚は、知覚が過敏なので、排便時には強い痛みが伴い、「カミソリの刃」や「ガラス片」が通るような痛みと表現されることがあります。   切れ痔は、ここで取り上げている3種類の痔の中では有病者が2番目に多く、肛門疾患に占める割合は15%です。また、きれ痔の男女比は2:3で、女性に多い疾患です。年齢では20~30歳代に特に多く、高齢者ではあまり見られません注2。   切れ痔の治療では、便秘にならないように生活を改善したり、便秘薬を服用したりします。更に、入浴などで患部の清潔を保ちます。また、塗り薬や座薬、飲み薬の服用で炎症を抑えたり痛みを和らげたりします。軽い切れ痔は自然治癒が可能ですが、症状が重い場合は、手術などの外科的治療法をとることになります。  

    排便時の出血 排便時の出血には、痔が原因である場合と、腸の病気による出血の場合があります。痔による出血は、トイレットペーパーに血がつく程度から、排便後にポタポタと血がしたたる程度が多いですが、ひどい場合は便器の中が血で染まるほど出ることもあります。血は概ね鮮やかな赤い色をしていて(鮮血)、便に付着しても、主に表面に付着します。一方で腸の病気(大腸がん等)の場合は、暗赤色の血が便にまざることが多いですが、簡単・確実に見分けることはできません。痔の方が健康診断の便潜血検査で陽性だった場合、痔と腸の病気が併発していることは十分考えられるので、痔による出血で検査が陽性だったと決めつけずに、精密検査を受ける方が良いでしょう。

      関連リンク:「うんちと便秘」  

    (3)痔ろうについて

      痔ろう(痔瘻)とは、直腸と肛門の境目付近にある「肛門腺」に細菌が入って炎症をおこし、そこで発生した膿がお尻の肛門周辺の皮膚から出てくるようになってしまった状態を言います。普通の痔のイメージとは異なりますが、これも肛門部の病気という意味では、痔の一種です。肛門腺に細菌が入る原因は、下痢が続くことだと考えられています。このとき、侵入してきた菌をうまく撃退できないと、感染が成立して化膿するようになってしまうのです。痔ろうになると、患部の周囲が腫れて、痛むようになります。また、発熱(ひどいと38度以上)し、肛門付近の膿の出口から、膿がでてくるようになります。   痔ろうは、3つの痔の中では有病者数が少なく、肛門疾患全体に占める割合は10%程度です。男女別でいうと男性に多い疾患で、女性の2倍から6倍ちかく見られます。年齢は30~40歳代に多く発生します注3。   痔ろうは生活改善や市販薬では改善せず、基本的には切開して膿を排出する治療を行います。痔ろうの疑いがある場合は、早めにお医者様に診てもらうようにしましょう。    

    ■便秘と痔の関係

      これまで見てきたように、便秘は、いぼ痔・切れ痔と深い関係があります。まず、便秘は痔の原因になると考えられます。便秘による硬便を改善していけば、痔になる可能性は下がるでしょう。   ただし、いぼ痔の主要因が便秘だとまでは、とても言えません。専門家を含め、一般的に便秘はいぼ痔の原因の一つと考えられていますが、統計的には関係を肯定する報告と否定する報告の両方があるようです。そもそも、いぼ痔の有病率に男女差がなく、年齢的にも45歳から65歳に最も多く見られるというなら、便秘だけが原因でいぼ痔が起きるというのは無理があります注2。45歳から65歳あたりの年齢では、便秘の有訴者は圧倒的に女性の方が多いですし、また、男女とも高齢(80代など)になればなるほど便秘に悩む人は増えるのですが、それにも関わらずいぼ痔の人が少ない注3のはおかしいからです。   関連記事:「ニッポン人の便秘事情を俯瞰する」/「高齢者の便秘」/「女性の便秘・男性の便秘 ~年代による、その変化と対策~」   一方、切れ痔と便秘の関係は明白であり、便秘がきれ痔のきっかけになっているのは明らかです(ただし、便秘に悩む人が多い高齢者に切れ痔が少ないことから、便秘だけで切れ痔の発生を説明できるわけではありません)。若い女性や妊婦さん(肛門付近の血行が悪くなりがちで、便秘になることも多い)はきれ痔になりやすいので、特に便を柔らかくする工夫をした方が良いでしょう。   また、いぼ痔・切れ痔共に、なってしまった後も、便秘による硬い便や「いきみ」は症状を悪化させてしまう可能性があります。生活改善を心がけ、便秘を避けたほうが良いでしょう。また、生活改善をしても便秘がちな場合は、少なくとも痔の症状が落ち着くまでは、便秘薬を服用してみてはいかがでしょうか。  

    ■おしりに優しい排便を目指そう

      痔にならないために、また、なってしまった痔を悪化させないために、便がカチコチになることや、いきむことを避けなければなりません。この項では、おしりに優しい排便を目指すための方法をご紹介します。   ★食物繊維や腸に良い食べ物を食べることで、腸の働きをよくする   大腸は、腸内の善玉菌とよばれる体に良い腸内細菌たちのチカラを借りて動いています。私たちの食べ物の中には、善玉菌のエサになるものがあり、それらを沢山食べると、善玉菌たちは、そのエサから大腸のエネルギーになる短鎖脂肪酸という物質を作ってくれるのです。腸内で短鎖脂肪酸が増えると、大腸の動きが活発になり注6、便秘になりにくくなります。また、悪玉菌と呼ばれる体に悪い菌の数を減らしてくれます。善玉菌のエサになる食べ物には、食物繊維、発酵食品、良質なオイルなどがあります。   何から始めて良いかわからない場合は、まずは食物繊維豊富な野菜を沢山食べてみてはいかがでしょうか。食物繊維は、善玉菌のエサになるだけでなく、便のカサを増やしてくれる役割や、便を柔らかくする役割もあり、スムーズな排便の手助けになります。   関連リンク:「便秘によい食べ物」/「腸内細菌と、健康・便秘」/「野菜と便秘の話」   また、オリーブオイルをとることもお勧めです。オリーブオイルは健康に良い良質なオイルで、小腸で消化吸収されずに大腸まで届くことが特徴です。大腸の動きを活発にする働きがある注7ほか、便が大腸の中でなめらかに動く滑腸作用があると考えられています。便がつるんと出れば、痔への負担も少ないですね。   関連リンク:「便秘を改善する食材:オリーブオイル」   ★運動や、水分の摂取で腸の働きをサポート   運動は、腸に適度な刺激を与えてくれたり、体をリラックスさせてくれるので、便秘を改善する効果が期待できます。可能ならば、一回30分程度の有酸素運動(ランニング、ウォーキング、ヨガなど)を週2回程度やるようにしてはいかがでしょうか。また、ちゃんと水を飲んで、便が固くならないようにしましょう。水は沢山飲めばより便がやわらかくなるという訳ではないのですが、不足は便秘のもとです注8。   関連リンク:「便秘と運動」/「便秘によい飲み物」   ★そして、便意を逃がさない   自然な排便リズムや体の仕組みを活かすことで、便意を逃さず、不必要ないきみも減らすことができます。まず、朝起きた時にコップ1杯の水を飲むことで、眠っていた腸を起こしてあげましょう。また、朝食をとるようにしましょう。胃に入った食べ物が、大腸の働きを活発にして、朝食後の便意を引き起こしてくれます。便意がやってきたら、タイミングを逃さずトイレに行きましょう。そして、トイレが洋式だった場合は、ロダンの考える人の姿勢で排便すると、直腸と肛門の角度がまっすぐになり、いきまずに排便しやすくなります。   詳しくは:「便秘と便意」   もちろん、自然な排便リズムを活かすためには、規則正しい生活や睡眠も大切なのは、言を待ちません。   ★市販薬のチカラも借りてみる   便秘の程度は人それぞれで、ここで挙げたような生活改善では便通が改善しない場合があります。その場合、痔のリスクが高い方や、すでに痔の方は、市販の便秘薬のチカラを借りてみましょう。ただし、薬が効きすぎて下痢になってしまっては、これはこれで肛門に負担をかけることになってしまいます。市販の便秘薬を選ぶときは、服用量を調節しやすいものを選び、ちょうどよいやわらかさの便がでるように加減をしてみましょう。   関連リンク:「便秘薬をのむ時に大切なこと」  

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    (最終更新日:2022年12月18日)   注1.:日本大腸肛門病学会編, 肛門疾患(痔核・痔瘻・裂肛)・直腸脱診療ガイドライン2020年版改訂第2版,  南江堂, 2020; p.6, 68. 注2:前掲書p.68.   注3:前掲書p47, 68.   注4:山名 哲郎ほか,  痔核の疫学と成因 ,  日本大腸肛門病会誌, 2010; 63:p819―825.  注5:性年齢別の便秘有訴者数については、厚労省の国民生活基礎調査を参照のこと。関連記事「ニッポン人の便秘事情を俯瞰する」も参照ください。注6:Sakata T, et al., Influences of probiotic bacteria on organic acid production by pig caecal bacteria in vitro. Proc Nutr Soc. 2003 Feb ; 62(1) : p.73-80. 注7:Spiller RC,  et al, Decreased fluid tolerance, accelerated transit, and abnormal motility of the human colon induced by oleic acid. Gastroenterology. 1986 Jul;91(1):100-7. 注8:吉良いずみ 便秘ケアとしての水分摂取のエビデンスに関する統合的文献レビュー, 日本看護技術学会誌 2013;12(2):p33-42.   ひとこと 最後までお読みいただきありがとうございます。記事がお役に立ちましたら、SNSでもご共有いただけますと幸いです!   毒掃丸のお買い求めは全国のドラッグストア・通販サイトで。見つからない場合は「毒掃丸をください」と申し出てください。こちら(SHOPどくそうがん)でも販売しております→ショップどくそうがん | 便秘薬の毒掃丸 山崎帝國堂のネットショップ (dokusougan.jp)

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  • 便秘と高血圧症が、よくない組み合わせであるということは、ご存知ですか? 両方の疾患をもつことで、長期的には寿命を縮めたり、健康でいられる期間を短くしてしまったりする可能性があります。今回は、この便秘と高血圧症の関係について解説し、対策についてもご説明したいと思います。高血圧によるダメージがすでに蓄積されているご高齢の方にはもちろんですが、若い人も、ご自身の健康寿命を延ばすために、ぜひ知っておいてほしいと思います。  

    ■便秘と高血圧症は、よくない組み合わせ

     

    (1)便秘と高血圧の人は、それぞれかなり多い

      便秘とは、本来体外へ排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態をいいます。一方、高血圧とは血圧が高い状態のことで、これがずっと続く病気を高血圧症といいます。   便秘に悩む人の割合は、調べ方によって幅が大きいのですが、日本では、成人のおよそ2~3割が自分を便秘であると考えているという調査があります注1。高血圧の有病者は、2017年時点で成人人口の約4割である4300万人もいると推測されています注2。このスケール感から考えると、両方に悩んでいる人は相当いらっしゃるはずです。どちらも年をとるほどなる人が増えますから、ご高齢者になると、大半の方が両方抱えていらっしゃるのではないでしょうか。  

    (2)この組み合わせがなぜ良くないのか

      その便秘と高血圧症は、なぜ危険な組み合わせなのでしょうか?   便秘の人は、排便時に、強いいきみを何度もします。いきむ時には、息を止めながら腹圧を高めることにより、血圧は激しく乱高下して、その後しばらく高まるのです(この時の一連の体の変化をバルサルバ効果といいます)。この時、血管に強い負荷がかかり、長年の高血圧で血管がもろくなっている人は、脳卒中や心筋梗塞といった心血管疾患が発生してしまう危険があるのです。   いきみの時には、血圧は30~40(mmHg)程度は上がると言われています。もし血圧計をお持ちだったら、ぜひご自分でも計ってみてください。   心血管疾患のうち、どれだけが便秘を引き金にして起こっているのかはまだ不明ですが、便秘の人が心血管疾患で死亡する可能性が高いという報告注3などがあることから、便秘は心血管イベントを誘発していると考えられています注4。そのため、高血圧症の治療においても、便秘を予防するよう指導されたり、便秘薬が処方されたりすることがあります注5。  

    ■心血管疾患の危険さ

      心血管疾患は、死亡したり、要介護状態になるのを早めたりするなど、重大な結果を招く可能性があります。   高血圧状態が長く続くと、血管は次第に厚く、しかも硬くなり(動脈硬化)、弾力性が失われてもろくなります。そのうえで、何かのきっかけで血管が破れたり、血栓が詰まったりすると、脳出血や脳卒中、心筋梗塞などの心血管疾患が起こります。これらの疾患は死に直結することも多く、国内の18万人を対象にした研究では、高血圧による心血管疾患で、年間約10万人が死亡しているとされています注6。   また、心血管疾患は、命は落とさなくても、健康寿命の終わりをもたらす可能性があります。心血管疾患が原因で、これまで通りの日常生活が送れなくなり、介護が必要になる人が多くいます(高齢者でなくても、40代以降は脳血管疾患(脳卒中)で国の介護保険制度の介護認定が受けられます)。2019年の国民生活基礎調査によると、介護が必要になった原因の第二位(16.1%。一位は認知症で17.6%)が脳血管疾患でした。  

    ■便秘対策と、高血圧対策

      では、そんな重大な事態を予防するためにはどうすればよいのでしょうか。便秘と高血圧、それぞれの対処法と、日常生活の中での対策を簡単に見てみましょう。  

    (1)便秘対策

      便秘は、高血圧症のように危険な生活習慣病とは位置づけられていないこともあって、お医者にかからずに、下に挙げるような生活上の対策をとったり、市販薬の服用(便秘薬・整腸薬)で対処することがほとんどです。便秘対策になる生活改善は以下のとおりです。   ★食べ物による便秘改善 食物繊維は、便のカサを増やしたり、腸内環境を整えたりしてくれます。また、ヨーグルト、発酵食品、レジスタントスターチ、オリゴ糖、質のよいオイルなど、腸内環境を整えてくれる食べ物が多くありますので、積極的に摂るようにしましょう。   詳しくは:「便秘によい食べ物」/「便秘によい飲み物」   ★運動による便秘改善 運動の中でも、有酸素運動は、腸への刺激・運動後のリラックス効果・お腹周りの筋肉の維持増強などを通じて便秘を改善します。特に、ウォーキング、ランニング、ジョギング、ヨガなどの体のひねりがある有酸素運動がおすすめです。ご高齢の方は歩くだけでもよいので体を動かしてみましょう。   詳しくは:「便秘と運動」  関連リンク:「高齢者の便秘」   ★その他の生活改善 ・朝起きてコップ一杯の水をのむ・便意を逃さない・十分な量の水をのむ・ストレスを減らしてリラックス・お腹のマッサージなど、様々な便秘対策があります。   詳しくは:本ブログのカテゴリー「便秘解消」  

    (2)高血圧対策

      高血圧は、自覚症状がほとんどないので、まずは毎年の健康診断をちゃんと受け、判定が悪かったら素直に受診することが大切です。結果的に毎日お薬を服薬することになっても、寿命を延ばすことになると考えて、医師の指導を素直に受け入れたいものです。筆者も、近年は毎日降圧剤を服薬しています。   そのうえで、次のような生活習慣を改善しましょう。こうした生活習慣の改善は、服薬している人にも、していない人にも有効で、まだ正常血圧の人には高血圧の予防にもなります。複数の生活改善を組み合わせるとより効果的です。   ★生活改善: 減塩・肥満の予防や改善・節酒・運動をする・野菜や果物を食べる・禁煙・防寒・ストレスを減らす など注7   この中で、運動をすることと、野菜や果物を食べることとによる高血圧対策については、次項で少し詳しく取り上げたいと思います。高血圧全般や、減塩、その他の対策についてもっと詳しく知りたい方は、下記のページも合わせてご覧ください。   厚生労働省 e-ヘルスネット「高血圧」  

    (3)便秘対策にも、高血圧対策にもなるもの

      ご覧になられた通り、便秘に良い生活改善の中には、高血圧に効果的なものが2つあります。「運動をする」ことと、「野菜や果物を食べる」ことです。便秘と高血圧の両方に悩んでいる方は、これらに取り組むのはいかがでしょうか。   ★運動   高血圧には、早歩き、ジョギング、ランニングなどの有酸素持久性の運動を、ややつらい程度にするのが良いとされています。毎日30分または週180分(3時間)行うと良いそうです注7。便秘には、それより少ない運動量でも改善効果が現れますが、頑張って運動時間を確保してみましょう。   関連リンク:「便秘と運動」   *重度の高血圧で運動制限がある場合などは、医師の指導に従ってください。   ★野菜や果物の摂取   野菜や果物が便秘に良いのは、これらの食材が食物繊維を豊富に含むからです。食物繊維は、便のカサを増やしたり、腸内の善玉菌のエサになることで、腸内環境を改善したり、大腸の動きを良くしたりしてくれます。   一方、高血圧に野菜と果物を摂ることが推奨されている理由は、野菜や果物に多く含まれるカリウムが血圧を下げてくれるからです。カリウムは、血圧を上昇させる働きをもつナトリウムを排出してくれます。   野菜では、ブロッコリーほうれんそうは、カリウムも食物繊維も豊富です。果物では、アボガドバナナが、カリウム・食物繊維ともに豊富に含んでいます。こうした食材を積極的に摂るようにしましょう。   関連リンク:「野菜と便秘の話」/「便秘によい食材:バナナ」   *腎臓病でカリウム制限がある場合などは、医師の指導に従ってください。  

    ■安全な排便のための工夫

      最後に、便秘や高血圧と共存していく際の安全な排便のための工夫について解説します。   ここまで挙げてきた対策や通院・服薬をもってしても、便秘の解消や、適正血圧の維持につながらない場合もあります。その場合には、次のような方法で、いきむことを減らし、危険を避けることをお勧めします。  

    (1)いきまない工夫

      便意が来たらそれを逃がさないようにし、またトイレでは、極力いきまないようにしましょう。規則正しい生活を送り、毎朝コップ一杯の水を飲み、しっかり朝食をとるようにすると、朝のうちに便意を催す可能性が高まります。この便意を逃さずに、排便をすますことが大切です。トイレでは、前かがみの姿勢をとっていることが大切です。理想的な姿勢は、ロダンの「考える人」(写真)のような恰好です。この姿勢だと、直腸から肛門にかけての角度が一直線に近くなり、スムーズな排便が行われます。排便姿勢を改善させることで、便の量が有意に増加したという報告もありますので注8、次に便意がやってきたら、いきむ時に意識的に「考える人」を真似てみてください。     関連リンク:「便意と便秘」  

    (2)便秘薬も活用

      便秘薬の使用が、心血管疾患での死亡を減らしたというエビデンスはまだありませんが、便秘薬には便を柔らかくする効果があるので、服用によっていきむ回数を減らしたり、いきむ力を弱くすませたりすることが可能です。便秘薬でちょうどよいお通じが得られれば、いきみを減らすことにつながります。ちょうどよい便というのは、下の図の「正常な便の範囲」に入るような形状のもので、特に中央の理想的なバナナ状の便を目指すようにしてみましょう。   関連リンク:「うんちと便秘」   市販の便秘薬を活用する場合、調節しやすいお薬を選ぶことが大切です。効き目が弱すぎてカチカチのままであったり、効きすぎて下痢になったりしては体に負担がかかってしまいます。   関連リンク:「便秘薬をのむ時に大切なこと

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      便秘薬を飲むほどでもないという場合は、整腸薬で腸内環境を整えてあげるのもおすすめです。毒掃丸整腸薬は、乳酸菌と消化酵素と4種類の生薬を配合した、シナモンのような爽やかな香りがする、のみやすい整腸薬です。ぜひ一度お試しください。   関連リンク:毒掃丸整腸薬の製品案内毒掃丸整腸薬の無料サンプルお申し込みフォーム
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      注1:Tamura A, Tomita T, Oshima T, Toyoshima F, Yamasaki T, Okugawa T, et al. ,Prevalence and Self-recognition of Chronic Constipation: Results of an Internet Survey (nih.gov), J Neurogastroenterol Motil. 2016 ;  22 (4) : p.677-84.  注2:日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会 編「高血圧治療ガイドライン2019」、日本高血圧学会 2019; p.4. 注3:Honkura K, et al., Defecation frequency and cardiovascular disease mortality in Japan: The Ohsaki cohort study.  Atherosclerosis. 2016 Mar ; 246 : p.251-6. 注4:Ishiyama, Y, et al., Constipation-induced pressor effects as triggers for cardiovascular events. J Clin Hypertens.  2019 ;  21 : p.421– 425.  注5:日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会 編 前掲書p.70. 注6 : Ikeda, N, et al., Adult Mortality Attributable to Preventable Risk Factors for Non-Communicable Diseases and Injuries in Japan: A Comparative Risk Assessment, PLoS Med., 2012 ;  9. 注7:日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会 編 前掲書p.64-73. 注8, 槌野 正裕 ほか,  排便姿勢と直腸肛門角,排出量の関係  排便造影検査(Defecography)による研究,  理学療法学 2011 ;  Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会抄録集)   さいごに   最後までお読みいただきありがとうございます。記事がお役に立ちましたら、SNSでもご共有いただけますと幸いです!   毒掃丸のお買い求めは全国のドラッグストア・通販サイトで。見つからない場合は「毒掃丸をください」と申し出てください。こちら(SHOPどくそうがん)でも販売しております→ショップどくそうがん | 便秘薬の毒掃丸 山崎帝國堂のネットショップ (dokusougan.jp)

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