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  • 腸内の環境を整えてあげることは、健康維持や便秘の改善・解消のために大切です。前回の「腸内環境と便秘①」では、腸内フローラについて解説し、腸内環境を良くするために自分に合ったヨーグルトを摂ることをおススメしました。今回は、発酵食品やオリゴ糖、食物繊維、そして整腸薬を活用した、腸内環境改善方法についてお話したいと思います。  

    ■お薦めの腸内環境改善方法 後編

     

    発酵食品を摂る

      発酵食品とは、乳酸菌などの微生物によって、食材の持つたんぱく質や糖などが分解され、成分が変化することでできた食品のことです。微生物によって分解され成分が変化するという意味では、発酵も腐敗も同じメカニズムであり、発酵と腐敗の違いは、変化後のものを食べられるか否か、人間にとって有益か有害かです。発酵食品は、もちろん人間にとって有益で、風味豊かでおいしく食べられるだけでなく、積極的にとることで腸内環境を整えることができます。腸内環境を整えることで、便秘を改善したり、腸にあるバリアを維持して体を有害物質から守ったりすることが期待できます。   発酵食品が、腸内環境を改善してくれる理由は、2つあります。   1.発酵食品には、発酵を引き起こす菌類が多く含まれています。そうした菌は、食品によって種類や働きがちがうのですが、それらの中には、腸内の善玉菌そのものや、腸内の善玉菌の数を増やしてくれる働きをするものが多くあります(例:乳酸菌・納豆菌・酪酸菌等)。   2.多くの発酵食品には、オリゴ糖や食物繊維(いずれも後述)といった腸内の善玉菌のエサになったり、腸内の環境を整えてくれる栄養素が多く含まれています。   実は、発酵食品なら何でも同じくらい腸内環境の改善に良いというわけではなく、2つの理由が当てはまる発酵食品を摂ることが大切です。そんな、腸内環境の改善に特に良い発酵食品は、次の通りです(順不同)。   ★ 腸内環境改善に特に良い発酵食品  ヨーグルト・ぬか漬け・納豆・キムチ・味噌・醸造酢・酒粕・甘酒・チーズ   こうした食品を、積極的に摂るようにして、便秘になりにくい腸内環境をつくりましょう。。

     

    オリゴ糖を摂る

      オリゴ糖は、別の言い方では小糖類と言いますが、構造が少しだけ複雑な糖類を示す言葉であり、沢山の種類があります。なお、オリゴ糖より構造がより簡単な糖は単糖といって、小腸で吸収されエネルギーとして活用されたりします(例:ブドウ糖)。構造がより複雑な糖は、多糖類といって、消化酵素で分解されるものもありますが(例:デンプン)、分解できないものは食物繊維と呼ばれ、腸で吸収されずに便として排出されます(例:セルロース、リグニン)。   オリゴ糖にも、ヒトの消化酵素で分解できるものとできないものがあります。分解できるオリゴ糖(例:ショ糖)は、腸で栄養として吸収されます。そしてヒトの消化酵素では分解されないけれど(=腸の奥まで届く)、腸内細菌によって分解される「難消化性オリゴ糖」は、腸内の善玉菌のエサになります。善玉菌は、エサがあるとどんどん増えることができるので、善玉菌優位の腸内フローラができあがります。ふつう、便秘解消の話題で出てくるオリゴ糖は、この難消化性オリゴ糖を指しています。   そんなオリゴ糖を多く含む食材は、次の通りです(順不同)。   ★ オリゴ糖を多く含む食材  タマネギ・ニンニク・チコリ・アスパラガス・キャベツ・ハチミツ・ネギ・ゴボウ・オリゴ糖甘味料・豆乳・バナナ   こうした食品を、積極的に摂って、腸内の善玉菌が増える手助けをしてあげましょう。   関連リンク:ブログ記事「便秘を改善する食材:バナナ」  

    食物繊維を摂る

      食物繊維とは、ヒトの消化酵素で分解されず、大腸まで届く食品成分のことです。栄養として消化吸収されないにも関わらず、ヒトの健康な生活のためには不可欠な成分です。   今の日本人は、食生活の欧米化もあって、食物繊維の摂取量が不足しています。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では、女性18 g以上、男性21 g以上(ともに18~64歳の場合)を食物繊維の1日の摂取目標量として定めていますが、実際の摂取量は、だいたい15g程度で、全年齢・性別で目標を下回っています。食物繊維が不足すると、便通が悪くなります。また、十分摂取することで、心臓疾患、2型糖尿病、大腸癌にかかる可能性を減らせることが分かっています注1当社では、食物繊維を多く含んだ副菜をあと一品追加することをおススメしています。   食物繊維は、水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性食物繊維に分けられます。水溶性食物繊維は、便をやわらかくしてくれる上に、善玉菌のエサになり、結果として善玉菌を増やしてくれます。不溶性食物繊維は、便のカサをふやしてくれて、快便のときの「ドッサリ」感のもととなります。腸内フローラを改善してくれるのは水溶性食物繊維の方ですが、健康維持のためには水溶性・不溶性の両方をバランスよく摂るようにしてください。   そんな食物繊維を多く含む食材は、次の通りです(順不同)。   ★ 食物繊維を多く含む食材  水溶性食物繊維:海藻、果物、さといも、きのこ(なめこ・しいたけに多い)、オートミール 不溶性食物繊維:大豆、ゴボウ、穀類、野菜、きのこ(えのき・しめじに多い)   上記以外にも、あらゆる植物・穀物に含まれていますから、どれか一つに絞るよりも多くの種類を摂るように心がけてはいかがでしょうか。  
    食物繊維と発酵食品の一覧表
    腸内環境を改善する食品たち
      関連リンク:ブログ記事「便秘を改善する食材:オートミール」    

    実践のポイント

      体質や、お腹の丈夫さに合わせて、続けやすいものを選ぶのがよいでしょう。筆者は、体質的に、熱がこもり易くお腹が冷えにくいと自覚しているので、朝食時に、コップ一杯の冷たい豆乳(大豆オリゴ糖が豊富)をのみ、食後には、オリゴ糖豊富な若めのバナナと、水溶性食物繊維豊富なキウイにヨーグルトをかけ、更に発酵性食物繊維(ケロッグ社の「オールブラン」)をかけて食べています。筆者は朝は小食なのと、他の果物も食べる関係から、量は少な目で25~30g程度。腸内環境改善の目玉にするのなら、もっと多い方が良いでしょう。   カラダやお腹が冷えやすい方は、朝に一杯水分を摂るのなら、お白湯や暖かいココア(食物繊維が豊富です)にしてはどうでしょうか。少し手間がかかってしまいますが、食物繊維やオリゴ糖豊富な食材(なめこ、玉ねぎ等)を入れたお味噌汁と、大麦や玄米を混ぜたご飯なども良いと思います。もちろん納豆もあれば、完璧ですね!   オリゴ糖が豊富な豆乳 朝起きてのむ、コップ一杯の豆乳 実際に飲むと見た目以上に量があります。

    バナナヨーグルトに発酵フレークを載せたもの

    朝食後の、バナナ+キウイ+ヨーグルト+発酵性食物繊維。これは25g程度で少な目。

    整腸薬でサポートする

      最後に、整腸薬で腸内フローラを改善する方法もご紹介します。   整腸薬とは、善玉菌そのものや、食べ物の消化に必要な消化酵素の補充を行うことで、腸の調子を整える薬です。腸の本来の働きを取り戻す手助けをすることで、便秘や下痢を改善します。整腸薬は、腸内環境の改善を心がけているけれど、それでも便秘になり困っている方におススメです。毒掃丸整腸薬は、乳酸菌と消化酵素と4種類の生薬を配合した、シナモンのような爽やかな香りがする、のみやすい整腸薬です。ぜひ一度お試しください。
    毒掃丸整腸薬
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    ■便秘対策には運動などの腸活も行い、それでも困ったときには便秘薬

      以上のように、腸内環境を改善する食べ物は沢山あり、それらを摂ることは便通の改善につながります。しかし、必ず便秘が改善するとは限りません。別のページで様々な「腸活」をご紹介していますので、それらを参考にしていただきたいと思います。   関連リンク:「「腸活」について①」   また、それでも出ない時には便秘薬・毒掃丸を活用してみてください。複方毒掃丸は、6種類の生薬が自然に近いお通じを促す便秘薬です。小さな丸剤なのでのむ量を調節しやすく、ちょうどよいお通じを目指せます。便秘薬は、正しい方法で使いこなしていただけば、便秘のセルフケアの頼もしい切り札となります。
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    複方毒掃丸
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      前編目次(クリックで記事に飛びます) 「腸内環境と便秘 ① 腸内フローラ/ヨーグルト■腸内フローラとは ■おススメの腸内環境改善方法 前編 自分に合ったヨーグルトを食べる   (最終更新日:2022年4月26日)   注1.Andrew Reynolds  et al, Carbohydrate quality and human health: a series of systematic reviews and meta-analyses , The Lancet, 2019; 393 (10170),  434-445     写真説明: 腸内フローラは、お花畑にたとえられることも多いです。前回同様、花満開の写真に、タイトル文字を載せてみました。     ひとこと 最後までお読みいただきありがとうございます。記事がお役に立ちましたら、SNSでもご共有いただけますと幸いです! 毒掃丸のお買い求めは全国のドラッグストア・通販サイトで。見つからない場合は「毒掃丸をください」と申し出てください。こちら(SHOPどくそうがん)でも販売しております→ショップどくそうがん | 便秘薬の毒掃丸 山崎帝國堂のネットショップ (dokusougan.jp)

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  • 腸内の環境を整えてあげることは、健康増進大切です。2回シリーズで、腸内環境を良くして便秘を改善するための方法についてまとめてみました。今回は、まず腸内環境の話題に良く出てくる「腸内フローラ」とは何かを概観し、その後で、ヨーグルトの摂取が腸内フローラを改善し便秘を改善することをご説明します。その中で、自分に合ったヨーグルト選びについても触れたいと思います。ぜひご一読のうえ、みなさまの腸活にヨーグルトをぜひご摂り入れて頂きたいと思います。そして、次回は発酵食品やオリゴ糖、食物繊維、整腸薬の活用について記していきます。ぜひ合わせてご覧ください。  

    ■腸内フローラとは

      私たちの腸の中には、約100兆個もの細菌(腸内細菌)がいて、その状態(腸内環境)は、健康と密接に関係しています。これらの腸に棲みついている細菌群全体は、腸内フローラと呼ばれています。フローラとは植物相を指す言葉ですが、ローマ神話の花と豊穣と春の女神と同じ名前なので、華やいだ好印象を抱かせます。   ちなみに、初期ルネサンス期のイタリア人画家 ボッティチェリの代表作の1つ『プリマヴェーラ』(図1)に描かれた、右から3人目の花柄の服を着た女性がフローラです。 プリマヴェーラの「フローラ」 図1.『プリマヴェーラ』のフローラ(右から3人目)   腸内フローラの中で暮らす腸内細菌は、体に良い働きをする善玉菌、悪い影響をもたらす悪玉菌、どちらにも属さない日和見菌に分類できます(図2)。腸の中で善玉菌が優勢ならば、良い腸内環境と言え、悪玉菌が優勢になると、腸内環境は悪化し、便秘を引き起こしたり、有害物質が多く発生してしまったりします。(悪玉菌の体への影響は、便秘とデトックスについての記事でも説明しています) つまり、「腸内フローラを改善する」とか「腸内環境を整える」とは、善玉菌が優勢な腸内環境を作ってあげることなのです。善玉菌は、大腸のエネルギーになる物質を作ったり、悪玉菌の増殖を抑えたりして、私たちの健康の維持に貢献してくれます。また、良好な腸内フローラを維持できている人は、便やおならが臭くなりにくいというメリットもあります。   関連記事:「うんちと便秘」/「おならの原因と対策」   表:腸内細菌の分類 図2. 腸内細菌の一般的な分類 当社作成  

    肥満と腸内細菌の関係 腸内環境を整えるメリットは数多くあると考えられています。例えば、近年では、腸内フローラと肥満の関係についての研究が注目を集めています。肥満の人とそうでない人を比較すると、腸内細菌の構成が異なることがわかってきたのです注1。肥満の人の腸には特定の細菌の割合が少なく、こうした違いが食事からら取り込むエネルギー量に個人差をもたらし、肥満の原因の1つになっていると考えられるようになっています。まだ研究者の間での議論が続いており、具体的な肥満症の治療法やダイエット法は見出されていませんが、今後の研究の進捗が待たれるところです注2

      腸内環境は、主に年齢や食生活によって変化します。   乳児の腸内細菌は、母乳に含まれる乳糖やオリゴ糖をエサにする善玉菌が大半を占めています(赤ちゃんのうんちが臭くないのは、悪玉菌がいないからでもあります)。そして、固形食を食べるようになって以降、食べ物が多様になったのに比例するかのように、図2に示したような複雑な腸内フローラが形成されていきます。そして善玉菌は、残念ながら加齢により減少してしまいます。ビフィズス菌などを含むアクチノバクテリア門の細菌は、60歳くらいから大きく減少し、100歳を超える被験者たちからはほとんど検出されないという研究結果が出ています注3年を重ねるにつれ、腸内環境の改善を、より意識したほうが良さそうです。   腸内フローラの状態が良くなるか悪くなるかには、食生活が大きく関わってきます。腸内細菌は、種類によって食べる(=代謝する)ものが異なるので、肉をたくさん食べれば、タンパク質を好む悪玉菌の数が増え、善玉菌が好む食物繊維などの食べ物をたくさん食べれば、善玉菌が増えます。また、後述するように、善玉菌自体を食べることによって、腸内環境を良くすることが可能です。そのため、食文化が異なる国を比較してみると、腸内フローラの組成が異なっているそうです注4食べるものを工夫することは、手軽に腸内環境を改善する方法であり、腸活の王道です。   なお、腸内環境を維持していくにあたっては、抗生物質の濫用は避けたほうがよいでしょう。抗生物質は、病原菌を退治してくれるありがたい薬ですが、腸内の有用な細菌まで殺してしまい、腸内フローラのバランスを崩してしまいます。ウイルス性の風邪などでは抗生物質の服用は不要ですから、医師とよく相談して指示されたとおりの服用にとどめ、腸内環境を守りましょう。   ところで、抗生物質により腸内細菌が減ってしまうと、薬を服用した際の効き目にも影響を及ぼすことがあります。例えば、当社の便秘薬・毒掃丸は、有効成分の中に、腸内細菌によって分解されたあとに薬効を発揮するもの(ダイオウ)を含んでいますから、腸内細菌が少なくなっていると、効果が弱まってしまうかもしれません。   ————————————————————————-   では、おススメの腸内環境改善方法4つを、今回(その1)と次回(その2~4)に分けてご紹介します。  

    ■おススメの腸内環境改善方法 前編

    自分に合ったヨーグルトを食べる

      腸内環境を良くするために、自分に合ったヨーグルトを見つけて毎日食べてみましょう。ヨーグルトとは、牛などの乳に乳酸菌や酵母で発酵させた食品で、古くから健康によいことが知られています。ヨーグルトには、タンパク質や脂質の他に、乳酸菌・ビフィズス菌といった善玉菌を多く含んでおり、摂取することが便秘改善に有効であることを示す様々な研究成果があります。しかしながら、どの菌をどのくらい摂取すれば便通が改善するのかについては、まだエビデンスが十分にありません注5。   お店で売られているヨーグルトには、実に様々な種類があります。それぞれのヨーグルトに含まれている乳酸菌・ビフィズス菌は、メーカーやブランドごとに色々な菌種のものがあり、異なる菌種では、代謝過程や、産出する乳酸のタイプ(異性体)や、産出する乳酸以外の生成物が異なります。ヒトの腸内にいる細菌の種類と割合は、人によって大きく異なるので、ヨーグルトの菌種によって相性の良し悪しがあり、人によって合う製品とあわない製品があるようです。   様々な種類のヨーグルトのイラスト   ◆自分に合ったヨーグルトの見つけ方 そこで当社では、自分にあったヨーグルトを見つけるために、同じ銘柄のヨーグルトを1~2週間食べ続けてみることをおススメしています。摂取量は、できれば1日100~200g程度。そして、おなかがグルグルと動くような状態になるものが、自分に合うヨーグルトと考えられます。お腹の調子が良くない場合や、効き目を感じない場合は、今とは違うタイプの菌が使われているヨーグルトに代えてみましょう。  

    トクホと機能性表示食品 特定保健用食品(トクホ)とは、健康増進に良い影響があり安全であることを、消費者庁が個別に審査して認めた食品です。令和3年11月末時点で、「はっ酵乳」(ヨーグルト)では47品目が認められていて、ほとんどが腸内環境の改善をうたっています。機能性表示食品とは、同様の根拠を消費者庁に届け出た食品です。成分名に「菌」を含む加工食品(多くがヨーグルト)では199件届け出されていて(2022年1月27日時点)、腸内環境改善の他にも幅広い機能をうたっています。一般的に、食品→機能性表示食品→トクホの順に発売の難易度は上がり、保健機能への信頼度は高くなります。但し、とちらも医薬品のような病気の治療や予防の機能はないこと、無冠のヨーグルトに体への良い影響がないとはいえないことを理解の上、お財布とも相談して商品を選びましょう(続けることにも、意義があります)!

      自分に合ったヨーグルトに出会えたら、毎日食べ続けてみてください。食べる時間は、腸の活動が高まる夜がよいと言われていますが、時間ごとに効果を比較した研究は見当たりませんでした。無理せずきちんと続けられる時間に食べましょう(筆者は、毎朝+時々寝る前に摂っています)。朝に食べる場合には、栄養豊富で便秘改善にも良いバナナをカットしてヨーグルトの中に入れ、バナナヨーグルトにして食べることもおすすめです。朝食を用意する時間がないような忙しい朝でも、バナナヨーグルトならさっと作れるうえに、ヨーグルトだけを食べるよりもボリュームがあり、胃結腸反射(いけっちょうはんしゃ)という朝のお通じを促す体の機構を起動させることができます。   関連記事:ブログ記事「便秘を改善する食材:バナナ」/「便意と便意」   なお、ヨーグルトを食べ続けた場合に体重が減りやすいという嬉しい研究結果が多くあります注6毎日のヨーグルト摂取で、ダイエットと腸内環境の改善の両方を目指してみましょう。(ダイエットをされる場合、ダイエットと便秘についての記事もご参照ください)   ヨーグルトの市場は、便秘に関連する産業の中でも最大規模で、かつ最も急速に伸びています。ヨーグルト+乳酸菌飲料の市場は、2010年から2020年までの間に1.5倍に拡大したそうです(TPC調べ:日本経済新聞電子版2020年10月12日参照)。しかもその規模は、直近で7000億円近いとのこと。当社を含む便秘薬の市場はわずか約200億円弱で、長年横這いか微増ですから、違いに驚きます。   便秘の原因は様々であり、腸内環境を改善するだけで便秘しらずのお腹になれるとは限りません。ヨーグルトを食べるだけで万人の便秘の悩みをなくすことは難しいでしょう(実際、ヨーグルトの市場拡大にも関わらず、厚生労働省の調査では便秘有訴者数自体は長年ほぼ横ばいです)。とはいえ、前述の通り、善玉菌の摂取で便通が改善する人がいることははっきりしていますし、便秘以外にも、免疫力UPなど多くの効果が期待されています。ぜひ積極的に食べてみてはいかがでしょうか。   ヨーグルトを毎日食べても効果がなく、便秘が改善しない場合は、ヨーグルトをやめてしまうのではなく、違う製品を試してみたり、他の便秘解消法と組み合わせるようにしてください。(その際は、便秘のセルフケアについての記事や、腸活の記事群便秘薬をのむ時に気を付けてほしいことの記事もご一読頂けると幸いです)。また、生活改善だけではスッキリしない方は、市販の便秘薬の力を借りることも考えてみましょう。その場合も、漫然と強すぎる薬を使い続けるのではなく、服用量を上手に調節して自然なお通じがでるようにすると、腸に負担が少なくなります。   関連リンク:複方毒掃丸ブランドサイトおすすめの服用方法複方毒掃丸の無料サンプルお申込みフォーム 複方毒掃丸は、6種類の生薬が自然に近いお通じを促す便秘薬です。小さな丸剤なのでのむ量を調節しやすく、ちょうどよいお通じを目指せます。ブログ記事:「生薬の便秘薬と、漢方の便秘薬複方毒掃丸  

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    腸内環境と便秘 ② 発酵食品やオリゴ糖、食物繊維、整腸薬の活用

    ■お薦めの腸内環境改善方法 後編 発酵食品を摂る オリゴ糖を摂る 食物繊維を摂る 実践のポイント 整腸薬でサポートする ■便秘対策には運動などの腸活も行い、それでも困ったときには便秘薬   (最終更新日:2022年5月22日)   注1:Turnbaugh, P.J et al, Microbial ecology: human gut microbes associated with obesity,  Nature.  2006;  444  : 1027-1031 注2:参考文献:入江 潤一郎ほか,  腸内細菌叢と肥満症,   日内会誌  2015;  104 : 703-709 注3: K. Kato et al.  Age-related changes in the composition of gut Bifidobacterium species,  Current Microbiology 2017; 74(8): 987-995 注4:例えば、Suguru Nishijima et al., The gut microbiome of healthy Japanese and its microbial and functional uniqueness, DNA Research, 2016; 23,(2): 125–133  注5:日本消化器病学会関連研究会,慢性便秘の診断・治療研究会:慢性便秘症診療ガイドライン 2017.南江堂,2017 p.62-63 注6: 例えば、Jessica D Smith et al. , Changes in intake of protein foods, carbohydrate amount and quality, and long-term weight change: results from 3 prospective cohorts, Am J Clin Nutr 2015;101:1216-1224 .  アメリカでの、12万人を対象にした大規模調査。     写真説明:腸内フローラは、お花畑にたとえられることも多いです。今年の春の、花満開の写真にタイトル文字をのせてみました。   ひとこと 最後までお読みいただきありがとうございます。記事がお役に立ちましたら、SNSでもご共有いただけますと幸いです! 毒掃丸のお買い求めは全国のドラッグストア・通販サイトで。見つからない場合は「毒掃丸をください」と申し出てください。こちら(SHOPどくそうがん)でも販売しております→ショップどくそうがん | 便秘薬の毒掃丸 山崎帝國堂のネットショップ (dokusougan.jp)

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  • 体重を減らし、体形を今よりスリムにしたいと考えてダイエットに励む人は多いようです。大手エステサロンチェーンM社の調査では、20~34歳の女性の90%が今の自分の体形に満足していないと答えたそうです。また、私たちは、自分を太り気味だと自己評価する傾向があるようで、厚生労働省が2014年に行った「健康意識に関する調査」では、国民全体の傾向として標準体型の人の多くが自分を太っていると認知していることがうかがえます(下図)。   表:体型についての自己認識 厚生労働省「健康意識に関する調査」2014年 を参考に当社作成   人は、よりよい人生を手に入れるために、よりよい自分を目指し続けるのであり、だとするとダイエットをしようとする気持ち自体はまったく正常で、お互いに応援すべきものだと思います。ただ、方法を誤ったり、過剰なダイエットをしてしまうと、健康を害すのもまた事実です。やり方次第では、ときに不快な便秘も引き起こしてしまいます。   では、どんなダイエットをすると便秘になってしまうのでしょうか。また便秘になりにくいダイエットとはどんなものなのでしょうか。そして、便秘薬の服用や、便秘の解消で体重は落ちるのでしょうか。今回は、よりよい自分を目指す皆さんに、少しでも参考にしていただくために、こうした観点からダイエットと便秘についてまとめてみました。  

    ■ダイエットが便秘の原因になる場合

      ダイエット中には、食生活を大きく変える人が多いと思いますが、バランスの取れた食事を心がけ、適度な運動と組み合わせることが結局は近道です。次のような場合には、便秘を誘発してしまうことがあるので注意しましょう。  

    ・朝食を抜かす

      排便の仕組みとして、胃・結腸反射というものがあります。結腸(大腸のこと)にある消化後の食べ物は、胃に食べ物が入った時の刺激で反射的に引き起こされる蠕動(ぜんどう)運動で一気に肛門の近くまで運ばれます。この反射は朝食後によく起こることが知られています。ダイエットで朝食を抜くと、胃・結腸反射が起こるチャンスを逸してしまうので、便秘をしやすくなってしまいます。実際に、便秘がちの大学生は、便秘でない大学生よりも朝食を抜かしている率が1.5~2.5倍高かったという研究結果があるそうです注1。  

    ・食事量を減らしすぎる

      食事に含まれる食物繊維や水分が減ってしまうと、便秘が引き起こされます。   野菜などに多く含まれる食物繊維は、人間の消化液では消化されないため多くが便の材料になります。また保水性が高いため、水を吸って膨らみ、便のカサを増します。ダイエットで食事量を減らすときも、食物繊維が不足しないよう気をつけましょう。   また、食事量の減少は、水分の減少にもつながります。ヒトは、1日に摂取する水の量2.5Lのうち、1Lを食べ物から摂っています(厚労省のこのポスターの図がわかりやすいです)。更に、便の重さの7~8割は水分です。そのため、食事量を減らすと便の水分が減り、便のカサが減ってしまいます。すると、便意が正しく起こらないことなどにより、排便回数減少型大腸通過正常型の便秘になってしまうことがあります。実際に、ダイエット経験がある女性には便秘が有意に多く、また1日あたりの水分摂取が1.5Lを超える男性に快便が有意に多いという研究結果があります注2。ファスティングという、断食を柱にした健康法を始めると、便秘をする人がいるといいますが、当然かと思います。   関連リンク:便と水分に関しては「うんちと便秘」  

    ・ストレスがたまり便秘に

      これはダイエット行動に限ったことではありませんが、一般にストレスがたまると、自律神経の働きが乱れ、便秘になることがあります。食事量を減らすだけでなく、ストレスを発散できる身体活動を交えるなど、ダイエットプランを一工夫してみてはいかがでしょうか。  

     (番外編)メディカルダイエットの副作用

      少々特殊な例ですが、GLP-1受容体作動薬という糖尿病治療薬を、「メディカルダイエット」と称して保険外で処方するクリニックが多くあります。その是非についてはここでは論じませんが(日本糖尿病学会の見解はこちら)、この薬は、腸の蠕動運動を抑える働きもあるので、副作用として便秘を誘発します。また、GLP-1は満腹感を持続させることで食事の摂取量を減らしますので、食べ物の量が減り、便秘になりやすくなります。   食べ物の誘惑にかられるダイエット中の女性  

    ■腸活は、健康を増進するダイエット術

      腸活という言葉は皆さんもよくご存知だと思います。腸活とは便秘にならないことや、腸内環境をよくするよことを目的にした活動全般のことです。腸活に含まれている活動の多くは、正しく行えば健康そのものを増進します。(腸活全般については本ブログ『「腸活」について①』を参照ください)   実は、腸活として行うアクティビティには、前の項で挙げた便秘の原因になるダイエットの真逆を行くものがいくつも含まれています。腸活の中にはダイエットの役に立つ考え方が多く含まれているのです。有名医師の中には、腸活ダイエットを提唱する方もいらっしゃいます。   ここでは、皆さんがダイエットプランを立てるときに参考になるような腸活の技術について、いくつかご紹介したいと思います。  

    ・朝食は抜かず、食物繊維や水分をしっかりとる

      忙しい毎日の中で、ダイエットまでしていると、つい朝食を抜きたくなってしまうかもしれません。でも頑張って朝食は抜かないようにしましょう。空になっている胃袋に食べ物が入ると、それが刺激となって腸が動き、お通じを促してくれます。朝起きたときにコップ1杯の水を飲むのもおススメです。胃・結腸反射による蠕動運動が起こることで、大腸の内容物が一気におしりの近くまで運ばれて行きます。また、食物繊維や水分はしっかり摂り、便のかさを確保しましょう。腸内の善玉菌を増やしてくれるヨーグルト、善玉菌のエサになるオリゴ糖や食物繊維が豊富なバナナ、水溶性食物繊維豊富なオートミールなどは、簡単に摂れる腸活食材です。まずはダイエットで便秘になることを避けるようにしましょう。(食べ物による腸活については、本ブログ『「腸活」について② 腸に良い食生活 実践レシピ付き』をご参照ください)   特にヨーグルトについては、毎日食べ続けた時に、他のタンパク質源と比較して体重が減少するという海外の大規模調査の結果がありますので注3、ダイエットに組み込む上では一石二鳥といえるでしょう。   関連リンク:「便秘を改善する食材:バナナ」/「便秘を改善する食材:オートミール」    

    ・有酸素運動をし、腹筋や骨盤まわりの筋肉を鍛える

      有酸素運動は、腸の動きを活発にしてくれます。同時に、ある程度持続した有酸素運動は脂肪を燃焼させることで体重を落とすことにもつながります。個別の種目でいうと、例えばウォーキングやジョギングは、便秘改善に効果があることがわかっていますが、これらは、同時に全身を使った有酸素運動として消費カロリーが高い身体活動でもあります。言うまでもなく、ダイエットの基本は、消費カロリーが摂取カロリーを上回ること。もしこれまで運動をしてこなかった人が、30分以上のウォーキングを週2回続けることができたなら、確実に体重が減少します。運動によるダイエットは、継続することが難しいので、モチベーションを高めることがカギです。もしあなたが便秘がちだったり腸の健康に興味があるようでしたら、運動は腸活にもなると考えて、頑張ってみてはいかがでしょうか。   また、体幹をひねる動き、腹部に圧をかける動きといった、腹筋や骨盤まわりの筋肉を鍛える運動は、(1)腸に刺激をあたえ、(2)排便に必要な筋肉を鍛えるため、便秘によい身体活動です。同時に、これらの運動は姿勢を整え、ぽっこりお腹を改善することに貢献します。(全くの蛇足でありますが、筆者の経験では、年単位でジョギングを続けていると、それだけで反り腰が改善し、お腹が引っ込みます。運動と便秘の関係全般については、本ブログ『便秘と運動』をご参照ください)   関連リンク:「ぽっこりお腹と便秘」    

     (番外編)肥満の人は、ある腸内細菌が少ない

      最近の海外の研究で、肥満の人とそうでない人を比較すると、腸内細菌の構成(腸内フローラ)が異なることがわかってきました注4。肥満の人ではそうでない人と比較してバクテロイデス門という細菌のグループの相対的な割合が少ないというのです。こうした腸内フローラの違いが食事からら取り込むエネルギー量に個人差をもたらし、肥満の原因の1つになっていると考えられるようになっています。腸内フローラと肥満の関係は近年注目があつまっていますが、まだ研究者の間でも細部まで意見が一致しているわけではなく、具体的な肥満症の治療法やダイエット法も、見出されていません。今後の研究の進捗が待たれるところです注5。   今私たちにできることは、腸内細菌の多様性を自ら崩してしまわないように、偏食しないように心がけることではないでしょうか。  

    ■便秘薬で痩せることはあるか

      便秘薬で痩せることを期待する方がいらっしゃるようです。ですが、もし便秘薬で体重が減ったとしたら、それは単に便秘が解消して便の分の体重が減ったか、副作用で下痢になって体の水分が失われたとからでしょう。まず、便秘解消による体重減少は、次の項で述べるように微々たるものですから、決してダイエット目的で便秘薬を飲まないようにしてください。また、副作用の下痢は、要は薬の効きすぎです。これも、便が排出できたこと以外に良い点はひとつもなく、痛みを伴ったり、続けると薬の効きが悪くなってきたりしてしまいます。そのうえ、下痢の後は体が水分を欲し、脱水で減った体重はすぐに元に戻るでしょう。   基本的に、便秘薬は小腸で水分を増やしたり、大腸を動かしたり、便のカサを増やしたりする成分でできています。これらの成分は、食べ物の消化や吸収には影響を与えませんし、一日の消費カロリーを増やす効果もありません。食欲を抑制することもできません。こうした成分だけから成る便秘薬を飲むだけでは、痩せることができません注6。  

    ■便秘解消は、ダイエットになるのか?

      では、便秘を解消すること自体がダイエットになるかどうかも考えてみましょう。実は答えは簡単で、溜まっている便を出すことは体重減少につながりますが、大抵の場合、何キロといった単位にはならず、便自体の重さである数百グラムの減少でしょう。食事量やその日のむくみの状態にもよりますが、例えば、便秘解消だけで普段より1キロ減るようなことはほとんどないはずです(一週間出なくても、恐らく1キロ以下です)注7。   一日の便量は多い時で200g程度ですが、便の60~70%は水分で、腸内に長時間滞留すると水分は大腸に吸収されて体内で再利用されます注8そのため、軽度の便秘なら、たまった便で増えている体重は、あまり多くないのです。また、宿便についての記事に詳しく書いてありますが、腸内に誰でも何キロものドロドロの宿便がこびりついているというのも誤った情報です。   ですので、便秘は体重を軽くするために改善するのではなく、便秘自体で心身に負担をかけないために、またこれ以上便秘をひどくさせないために、改善するべきものです。腸活を長く続けることや、便秘薬を正しく使うことで、便秘自体をあせらず改善し、体内に便が滞留しすぎないようにするという考え方が大切です。溜まっている便を無理やり出しても、しっかり痩せるまでの間にまた便秘でたまってしまっては意味がありません。   関連リンク:「宿便の話」/「うんちと便秘」   したがって、私たちは便秘薬メーカーではありますが、ダイエットのために便秘薬を長く服用することはおすすめしません。便秘薬は、腸活の技術を取り入れてもなお便秘がちな場合や、まちがったダイエットでつらい便秘になってしまったときに、レスキュー用として適宜活用するのが正解です。(便秘薬の使い方については、本ブログ『便秘薬をのむ時に大切なこと』もお読みください。)   なお、一部本記事の内容と重なりますが、便秘解消の方法については、下記を参考にしてください。   ◎腸内環境を改善する  ・自分に合ったヨーグルトを見つけて毎日食べる(詳しくは「腸内環境と便秘 ①」)  ・発酵食品を摂る(詳しくは「腸内環境と便秘 ②」)  ・オリゴ糖を摂る同上 ・食物繊維を摂る同上 ・市販の整腸薬を活用する同上)   →腸内環境の記事一覧腸活の記事一覧   ◎便秘を改善するポイント  ・腸内環境を改善する  ・朝食を食べる  ・リラックスして自律神経を整える  ・運動をする(詳しくは「便秘と運動」)  ・お腹のマッサージをする  ・市販の整腸薬や便秘薬を活用する   生活改善で便秘が解消できない時は、便秘薬・毒掃丸の使用も検討してみてください。複方毒掃丸は、6種類の生薬が自然に近いお通じを促す便秘薬です。小さな丸剤なのでのむ量を調節しやすく、ちょうどよいお通じを目指せます。  
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    複方毒掃丸の生薬(成分・分量・働き・薬効部位)
      関連リンク:複方毒掃丸ブランドサイトおすすめの服用方法複方毒掃丸の無料サンプルお申込みフォーム
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      みなさまが、便秘にならずにダイエット計画を完遂できることを、心からお祈りしております。 (最終更新日:2022年6月4日)   注1:日本消化器病学会関連研究会,慢性便秘の診断・治療研究会:慢性便秘症診療ガイドライン 2017.南江堂,2017 p.11参考。 同書が引用の原著(福田ひとみほか,大学生の食事状況・食行動と便秘状況,平成17年度帝塚山学院大学人間文化学部研究年報 2005;7:91~97)を筆者はまだ確認できていない。注2:山田五郎ほか,大学生における慢性機能性便秘発現に及ぼす性および生活習慣との関連ー横断的研究ー,栄養学雑誌 2009;  67  p. 157-167 注3: プレーンまたは人工甘味料添加のヨーグルトの場合。Jessica D Smith et al. , Changes in intake of protein foods, carbohydrate amount and quality, and long-term weight change: results from 3 prospective cohorts, Am J Clin Nutr 2015 ; 101 : p1216-1224    注4:Turnbaugh, P.J et al, Microbial ecology: human gut microbes associated with obesityNature.  2006 ; 444  : p1027-1031. 注5:参考文献:入江 潤一郎ほか,  腸内細菌叢と肥満症,   日内会誌  2015;  104 : 703-709 注6:但し、漢方処方の防風通聖散の効能(体力に充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、肥満症)には、便秘と肥満症の両方が記載されています。この処方は瀉下成分以外の成分を多く含むこと、肥満改善薬として用いられることが多いこと、ドラッグストアなどで便秘薬の棚にふつう置かれていないことから触れていない。注7:思考実験であるが、仮に、ある人の通常の便量を150g、含水量を70%とすると、水分以外の重量は45g。ひどい便秘で含水量が50%に下がるとすると、便の量は90gとなる。これが7日分集積すると630gであり、あとの方の便に含水量が多いことを考えても、1キロにはならない。注8:本間研一 監修,   標準生理学 第9版,  医学書院,  2019. p.880.   写真説明: 伊勢神宮に行ったときに、静かで美しい池を見つけました。その池の写真に、タイトルの文字を重ねてみました。新緑が青空に映える画から涼しさを感じていただけたら、また神秘的な池からダイエット完遂へのパワーを得ていただけたら幸いです。   ひとこと 最後までお読みいただきありがとうございます。今後、記事がお役に立ちましたら、SNSでもご共有いただけますと幸いです! 毒掃丸のお買い求めは全国のドラッグストア・通販サイトで。見つからない場合は「毒掃丸をください」と申し出てください。こちら(SHOPどくそうがん)でも販売しております→ショップどくそうがん | 便秘薬の毒掃丸 山崎帝國堂のネットショップ (dokusougan.jp)

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  • 便秘と運動

    2021.08.01
    運動は便秘解消に効果的で、また運動不足は便秘の原因になる~~皆さまも一度は聞いたことがあるはずです。でも、そうとは知っていながらも、実は十分な運動ができていない…そんな方も多いのではないでしょうか。運動は、便秘のセルフケアの大事な要素で、ご自身の生活スタイルにあう形でしっかり習慣化していくことが大切です。今回は、運動と便秘の関係について、エビデンスに基づいて整理し、どんな運動をどのくらいするのが良いのか、見てみたいと思います。

    ■運動と便秘の関係

      運動の減少が便秘の悪化につながることと、運動の実行が便秘解消に有効であることを示すデータは、多く存在しています。例えば、食べ物が大腸を通過する時間(大腸通過時間)は、運動をしたほうが短くなること、よく歩くことでカプセル内視鏡の排出率が向上すること、また運動量が減った人に便秘の症状が増えてること、などといった報告があります注1。便秘に悩んでいる人は、積極的に運動をするべきでしょう。運動は、立派な腸活なのです!   運動が便秘を改善する理由としては、(1)運動による刺激が腸管運動を促進し、大腸の内容物が直腸にむけて移動しやすくなることや、(2)運動によりリラックスでき、自律神経のバランスが改善し、それが日々の腸管運動のリズムを整えてくれること、の2つが考えられています注2。加えて、排便のために「いきむ」時に、腹筋で腹圧を高める必要があるため、腹筋を鍛えることも便秘を改善させると、広く一般的に考えられています。  

    ■どんな運動を、どれだけすればよいの?

      このように、運動が便秘の改善に効果があることはかなり確実だと言える一方で、どんな運動で実際に効果がでるのかは研究が豊富とはいえません。まず、網羅的に様々な運動が便秘をどの程度解消するかを比較した研究はありません。ただし、ジョギングなど有酸素運動が便秘を改善するという研究結果がいくつかあり、気功やウォーキングなどの有酸素運動が便秘を改善したことを示す海外のメタ解析が存在しています注2。コロナ禍という時節柄、運動を室内で行う方も多いと思いますが、その場合は、スペースが限られる中で効率よく運動をしたいものです。先に挙げたように、便秘対策として行う運動は、動作の際の刺激で腸管を動かすことも期待していますから、体幹をひねったり腹部に圧がかかるような動作がお勧めです。そして運動後でも構わないので、腹式呼吸も組み込むことができたら、より自律神経の働きも整うでしょう。中長期的な便秘対策としては、腹筋を鍛えることも意識してみましょう。   便秘改善のための運動 表は本記事の内容より当社作成   また、どれほどの運動を勧めるかについては、明確なエビデンスがなく、従って医学的な目安はありません注1。ただ、ある程度継続的な運動が必要そうであることは、データから推察することができそうです。慢性便秘症の女性患者を対象とした、便秘のリスク因子に関するアメリカの研究注3では、日常の運動の頻度が便秘にどの程度影響するかを統計的に分析しています。論文のデータ(下の表)によると、週に一度も運動しない人が便秘である割合を1とすると、週2~3回運動をする人では0.68、毎日では0.56と、運動の頻度が上がるに従って便秘を訴える人が減っていく傾向が見て取れます。 運動頻度と便秘 *multivariate   表は Laurent Dukas, et al: Association between physical activity, fiber intake, and other lifestyle variables and constipation in a study of woman. Am J Gastroenterol 98:1790-1796,  2003より作成   1度に行う運動量については、便秘に特化したエビデンスはまだないようです。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準2013」というガイドラインでは、健康全般のために30分以上の運動を週2回以上行うことを推奨しており、一つの目安になりそうです注4   便秘解消にむけたご提案: ジョギングやウォーキングのような室外の有酸素運動、あるいは気功・ヨガ・室内体操などを、1回30分以上を週2回以上、行うことを心がけてみてはいかがでしょうか。   なかなかハードルが高いように見えますが、最初からこの水準を目指す必要はありません。まずはできることから始めることが大切です。また、腸活や、腸活を含む便秘のセルフケアのメニューは、運動だけではありません。本ブログの腸活のタグと、便秘解消のタグにある各記事もぜひ参照していただき、ご自身に合った便秘対策を行ってみてください。また、毒掃丸整腸薬で腸活をサポートしてあげることや、便秘の症状が気になるようになったら、便秘薬・毒掃丸の助けを借りることも併せてご検討ください!   (最終更新日:2022年3月22日)   注1:日本消化器病学会関連研究会,慢性便秘の診断・治療研究会:慢性便秘症診療ガイドライン 2017.南江堂,2017 p.60 注2  高野 正太: V.慢性便秘症に対する食事療法、運動療法,、理学療法,  日本大腸肛門病会誌 第72巻10号  621-627,2019 注3:Laurent Dukas, et al: Association between physical activity, fiber intake, and other lifestyle variables and constipation in a study of woman. Am J Gastroenterol 98:1790-1796,  2003 注4:前掲の「慢性便秘症診療ガイドライン 2017」でも「健康づくりのための身体活動基準2013」の活用を推奨している。   ひとこと 最後までお読みいただきありがとうございます。記事がお役に立ちましたら、SNSでもご共有いただけますと幸いです! 毒掃丸毒掃丸整腸薬のお買い求めは全国のドラッグストア・通販サイトで。見つからない場合は「毒掃丸をください」と申し出てください。こちら(SHOPどくそうがん)でも販売しております→ショップどくそうがん | 便秘薬の毒掃丸 山崎帝國堂のネットショップ (dokusougan.jp)

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  • 今回は、便秘と「デトックス」について、便秘薬メーカーの視点から考察と提案をしてみたいと思います。今の日本で「体から毒を出すことを指す言葉は何ですか?」と問えば、みなさん「デトックス」と答えるでしょう。20世紀後半にアメリカで広まったこの言葉は、2005年頃に日本にも広まり、今やすっかり定着したようです。デトックスは広辞苑には2018年に初めて登場し、次のように説明されています。  
    デトックス【detox】体にたまった毒素や老廃物を排出すること。解毒。健康法などでいう。   「広辞苑」第7版 新村 出編 岩波書店 2018年
      また、デトックスの元祖、英語圏の辞書にも、似たような説明がされています。  
    detox   1. the process of removing harmful substances from your body by only eating and drinking particular things  以下略(筆者訳:デトックス 特定のものを食べたり飲んだりするだけで、体から有害物質を取り除くプロセスのこと)   Diana Lea ed. Oxford Advanced Learner’s Dictionary of Current English, Oxford University Press,  2020
      デトックスとは、このように、健康のために体から毒を除去することを言います。しかしながら、この言葉は医学用語ではなく、また法的な定義もありません。そのため漠然としたイメージだけが先行し、まともな根拠もなくデトックスをうたう健康食品や健康器具の広告が後を絶たず、この言葉自体がやや胡散臭いイメージを帯びてしまっているように思います。便秘薬も、便を出すという効能からデトックスのイメージと結びつきやすいので(商品名も毒掃丸ですから…)、私たちもこの状況とまったく関係がないとは言えません。「便秘薬を飲むと、デトックスになるんでしょ?」と聞かれて答えづらい思いをすることも結構あります。   そこで、この記事では、「デトックスを理解する」と題して、デトックスを最初に敢えて冷めた目で考察してみたいと思います。その後で、今より健康になりたい皆様のために、私たちなりに、毒から体を守るために何をするべきか、提案をしてみたいと思います。    

    1.世の中のほとんどの毒に対して、巷でいうデトックスは無力です

        毒とは、生体に悪い影響を引き起こす物質のことです(生物由来の物質も含みます)。口から入るものもあれば、目や皮膚から入ってくるものもあります。それら毒性のある物質の範囲は、デトックスという言葉から漠然とイメージする「毒」と比べ、驚くほど広いです。   毒の範囲の広さを体感するために、化学物質の安全対策に関する我が国の法体系をみてみましょう。毒性をもつ化学物質から私たちの身体と生活を守ってくれる法律は、実はたくさんあります。   毒劇法労働安全衛生法農薬取締法食品衛生法医薬品医療機器法家庭用品規制法建築基準法化学物質審査規制法土壌汚染対策法水質汚濁防止法大気汚染防止法廃棄物処理法   以上の法律があり、それぞれが、人体への毒になる膨大な量の化合物について、定量的に客観評価し、物質の急性毒性、慢性毒性、発がん性、催奇性、環境毒性などの見地から、専門的知見に基づいてリストを作り、社会活動を規制しています注1。   毒といっても、例えばダイオキシン・ベンゼン・重金属といった化学物質を、社会として活用しながら生活者の身を守るためには、法律・科学技術・医療の総力を挙げて対処する必要があるのです。個人がサプリによるデトックスで自衛できるものではないということです。それよりも、特定の物質への暴露が増えないよう、多彩な食材を食べるなどの工夫の方が有効でしょう。もちろん便秘薬もこれらの化学物質の解毒には何の効能も認められていません。   続いて、もう少し身近な食中毒についても見てみましょう。食中毒とは、人体の毒となる物を食べてしまうことにより、健康を害してしまうことです(ちなみに中毒の語源は「毒にあた)る」です)。食中毒の原因となるものは、法的にみるとかなり広く、細菌、ウイルス、自然毒、化学物質、寄生虫などが含まれています。関連する法律は、食品衛生法と、コロナ禍で一躍有名になった感染症法です。食中毒の原因の代表例としては、ウイルスではノロウイルス、菌ではO157、自然毒ではフグ、化学物質では魚に含まれるヒスタミン、寄生虫ではアニキサスが挙げられます。指定感染症とされているものとしては、コレラ菌や赤痢菌があります。とても怖い名前ばかりに見えます。皆さまもご存じのものが多いのではないでしょうか。   食中毒から身を守る方法は、「つけない」「ふやさない」「やっつける」で、これは食中毒予防の三原則と呼ばれています注2。ちなみに3つ目の「やっつける」は、十分に加熱することなどであり、デトックスサプリを服用することではありません。また、当然ながら便秘薬も食中毒への効能は認められていません。   ざっと俯瞰すると、この世界にある実際の毒のほとんどは、巷でいわれているデトックスと次元が違うところがあるようです。デトックスに医学的・法的な定義がない理由や、多くのお医者様や行政が冷淡な理由も、察することができる気がします。結局、多彩な食材を用いたバランスの取れた食事を心がけることと、衛生対策をきちんと行うことが、最も効果的かつ経済的な「毒」対策なのではないでしょうか。

    2.腸内環境を整えることや、便秘をしないようにすることで、一部の毒から身を守ることができます

      一方で、デトックスに良いイメージを持っている方は、恐らく前項のような本来の解毒というよりも、「今より健康になる」ことを求めているのだと思います。そうした思いに答えるために、この項では、便秘薬メーカーの視点から、毒から体を守るために私たちにできることを4つ挙げておきたいと思います。これらをデトックスと呼ぶかどうかのご判断は、皆様にゆだねたいと思います。  

    ① 腸内環境を整えて、大腸のバリアを維持しましょう

      大腸には、粘液質のバリアがあり、有害な細菌から人体を守ってくれているのをご存じでしょうか。もしこのバリアが破綻すると、体内に腸内細菌が侵入し(バクテリアルトランスロケーション)、ひどい場合は敗血症や全身性の炎症を引き起こしてしまいます。この大切なバリアを維持するために、腸内環境を整えることが大切であることが近年わかってきました。   口に入った食べ物は、まず胃や小腸でドロドロに消化され、栄養素が吸収され、大腸に運ばれます。大腸では、主に水分が吸収され、残ったものから便を作るのですが、その大腸には、100兆個ともいわれる大量の腸内細菌が生息しています。菌には、体に有益なもの(善玉菌)も多くいますが、有害物質を作り出すもの(悪玉菌)もいますし、食中毒を起こすような病原菌が食べ物に付着してやってくることもあります。粘液質の大腸のバリアは、腸の他の免疫細胞と力を合わせて有害な菌が大腸に直接触れないように守ってくれているのです。この粘液層は、腸内細菌の種類が減ってくると(腸内フローラの乱れ)、粘液が減ってしまったりして機能が低下し、腸内の炎症を引き起こすなどの異常がおこると考えられています注3。   腸活整腸薬注4の服用で腸内環境を良くし、良好な腸内フローラを保つことが大切です。  

    ② 悪玉菌を減らして、体内に吸収される有害物質を減らしましょう

      大腸の中で、腸内細菌たちは、小腸で消化吸収しきれなかった食べ物や食物繊維を分解して生きています。善玉菌たちは、食物繊維やオリコ糖を分解し、人体に有益な物質を多く残してくれます。その一方で、悪玉菌は肉由来のアミノ酸やコレステロールなどを分解して、人体に有害な物質を多く残します。悪玉菌が作る有害な物質の中には、アンモニア、スカトール、インドールなど強い悪臭のもとになる物質が含まれており、便のいやな臭いの元でもあります。   こうした有害物質は、便として体外に排出されもしますが、一部は大腸から水と一緒に吸収されてしまい、体内に入ってしまうのです。大腸から血液に移行した物質は全て、全身を循環する前に門脈(腸から肝臓につながる血管)を通って肝臓に運ばれるので、主な有害物質はすぐに肝臓で分解されることになりますが、もし肝臓が弱っていると、有害物質が全身に運ばれてしまいます(健康な人の場合、最終的には腎臓から排出されます)。疲労臭と呼ばれるアンモニア臭い体臭や、便秘の人の臭い息などは、腸から血中に溶け込んだ有害物質が原因だと考えられています。   腸内フローラが悪玉菌優位になると、そうした有害物質の産出量が増えてきます。また、悪玉菌は腸の働きも悪くするので、便秘がちになり、便の滞留時間が増えることで、大腸と有害物質が接触している時間も長くなります。腸活整腸薬注4の服用で腸内環境を良くし、良好な腸内フローラを保つことが大切です。また、便秘になった場合は、便秘薬を適切に活用することもふくめ、便秘解消おすすめのセルフケアの方法はこちら)を心がけていただきたいと思います。  

    ③ 水をしっかり飲んで、新陳代謝を維持しましょう

      また、毒素の排泄のために大切なのは、しっかりと水を飲むことです。体内に入った有害物質や、体中で起こる代謝で発生した老廃物は、肝臓での分解などを経たうえで、主に尿や便から排出されます。水に溶ける物質は、腎臓から尿として排出され、脂に溶ける物質(脂溶性)は、肝臓経由で胆汁として排出されていきます。その排泄過程をスムーズに行うには、常に水が必要なのです。例えば、尿はほとんどが水ですし、便も実は6割から7割(快便の場合)が水分でできています。   関連リンク:ブログ記事「うんちと便秘」   人間が1日に必要とする水分は、普通の生活をしている場合、およそ2.5リットルとされています。食べ物から摂る分以外に、飲み物として1.2リットルの水を飲む必要があります注5。体内の水分が不足した場合、尿と便の出が滞ってしまいます。若いうちは、尿の量が少なくても尿を濃くすることで毒素がちゃんと排出できますが、高齢になってくると、腎機能の衰えにより、毒素の排出のためにより多くの水が必要になりますから、注意が必要です。便についても水は大切で、飲料摂取が500cc以下だと便秘になりやすいことと、便秘の人が脱水傾向にある場合に、水分を多くとると便秘が改善することを示すエビデンスがあります注6   そもそも、体内の水が不足すると、熱中症、脳梗塞、心筋梗塞など命に関わる健康障害につながります。腎臓病などで医師から水分摂取量を制限されている場合は別ですが、目安とされている1日1.2リットルを目標に、しっかりとこまめに水分を摂って、体を守っていきましょう!   関連リンク:ブログ記事「便秘によい飲み物」  

    ④ 有酸素運動は、便秘を改善し、発汗機能や解毒機能にも好影響

      運動は、糖尿病、心臓病、脳卒中、がん、ロコモティブシンドローム、認知症など様々な疾患のリスクを減らすことがわかっていますが、私たち便秘薬メーカーの視点からみても、しっかりと運動をすることは、お勧めです。運動は、次のメカニズムで便秘を改善してくれるのです。   (1)運動による刺激が腸管運動を促進し、大腸の内容物が直腸にむけて移動しやすくなる。 (2)運動によりリラックスでき、自律神経のバランスが改善し、日々の腸管運動のリズムを整う。   特にウオーキングやジョギングなどの有酸素運動が便秘を改善するというエビデンスがいくつもあります注7。便秘が改善することで、便が大腸に滞留している時間が短くなり、腸内での有害物質の発生を抑えることが期待できます。   また、運動をすると汗をかきますが、汗は体内の老廃物や毒素を出してくれます。汗の役割は、第一には体温の調節であり、汗が排出してくれる毒素の量はわずかではありますが、発汗ですっきりした経験がある人は多いはずです。汗をかく能力は年とともに自然に衰えてしまうのですが、持久運動トレーニングで日ごろから汗をかくこによって、70代になっても若者並みの発汗機能を維持できるという報告があります注8。また、適度な有酸素運動は、健康な人が、毒素の分解や排出をになう腎臓や肝臓の機能を維持するためにも大切です。私たちは、健康増進と便秘改善のために、1回30分以上の有酸素運動を週2回以上行うことを推奨しています。種目としては、ウオーキング、ジョギング、ヨガやエアロビクスなどを日課にしてみましょう。もちろん、運動で汗をかけば水分が失われますので、水分補給を忘れないようにしましょう!   関連リンク:ブログ記事「便秘と運動」   ^^^^^^^^^^^^^ 以上、デトックスについて考察と提案を書いてみました。 次回は、「便秘と「デトックス」②医薬の歴史にみるデトックスの系譜と、毒掃丸」では、江戸時代の医学思想と便秘薬の歴史に、デトックス的思考の源流を見出してみたいと思っています。   後編目次(クリックで記事に飛びます)   便秘と「デトックス」②医薬の歴史にみるデトックスの系譜と、毒掃丸 ■世界に見られる下剤によるデトックスの発想 ■デトックスを連想させる江戸時代の「万病一毒説」 ■江戸時代の長崎貿易で大量に輸入されていた、2大「解毒」生薬 ■デトックスの系譜に何を見るか ■毒掃丸のルーツ   (最終更新日:2022年5月22日)   注1:法律の羅列は、次のサイトを参考にしました。独立行政法人製品評価技術基盤機構 https://www.nite.go.jp/chem/hajimete/lawquery.html 2021年7月13日アクセス 注2:食中毒については、次のサイトを参考にしました。厚生労働省 食中毒|厚生労働省 (mhlw.go.jp) 2021年7月14日アクセス 注3:大腸のバリア機能についての参考文献:本田 賢也:  腸内細菌と腸管, 領域融合レビュー, 2, e011 (2013) 注4:整腸薬は、腸内細菌のうち善玉菌と呼ばれる体によい菌や、食べ物の消化に必要な消化酵素の補充を行うことで、腸の調子を整える薬です。詳しくは「便秘解消を目指して ~便秘のセルフケア~」の回をご覧ください。注5:必要な水分量については、次のサイトを参考にしました。厚生労働省 「健康のため水を飲もう」推進運動  2022年3月26日アクセス  注6:吉良いずみ 便秘ケアとしての水分摂取のエビデンスに関する統合的文献レビュー, 日本看護技術学会誌 12(2), 33-42, 2013 注7:参考文献:高野 正太,   慢性便秘症に対する食事療法、運動療法,、理学療法,  日本大腸肛門病会誌 第72巻10号  621-627,2019   注8:井上芳光ほか, 運動トレーニングによる高齢者の発汗機能改善特性とその性差, 科学研究費助成事業 研究成果報告書, 2019   最後までお読みいただきありがとうございます。記事がお役に立ちましたら、SNSでもご共有いただけますと幸いです!ひとこと 毒掃丸毒掃丸整腸薬のお買い求めは全国のドラッグストア・通販サイトで。見つからない場合は「毒掃丸をください」と申し出てください。こちら(SHOPどくそうがん)でも販売しております→ショップどくそうがん | 便秘薬の毒掃丸 山崎帝國堂のネットショップ (dokusougan.jp)

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  • 便秘とひとことで言っても、実は、さまざまな種類があるのはご存知でしょうか。排便という行為は、それなりに複雑な生理現象が組み合わさって成立していて、便が出ないときに考えられる原因も一つではありません。便秘の原因が違うと、便秘改善のための対策も違ってくるのです。そのため、診断と治療のために便秘は複数の種類に分類されています。   ご自身の便秘のタイプがわかれば、便秘解消・改善のための対策が立てやすくなります。また、生活改善や市販の便秘薬を服用しても解消できない場合にも、医療機関で自分の便秘のタイプを検査してもらうことが、便秘解消への手助けになることもあります。今回は、知っておくと便利な、便秘の種類と原因について概観してみたいと思います。  

    ■便秘と慢性便秘

      便秘の種類を見ていくにあたって注1、最初に、便秘の定義をおさらいしておきましょう。現時点での便秘の定義は、以下のようになります。  
    本来対外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態 日本消化器病学会関連研究会ほか編『慢性便秘診療ガイドライン 2017』南江堂 2017年
      この定義では、どんな便がどのような頻度ででているかではなく、出るべきお通じが「十分量かつ快適に」出ていなければ、その人は便秘であると言えます。   関連記事:「便秘の定義をめぐって」   そして、便秘のなかでも、旅行の際の便秘などの一過性のものではなく、6か月以上前から便秘の症状がある場合などを特に慢性便秘(症)といいます。便秘をきちんと分類する場合には、この慢性便秘を細かくタイプ分けしていくことになるのです。  

    ■慢性便秘の分類 ~器質性便秘と、機能性便秘~

      前項の考え方だと、便秘の状態が長く続いているこ人はみんな慢性便秘のくくりに含まれますから、他の重篤な病気の症状のひとつとして排便が困難になっている人もこの中に入っています。   そこで、第一のステップとして、慢性便秘を2つに分けます。大腸に形態的な変化をともなうものを器質性便秘、大腸に形態的な変化をともなわないものを機能性便秘と呼び、区別します。  

    ・器質性便秘

    器質性便秘は、大腸に形態的な変化をともなう便秘で、その代表例は大腸癌、虚血性大腸炎、直腸瘤などによる便秘です。便秘に悩んでいる人の中で、急激な便秘、予期せぬ体重減少、血便、お腹にかたまりがある、発熱がある、などの場合は、それら深刻な病気にともなう、器質性便秘かもしれません。すぐにお医者様に相談してみてください。  

    ・機能性便秘

    慢性便秘の人の多くは、この機能性便秘です。機能性便秘のほとんどは、生活習慣の改善や一般薬の服用、または処方薬の服用など内科的に治療が可能だとされています。 そんな機能性の便秘も、2つの観点から分類がなされています。 図1. 機能性便秘の分類 図1.機能性便秘の分類 :日本消化器病学会関連研究会ほか編『慢性便秘診療ガイドライン 2017』(南江堂 2017年)を参考に作成

    ■機能性便秘の分類 ~症状による分類と、病態による分類~

      機能性便秘を分類する方法は、2つあります。1つは症状による分類で、もう一つは病態による分類です。

    ・症状による分類

    症状による分類は、医療機器を使った専門的な検査なしで分類できるので、軽度の便秘の人に対して一般の診療所でも診断ができます。   機能性便秘を症状で分類すると、2つに分けられます(図1の「症状分類」)。1つは排便回数減少型で、文字通り排便の回数が減ってしまっている(例えば、排便回数が週3回未満)便秘で、この便秘の人は、結腸(大腸のうち、肛門近くの直腸よりも手前の部分)に便が滞留していることも多いです。もう1つは排便困難型で、便が固すぎたり、便意が感じられなくなっていたり、または直腸の働きが悪かったりして、排便一歩手前で便が出にくくなっている便秘を指します。排便困難型かつ便が柔らかくてもうまく排便ができない場合には、排便機能自体の障害が疑われます。   関連記事:「便秘と便意」   お医者様では、症状による分類をしたあと、次項でふれます病態による分類も考えながら、生活改善や便秘薬の処方などの治療を受け、様子をみていくことになります。  

    ・病態による分類

    症状による分類の他に、病態によっても分類をします。病態とは、病気の状態のことですが、病気で体に何が起きているのか、異常がなぜ起きているのかまで考えるようなニュアンスで使われます。この便秘を病態によって分ける分類は国際的にも一般的で、より原因そのものに焦点をあてた分類です。ただし、この分類での正確な診断のためには、専門的検査を受ける必要もでてきます。   機能性便秘を病態により分類すると、次の3つに分けられます。

    ①大腸通過遅延型

    小腸で消化された食べ物は、大腸でゆっくりと水分を吸収されながら肛門方面に輸送されながら便になっていきます。その大腸の輸送能力が低下すると、排便回数や排便量が減ってしまいます。その結果引き起こされている便秘が、大腸通過遅延型です(弛緩性便秘とよばれることもあります)。蠕動運動を正常化するために、便秘薬が使われることも多いです。   このタイプの便秘の原因には、原因がはっきりしない特発性、他の疾患の影響、向精神薬や抗コリン薬などの副作用があげられます。また、一部の過敏性腸症候群もこの便秘の原因になります。   このタイプの便秘に対して自分でできる対策は、規則正しい生活を送ること、朝食を食べること、朝コップ1杯の水を飲むこと、適度な運動をすること、市販の整腸薬や便秘薬を適切に服用することなどです。   関連記事:「便秘によい飲み物」/「便秘と運動」/「便秘薬をのむ時に大切なこと

    ②大腸通過正常型

    大腸通過時間が正常だったにも関わらず、便のかさが足りないことにより排便回数が減ってしまっている場合や、便が固くなって排便ができなくなってしまっているような便秘を、大腸通過正常型といいます。このタイプの便秘になっている人も多く注2、食物繊維をしっかりとることで改善する場合もあります。   原因としては、食物繊維不足、食事量自体がたりないことなどです。ダイエットでこの便秘になる方もいらっしゃいます。また、一部の過敏性腸症候群(IBS。痙攣性便秘とよばれることもあります)もこの便秘の原因になります。

    このタイプの便秘に対して自分でできる対策は、食事の量をしっかりとること、特に食物繊維を増やすことです。但し、過敏性腸症候群の方の中には食物繊維が症状を悪化する場合があるので注意が必要です。   関連記事:「野菜と便秘の話」/「ダイエットと便秘」  

    ③機能性排出障害

    大腸でつくられた便は、直腸という肛門のすぐ上のあたりに到達し、便意をうみ、排便に至ります。機能性排出障害は、便が直腸までおりてきているのにうまく排便できないタイプの便秘です。   排便に必要な筋肉の協調がうまくきかないこと、腹圧の低下、直腸の感覚の低下などが原因としてあげられます(直腸性便秘と呼ばれることもあります)。加齢によってこの便秘になる場合もあります。   このタイプの便秘に対して自分でできることは、便意があったら排便を我慢しないことや、規則正しい生活を送ることです。   関連記事:「便秘と便意」   ◇  ◇  ◇  ◇  ◇   便秘の種類や原因については、自己診断が難しい部分があります。詳しく知りたい場合は、専門のお医者様に相談してみてください。   軽度な便秘には、腸活による生活改善や、市販の便秘薬の頓服や整腸薬の活用も有効です。複方毒掃丸は、6種類の生薬が自然に近いお通じを促す便秘薬です。小さな丸剤なのでのむ量を調節しやすく、ちょうどよいお通じを目指せます。毒掃丸無料サンプルはこちらからお申込みいただけます。
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        (最終更新日:2022年5月17日)   注1:特記なき場合、本項は次の文献を参考にしています。:日本消化器病学会関連研究会ほか編『慢性便秘診療ガイドライン 2017』南江堂 2017年、味村 俊樹ほか「慢性便秘症の診断と治療」 日本大腸肛門病会誌 第 72 巻第 10 号 2019 年 10 月 注2:前述の参考文献の記述ならびに、重症の特発性便秘患者1000人あまりのうち59%の大腸通過時間が正常だったという報告(D C Nyaml et al: Long-term results of surgery for chronic constipation, Dis Colon Rectum 1997 Mar;40(3):273-9.)がある。    ひとこと 最後までお読みいただきありがとうございます。記事がお役に立ちましたら、SNSでもご共有いただけますと幸いです! また、お買い求めは全国のドラッグストア・通販サイトで。 見つからない場合は「毒掃丸をください」と申し出てください。 こちら(SHOPどくそうがん)でも販売しております→ショップどくそうがん | 便秘薬の毒掃丸 山崎帝國堂のネットショップ (dokusougan.jp)

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  • 便秘と寿命

    2021.06.01
    便秘に悩みながら毎日の生活を送る人はとても多くいますが、普通は数日から長くても1週間くらいで排便があり、つらい思いをしたとしても、ほとんどの場合、生命に影響が及ぶような事態にはなりません注1.注2。   また、お医者様にかかるような場合も、便秘はほぼ内科的に治療が可能で比較的予後が良く、手術を必要とする症例は少ないと考えられています注3 しかしながら、長期的にみると、慢性の便秘には死亡リスクの増加があり、寿命に影響をあたえているのではないかという気になる指摘があります。今回は、便秘の死亡リスクにまつわる2つの研究をご紹介します。また、すぐに受診をしたほうがよい、命に係わる危険な便秘についても簡単に触れたいと思います。  

    ■胃腸障害と生存率の関係についてのアメリカの研究

      アメリカ・ミネソタ州の住民を対象行われた、あるコホート研究では、機能性胃腸障害(慢性便秘、消化不良、過敏性腸症候群、腹痛、慢性下痢)をもっている約4,000人の成人を追跡調査し、それぞれの障害の有無が10年後の生存率にどの程度影響するかを統計的に解析しました。解析の過程では、他の重大な疾患が原因でそれらの機能性胃腸障害がおきたことが分かった被験者は除外していますから、例えば癌が原因で便秘になっていたなどというケースは含まれません。 結果は、興味深いものでした。それら機能性胃腸障害のうち、慢性便秘だけが生存率に影響を及ぼしていることが示唆されたのです。慢性便秘でない被験者の10年後の生存率が平均で85%だったのに対し、慢性便秘の被験者は73%で、12%の差がありました(消化不良、過敏性腸症候群、腹痛、慢性下痢については生存率の大きな低下は見られませんでした)。年齢・性別・喫煙・飲酒・教育レベル・併存疾患について統計的に調整をしたあとでも、慢性便秘の人々の生存率は低いままでした。なお、慢性便秘の被験者に大腸など消化管の癌が増えたということは、ありませんでした。 論文はこちら→   Joseph Y Chang, et al. Impact of functional gastrointestinal disorders on survival in the community. Am J Gastroenterol. 2010 Apr;105(4):822-32. 著者らは、慢性便秘がなぜ10年後の生存率に影響を及ぼしたのかは不明で、さらなる調査が必要だと述べています。  

    ■排便頻度と心血管疾患死の関係についての日本の研究

      宮崎県で国民健康保険加入者を対象に行われたコホート研究では、排便頻度と循環器系疾患による死亡との関係について検証が行われました。約45,000名を対象にし、排便頻度で被験者を「1日1回以上」「2~3日に1回」「4日に1回以下」3グループに分け、各グループの13年間の心血管疾患(循環器系疾患、脳血管疾患、虚血性心疾患)による死亡リスクを解析しました。 その結果、排便頻度が少ないグループほど、心血管疾患による死亡が多いことが分かったのです。「2~3日に1回」、「4日に1回以下」の各グループの全体的な心血管疾患死のリスクは「1日1回以上」グループと比較して有意に高くいものでした。死亡するリスクの大きさを相対的に示すハザード比は「2~3日に1回」が1.21、「4日に1回以下」が1.39でした。 論文はこちら→   Kenji Honkura, et al. Defecation frequency and cardiovascular disease mortality in Japan: The Ohsaki cohort study. Atherosclerosis. 2016 Mar;246:251-6.   関連リンク:「便秘と高血圧症」  

    ■便秘だと、本当にリスクが高まるのか?

      この2つの研究を通してわかるのは、便秘と生存率の相関関係であり、その因果関係についてはよくわからないという点には注意が必要だと思います。 とはいえ、アメリカの報告の方では生存率に関係しそうな諸要素(性・年齢・既往症・喫煙や飲酒の習慣など)の影響を除外する調整を行っていますし、また日本の研究では同様の調整に加え、歩行時間や野菜や果物の摂取傾向についてまでも調整しています。この2つの調査をもってはっきりした関係があると決めつけることはできなくても、「リスクが高まる恐れはある」と考えるに越したことはないかもしれません。 例えば、便秘が大腸癌発生のリスクになるかどうかについては、いまだによく分かっていないのですが、これについては「Yes」を示唆する研究結果と「No」を示唆する研究結果がどちらも沢山存在しています。注3 一方で、死亡リスクについては、便秘が死亡リスクを高めるという研究はこれ以外にもありますが、便秘が寿命を延ばすという研究結果は、少なくとも私たちは、まだ見たことがありません。  

    注意!危険な便秘について 便秘にも、稀に重篤化するケースがあります。腸の中で大量の便がカチカチに固まってしまうと、腸がふさがってしまい(腸閉塞)、敗血症・腸穿孔・腹膜炎などの重篤な状態をもたらすことがあります。例えば腸穿孔といって腸に穴が開いてしまうと、人工肛門になったり、命を落としてしまうこともあります。こうしたケースは稀ですが、便秘が続くうえに、激しい腹痛や吐き気・嘔吐がある場合は、早急に受診するようにしてください。

    関連リンク:ブログ記事「便秘と腹痛」/「便秘と便意

    ■まずは腸活

      やはり、できるだけ便秘解消や便秘予防につとめたほうが良いでしょう。ただし、長期的なリスクを下げることを目的に市販の便秘薬を飲むのは、薬には副作用があることを無視した誤った発想だと思います。一番良くないのは、便秘であることを気にすることもなく乱れた生活を続け、強い便秘薬をたくさん飲んで出すような日々を送ることです。また、便秘であることを気にして憂鬱になっていては、毎日がつまらないものになってしまいます。   寿命を延ばすためにウォーキングをしている画像   まずは腸活にとりくみ、「快食快便」をゴールに楽しく便秘解消や便秘予防に取り組むのが、一番よいと思います。本ブログでは、腸活について様々な記事がありますので、ぜひご参照ください。また、市販の便秘薬を使うとすれば、生活改善などで便が出なかったときに、頓服用に賢く使うのが理想です。できるだけ服用量を調節しやすい便秘薬を選び、自然に近いお通じを目指しましょう。そして、思い悩んだ時には、薬剤師(当社のお客様相談窓口も薬剤師・登録販売者常駐です)や医師に相談するようにしてください。   関連リンク:ブログ記事「便秘薬をのむ時に大切なこと」 (最終更新日:2022年12月15日)   注1:きわめて重度の便秘は、最終的に腸管が破れてしまったり、敗血症をおこしてしまって死に至る場合があります。 注2:普通の便秘にみえても、急に便秘症になった場合や血便がみられる場合は、他の重大な疾患が隠れていることもありますので、気になる方はお医者様に診てもらうようにしてください。 注3:参考文献:日本消化器病学会関連研究会ほか編『慢性便秘診療ガイドライン 2017』南江堂 2017年    ひとこと 最後までお読みいただきありがとうございます。記事がお役に立ちましたら、SNSでもご共有いただけますと幸いです! 毒掃丸のお買い求めは全国のドラッグストア・通販サイトで。 見つからない場合は「毒掃丸をください」と申し出てください。 こちら(SHOPどくそうがん)でも販売しております→ショップどくそうがん | 便秘薬の毒掃丸 山崎帝國堂のネットショップ (dokusougan.jp)

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  • 腸は、生きていくのに欠かせない重要な臓器ですが、体内にあるので、その形態についてはなかなかイメージができないものです。何しろ、自分の腸も他人の腸も、この目で見ることができません。背丈のように他人や他国の人たちと直感的に比較することも困難です。そのため、時折間違った風説がひろまることがありますし、学術的にもまだまだ系統立てて整理ができていないこともあります。   今回は、腸の中でも便秘との関係が深い大腸に関して、その長さと形態の2つに関するトピックスを取り上げてみたいと思います。  

    ■日本人の大腸の長さは、欧米人と変わらない

      皆さまは、「日本人は、肉食の欧米人より腸が長いので便秘になりやすい」という話を耳にしたことはないでしょうか? 最近は、この話は出典不明の都市伝説の類であると考えられていて、医師や製薬会社のかかわるTV、書物、Webでこの話が出ることはなくなりましたが、しばらく前まではかなり広範囲に信じられていたようです。ちなみに、ここでいう腸の長さは、小腸の長さではなく、大腸の長さのことです。大腸は食べ物のカスから水分を吸収する役割があり、通過に時間がかかると便が硬くなったり便秘になったりします。   「日本人は腸が長いから便秘になりやすい」という考えには2つ前提があります。1つは、日本人の腸が長いことで、もう1つは、腸が長いと便秘しやすいことです。    

    (1)大腸の長さの国際比較

      まずは、大腸の長さについてみてみましょう。大腸の長さのを人種間・日米間で比較した、都市伝説を否定するような2つの研究論文を、ご紹介します。   1.B. P. Saunders et al, A peroperative comparison of Western and Oriental colonic anatomy and mesenteric attachments Int J Colorectal Dis. 1995;10(4):216-21  

    まずは、海外の研究で、国籍ではなく人種で比較したものです。東洋人114人と西洋人(白人)115人の結腸(直腸以外の大腸)の長さを開腹して比較したところ、東洋人(中央値= 111 cm、範囲78-161 cm)と西洋人(中央値= 114 cm、範囲68-159 cm)の被験者を比較して、結腸の全長に有意差はありませんでした。

    2.永田 浩一ほか 日本人とアメリカ人の大腸の長さは違うのか?―大腸 3D-CT(仮想内視鏡)による 1,300 名の検討 日本消化器内視鏡学会雑誌 55(3), 435-444, 2013-03-20

    こちらは日本の研究で、ズバリ日本人650人とアメリカ人650人(白人83%、黒人13%ほか)の大腸の長さを仮想内視鏡を用いて比較したものです。大腸全体の長さの平均は、日本人とアメリカ人でそれぞれ154.7cm、158.2cmで、実質的な違いはないと結論づけています。

    結局、最近の研究をみると、私たちと欧米人の間で、人種でみても国籍でみても、大腸の長さに大きな差はないようです。

    蛇足ですが、小腸の長さは5mから7mと言われていますので、そもそも大腸は、だいぶ短いということも、実感いただけるのではないでしょうか。なお、小腸の長さの国際比較については、日本語・英語ともに文献を見つけることができませんでした。

    なお、本記事でご紹介した論旨と逆に「日本人の腸は長い」と指摘する方の論文もあるにはあるようで、海外サイトMedium.com上にあるAndy Raskin氏の’Are Japanese Intestines Longeer?’というコラムによるとフィラデルフィア医科大学の歴史医学図書館にある、19世紀に書かれたドイツ人医師の論文が、26人の日本人死体の腸管の長さ(数値からみて小腸を含む腸管全体か?)を測ったところヨーロッパ人の典型よりも20%長いと指摘しているそうです。その論文の内容については、確認できていませんが、先に紹介した論文が1,300人からデータをとっている一方で、こちらは26人ですので、そこだけ見てもちょっと頼りなく感じます。とはいえ興味深く、ドイツ医師の論文の方も、いつか読んでもみたいものです。もしかしたら、日本人の腸が長いのではないかという仮説は、古くからあったのかもしれません。

       

    (2)大腸の長さと便秘の関係

      では、続いて大腸が長いと便秘しやすかどうか、見てみましょう。実は、こちらはやや歯切れが悪く、大腸の長さと便秘の関係は「よくわかっていない」というのが現状なようです。そもそも大腸の長さは個人差があるものなのですが、便秘は食べ物が大腸を通過する時間が長すぎることによっても引き起こされるので(大腸通過遅延型の便秘)、大腸が長いことが便秘発生のリスクになっていても不思議はありません。しかし、腸の長さと便秘の関係を指摘する研究がいくつもある一方で、これを否定する研究もあるようです注1。   したがって、日本人は腸が長いから便秘になりやすい」という説の検証結果は、こうです: そんなことはない。日本人の大腸が西洋人などと比較して特に長いということはなく、また大腸の長さと便秘の関係については諸説あってよくわかっていない。   いつか、この説の、歴史的なルーツについても、調べてみたいものです。  

    大腸の長さ:年齢や性別との関係 日本人の大腸の長さは、高年齢の人の方が長いという複数の研究があります注2。アメリカ人の腸の長さも高齢者の方が長いそうです注3。いずれの調査でも、長い理由が加齢による伸びなのか理由はわかりませんが、高齢になると腸の機能が衰えてくることと関係があっても不思議ではありません。男女別では、日本人の大腸の長さは女性の方が長いという複数の研究があります注2。アメリカ人では長さの男女差がほぼなかったそうです注3。男女の身長差を考えると、日米ともに女性の大腸の長さが目立ちます。部位別に測った研究では、女性は横行結腸(へその上あたりを右から左に走行している部分)が長いとの指摘があります注4

     

    ■日本人の大腸の形は、変?

     

    一方で、長さではなく、大腸の配置については、日本人のそれは教科書通りでない場合が多いという、経験に基づく指摘があります。

    多くのメディアにも出演されている独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センターの水上健医師は、国内外での豊富な観察経験から、教科書にあるような腸管形態は西洋人にはあてはまるが日本人にはあてはまらず、日本人の大腸の多くには屈曲やねじれや落ち込みが見られると言われています(参照:久里浜医療センターWebサイト)。

    実は、個人的な話で恐縮なのですが、思い当たるエピソードが1つあります。私の伯父が欧州の外れの国・リトアニアに住んでいて、数年前に、大腸癌の手術を同国の首都・ヴィリニュスでうけました。残念ながら術後の合併症で腸の癒着がひどく、最終的に亡くなってしまったのですが、当時、開腹した現地医師が「見たことのない大腸の配置で、大変だった」というような感想を言ったと伝え聞きいています。私の伯父の腸にも、屈曲やねじれがあったのかもしれませんから、大腸の形態異常の話題は、人ごととは思えません。在ヴィリニュス日本大使館によるとリトアニアの在留邦人数は140名と少なく、もしかしたらヴィリニュスの医師は私たちの曲がりくねった大腸を見たことがなかったのかもしれません。

    現時点では、日本人の腸管形態異常に関する研究や分類はないようです。大腸が曲がりくねっていると便の通過が阻害され、便秘の原因になると考えられており、便秘解消をお手伝いしている私たちとしては、大変興味深く、研究の進展が待たれます。

    本ブログではこれからも、便秘に関連する体の雑学・トリビアを取り上げていきたいと思っています。

    (最終更新日:2022年5月1日)

    注1:日本消化器病学会関連研究会ほか編『慢性便秘診療ガイドライン 2017』南江堂 2017年 p.11~12 注2:永田 浩一ほか 日本人とアメリカ人の大腸の長さは違うのか?―大腸 3D-CT(仮想内視鏡)による 1,300 名の検討 日本消化器内視鏡学会雑誌 55(3), 435-444, 2013-03-20 や、山崎震一ほか 日本人大腸の長 さと内径に関す るX線 学的検討 日本大腸肛 門病会誌 47 : 31-39, 1994 注3:永田ほか前掲書 注4:山崎ほか前掲書

      写真:まだ5月なのに、雨の日が増えてきました。だいぶ前、コロナ前に、仕事で富山に行ったときの、電車の窓ごしに眺めた雨の田園風景は、まるで印象派絵画の様に輪郭がにじんでいました。雨があたる会社の窓をみて、そんな風景を思い出しました。   ひとこと 最後までお読みいただきありがとうございます。 記事がお役に立ちましたら、SNSでもご共有いただけますと幸いです! 毒掃丸のお買い求めは全国のドラッグストア・通販サイトで。 見つからない場合は「毒掃丸をください」と申し出てください。 こちら(SHOPどくそうがん)でも販売しております→ショップどくそうがん | 便秘薬の毒掃丸 山崎帝國堂のネットショップ (dokusougan.jp)

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  • 3回にわたってお届けしている「腸活」についての話題ですが、初回は腸活全般について、2回目は腸に良い食生活について書かせていただきました。そして3回目にあたる今回は、食べる以外の腸活について、ご紹介してまいります。   「腸活」とは一般に、腸内環境を整えたり腸の働きをよくすることで、便秘を改善したり、より健康な全身状態を目指したりすることを指します。この腸活の中には、リラックス、運動、マッサージ、ツボの刺激…など食べる以外にも、色々な方法があります。その多くは、健康法としての歴史も古く、実践している人も多くらっしゃるのではないでしょうか。こうした活動は、どれも「意思の力では動かすことができない腸に、動いてもらう」ものであるという共通点があります。  

    ■腸への語りかけ

      食べる以外の腸活とは、一言でいうと大腸への語りかけだと思っています(もちろん比喩ですが)。   私たちの腸はいわば筋肉の長~い管みたいなものです。腸の筋肉は、輪状に収縮し、その収縮する場所が食べ物を押し出すように口側から肛門側へと移っていく蠕動(ぜんどう)と呼ばれる運動をして、消化物を運んでいきます。でも、他の多くの内臓同様に、意識して腸を器用に動かし食べ物を運んでいくことはできません。誰もが、便意がおこるまでの長い時間、天から自らに与えられた腸の働きを信じて、任せきりにするしかないのです。   筋肉の管でもある腸は、1.脳とつながっている自律神経と、2.内容物に対して腸に反射的な運動を起こさせる腸壁内の大量の神経、の2種類が、互いに協調することで制御されています(これらの神経系統を、腸管神経系といいます)。私たちが、動いてくれない自らの腸を何とか動かそうとするときには、これらの神経系に信号を与えてあげることが必要です。しかし、何しろ手足のように意識して「動け」と念じても、信号を与えることができません。さてどうするか… 以下に、あの手この手で大腸各所の神経に「おーい、動け、動いてくれ」と呼びかる方法をご紹介します。どれも広く知られていますが、これらは腸への語りかけみたいなものですから、腸との非言語コミュニケーションだと思って自らの腸を慈しむ気持ちで行っていただけたらと思います!   では、代表的なアクティビティを4種類取り上げてみましょう。

    1.リラックスして自律神経を整える

      リラックスして自律神経を整えることで、腸の動きは良くなります。私たちの日々の生命維持を支えてくれている自律神経には、活発に活動しているときに高まる交感神経と、リラックスしているときに高まる副交感神経の二種類があって、両方の神経の活動量のバランスによって、内臓の動き具合を調節しています。腸の活動は、リラックスしているときに高まる副交感神経の働きが優位になっているときに、より活発に動くのです。   お勧めなのが腹式呼吸や深呼吸です。吸う時の2倍程度の時間を掛けて息を吐くことで、副交感神経の働きが高まることが多くの実証実験で分かっています(例えばこちら)。まずは5分でも続けて行い、実際にリラックスが得られることを実感してみましょう。リラックスが実感できたら、隙間時間や緊張状態のときにやってみたり、リラックスタイムの質を更に上げるためにどんどん活用してみてください。自律神経の働きが整ってくると、腸の動きも正常化してくるはずです。   *ストレスで頻繁に便秘や下痢をくりかえす人は、過敏性腸症候群(IBS)かもしれません。リンク先のチェックリストで痙攣性便秘に該当した方は、お医者様に専門的指導を受けることも検討してください。

    2.運動をする

      運動の減少が便秘の悪化につながることと、運動(特に有酸素運動)の実行が便秘解消に有効であることを示すデータは、多く存在しています。体を動かすことで、腸の働きは良くなります。動きが良くなる主な理由としては、運動することで自律神経が整うことと、運動自体で腸管が刺激されることです。   参考文献:高野 正太「V.慢性便秘症に対する食事療法、運動療法,、理学療法.」 日本大腸肛門病会誌 第72巻10号0621頁    また、長期間の運動習慣によってお腹周りの筋肉を鍛えられることも、便秘対策として有効です。私たちは、排便時には意識的に腹圧を高め、その力を利用して便を押し出してしているからです。   運動種目には、ウォーキングが推奨されることも多いですし、ジョギング、ヨガもお薦めです。   当社のお客様相談では、便秘に悩むお客様には体を動かすことを推奨しており、寝たきりやケガなどで運動ができない方には深呼吸だけでも意識的に行うよう伝えています。

    3.マッサージをする

      お腹をマッサージすることも、便秘改善に効果があるとされています(試験報告もあります)。特に「の」の字を描くように大腸をマッサージする方法は広く紹介されていますし、最近は「腸もみ」というコトバもよく見るようになりました。   先にも書いた通り、腸壁の神経は、内容物に対して反射的に運動をおこし、食べ物を運んでいきます。従って、腸をマッサージすることによって蠕動運動をおこすサポートをしたり、もむことの気持ちよさからリラックスできる(→自律神経が整う)ことが期待できそうです。痛みを感じない程度にもむようにしてください。体をねじる動きも、同様におすすめです。     但し、大腸の配置は一般に、皆が皆教科書通りなわけではなく、蛇行していたり、下部によっていたり個性があります。イラストの通りとは限りません。「の」の字マッサージが効かないこともあるかもしれません。   関連リンク:「便秘とマッサージ

    4.ツボ押しをする

      東洋医学伝統のツボ(経穴)は、神経経路の反応を通じて、痛みを緩和したり、内臓の働きを正常化させたりしてくれると考えられています。腸から離れている経穴を押して、腸の動きを改善してくれるのだとしたら、生理学的には自律神経の働きを通じてということになるでしょう。公益社団法人日本鍼灸師会のHPでも、
      身体には皮膚や筋肉などに刺激が加えられると自律神経の活動が変化し、自律神経が支配する臓器・器官の働きが反射的に調節される仕組みも備わっています。鍼や灸の刺激はその仕組みを利用して自律神経活動を変化させ、血管の調節をしたり臓器の働きを良くしたりします。 出展: 鍼灸の基礎知識 – 公益社団法人 日本鍼灸師会https://www.harikyu.or.jp/acupuncture/acupuncture-02/#i-8 2021年5月13日アクセス
      とあります。   便秘によいツボの代表的なものとして、2つ挙げておきます。(便秘に効くツボというのは便秘対策本などの定番ではありますが、個別にツボ押しが便秘に効くというエビデンスは見つけられませんでした。)   (1)合谷(ごうこく):万能のツボとも称されている非常にポピュラーなツボです。頭痛や肩こりによいとされていますが、便秘にも良いとされていることから、多くの便秘薬メーカーのおススメのツボになっています。人差し指と親指の合わさるところから少し指先よりの痛みを感じるくぼみを親指で挟むようにして押します。   (2)天枢(てんすう):胃腸の働きを整えてくれる代表的なツボです。おへそから指2~3本分はなれた両側です。やさしく押すだけでも腸が刺激されるのが実感できます。   いかがだったでしょうか?皆さまが考える腸活のイメージからは少し外れているものもあったかもしれませんが、どれも簡単にできるものばかりです。便秘改善への効果がある程度期待できるうえに、賢く楽しむ分には費用もあまりかからず、比較的安心して取り組めます。ぜひぜひ、様々な腸活にはげんでいただきたいと思います!   ◇   ◇   ◇   ◇   過去2回の腸活の記事の内容は下記のとおりです。   第1回 目次 腸活について① ■腸活とは、なにか? 腸活の目的 腸活のアプローチ (A)善玉菌のチカラを借りるための「食べる腸活」 (B)それ以外の方法で腸の動きを正常にする、「食べる以外の腸活」 腸活の具体的な方法 (A)「食べる腸活」(=腸によい食生活) (B)「食べる以外の腸活」   第2回 目次 「「腸活」について② 腸に良い食生活 実践レシピ付き 1.朝食を食べる 2.ヨーグルトなどの乳酸菌を摂る 3.食物繊維を摂る 4.発酵食品を摂る 5.オリゴ糖を摂る 実践!腸活レシピ     写真:腸活を実践していると、美しい景色に出会えることもあります。爽やかな風が吹く日に、ゆっくり東京都の多摩川沿いをジョギングしていた時の写真です。 (最終更新日:2023年1月11日)   ひとこと 最後までお読みいただきありがとうございます。記事がお役に立ちましたら、SNSでもご共有いただけますと幸いです! 毒掃丸のお買い求めは全国のドラッグストア・通販サイトで。見つからない場合は「毒掃丸をください」と申し出てください。こちら(SHOPどくそうがん)でも販売しております→ショップどくそうがん | 便秘薬の毒掃丸 山崎帝國堂のネットショップ (dokusougan.jp)

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  • 「腸活」とは一般に、腸内環境を整えたり腸の働きをよくすることで、便秘を改善したり、より健康な全身状態を目指したりすることを指します。本ブログでは、前回『「腸活」について①』として、腸活全般についてお話しさせていただきまた。今回は、その続編として腸に良い食生活について書いていきたいと思います。腸に良い「食べ物」ではなく「食生活」をタイトルに選んだのは、食材だけでなく、食生活のあり方全体を腸に良いようにして頂きたいからです。 腸に良い食生活には5つのポイントがありますので、順にご紹介します。  

    1.朝食を食べる

      きちんと朝食を食べるようにしてみましょう。空になっている胃袋に食べ物が入ると、それが刺激となって腸が動き、お通じを促してくれます。また、朝起きたときにコップ1杯の水を飲むのも同様におススメです。この仕組みは胃結腸反射と呼ばれ、蠕動(ぜんどう)運動がおこることにより、大腸の内容物が一気におしりの近くまで運ばれて行きます。  

    2.ヨーグルトなどの乳酸菌を摂る

      前回お話したように、ヨーグルト等に含まれている乳酸菌をはじめとする善玉菌は、その代謝物で腸の動きを高め、また有害な菌の働きを抑えることで、便通を良くしたり便の状態を改善したりしてくれます。沢山種類がありますから、自分に合ったものを見つけ出して、積極的に食べて頂きたいです。同じものを毎日1~2週間食べ続け、おなかがグルグルと動くような状態になるものが、自分に合うヨーグルトと考えられます。  

    3.食物繊維を摂る

      食物繊維もしっかり摂りましょう。食物繊維は、人間の消化酵素では分解できないのでそのままではエネルギーになりませんが、腸の健康のためには大切な存在です。まず、水に溶けにくい不溶性食物繊維は便のカサをふやしてくれ、快便をもたらします。水に溶ける水溶性食物繊維は、便をやわらかくしてくれる上に、善玉菌のエサになり、結果として善玉菌を増やしてくれます。   不溶性食物繊維を摂れる食材:大豆、ゴボウ、穀類、野菜、きのこ(えのき・しめじに多い)   水溶性食物繊維を摂れる食材:海藻、果物、さといも、きのこ(なめこ・しいたけに多い)、オートミール   上記以外にも、あらゆる植物・穀物に含まれていますから、どれか一つに絞るよりも多くの種類を摂るように心がけてはいかがでしょうか。記事末尾のミニリンク集に、文部科学省による含有量ランキングを貼っておきましたので、更に調べたい方は是非どうぞ。   例えば、オーツ麦を加工した食材であるオートミールは、穀物の中では水溶性食物繊維が多いためおすすめです。詳しくはブログ記事「便秘を改善する食材:オートミール」もご覧ください。同じように水溶性食物繊維が豊富な海藻については「便秘を改善する食材:海藻」をご参照ください。また、野菜についても「野菜と便秘の話」に詳しく書いています。  

    4.発酵食品を摂る

      発酵食品には、善玉菌自体が豊富に含まれていますので、おいしく味わい深いだけでなく、腸の環境を整えてくれます。例えば、ぬか漬けやキムチ、味噌、チーズなどは、乳酸菌を多く含んでいます。納豆に含まれる納豆菌も、腸内環境を整えてくれる菌です。   発酵食品の例:ぬか漬け・納豆・キムチ・味噌・チーズ  

    5.オリゴ糖を摂る

      炭水化物のうち、人が分解できない食物繊維を除いたものを糖質といいますが、オリゴ糖はその中の一部を差す言い方です。食事で摂ったオリゴ糖は、腸内で善玉菌のエサになります。その結果、善玉菌が増えて、腸内環境を改善することができます。   オリゴ糖を多く含む食品の例:タマネギ・ニンニク・アスパラガス・キャベツ・バナナ   例えば、バナナはオリゴ糖が豊富で、朝食を食べる時間がない時でも手軽に食べられるなど、おススメです。詳しくはブログ記事「便秘を改善する食材:バナナ」もご覧ください。  

    ★注意すること

      但し、食べる腸活にも限界があります。便秘には人によって異なる原因があり、原因が一つの場合も、複数が組み合わさっている場合もあります。便秘の原因が、食生活に起因するものなら、その食べる腸活で便秘が解消するかもしれません。例えば、食物繊維不足が足りていない人は、ゴボウや海藻で便秘が改善するでしょう。でも、それ以外の原因で便秘になっている人には効かないかもしれません(そのため、どの食べ物が一番便秘に良いか、といった順位付けやランキングは残念ながらできないのです)。   関連記事:「便秘の種類と原因」   更に、食べものと関係ない原因で便秘になっている場合(腸の動きが悪い、便意が感じられない、等)、食べる腸活で便秘が改善・解消しないかもしれません。食べる腸活で便秘が思うように改善しない場合は、あきらめて食生活を戻すのではなく、次回「「腸活」について③ 食べる以外の腸活」にあるような他の腸活も合わせて試してみましょう。また、頑固な便秘には市販の便秘薬の活用も考えましょう。   複方毒掃丸は、6種類の生薬が自然に近いお通じを促す便秘薬です。小さな丸剤なのでのむ量を調節しやすく、ちょうどよいお通じを目指せます。関連リンク:複方毒掃丸ブランドサイトおすすめの服用方法複方毒掃丸の無料サンプルお申込みフォーム
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    実践!腸活レシピ

    多くの種類の食物繊維と、オリゴ糖含有食品を使って、和風ペペロンチーノパスタを作ってみました! 食材はどれも食物繊維どっさりで、玉ねぎとにんにくにはオリゴ糖が豊富に含まれています。 レシピ 材料 4人分 厚切りベーコン 80g 細切り 玉ねぎ1個 薄切り れんこん1節 薄い半月切り エリンギ1本 薄切り しめじ1/2パック ほぐす えのきだけ1/2パック 半分の長さに切ってほぐす にんにく1片 みじん切り 赤唐辛子(量はお好みで)種をとって小口切り 塩昆布 大さじ1〜2 バター20g 醤油大さじ2〜 オリーブオイル お好みのパスタ 400g 腸活レシピの材料たち 写真は4人分の具材ですが、すごいカサで、いかにも腸によさそうです(^^♪ 作り方 ①鍋にパスタを茹でるお湯を沸かします。 ②別の鍋又はフライパンにオリーブオイルを入れ、みじん切りにしたにんにくを入れて弱火で香りを出し、ベーコン,赤唐辛子も入れて炒めます。 ③②を中火にして玉ねぎ、れんこんを炒め、しんなりしたらきのこ類を入れて塩を全体にふり、混ぜて蓋をします。途中蒸気が出てきたら焦げないように弱火にします。 ④パスタを茹で始めます。 ⑤③にバターと塩昆布を入れて混ぜます。 腸活レシピを料理中 ⑥パスタは表示の時間より1分前にザルにあげ、水分をきって⑤に入れます。醤油で調味して出来上がりです! 腸活レシピのパスタ おいしく楽しい食事の後には、毒掃丸整腸薬も忘れずに服用しました。腸に良いお料理の後に整腸薬をのむ。パッケージに記されている通りの、腸爽快ライフです。
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      この毒掃丸整腸薬は、乳酸菌と消化酵素と4種類の生薬を配合した、シナモンのような爽やかな香りがする、のみやすい整腸薬です。ぜひ一度お試しください。関連リンク:毒掃丸整腸薬の製品案内毒掃丸整腸薬の無料サンプルお申し込みフォーム   続編(第3回)の目次です。   「腸活」について③ 食べる以外の腸活 ■腸への語りかけ 1.リラックスして自律神経を整える 2.運動をする 3.マッサージをする 4.ツボ押しをする     ミニリンク集 便秘対策: 便秘のはなし | 便秘薬の毒掃丸でおなじみの山崎帝國堂 (dokusogan.jp) 便秘と食事: 便秘と食事 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp) 不溶性食物繊維を多く含む食べ物ランキング(文科省):食品成分ランキング (mext.go.jp) 水溶性食物繊維を多く含む食べ物ランキング(文科省):食品成分ランキング (mext.go.jp) 写真:腸活レシピ 和風ペペロンチーノパスタ (調理したのは妻です) (最終更新日:2022年9月18日)   ひとこと 最後までお読みいただきありがとうございます。記事がお役に立ちましたら、SNSでもご共有いただけますと幸いです! 毒掃丸のお買い求めは全国のドラッグストア・通販サイトで。見つからない場合は「毒掃丸をください」と申し出てください。こちら(SHOPどくそうがん)でも販売しております→ショップどくそうがん | 便秘薬の毒掃丸 山崎帝國堂のネットショップ (dokusougan.jp)

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  • 「腸活」とは一般に、腸内環境を整えたり腸の働きをよくすることで、便秘を改善したり、より健康な全身状態を目指したりすることを指します。便秘は生活の質(QOL)を低下させますし注1、最近では、腸内環境が肥満や神経伝達物質のバランスにも関係しているのではないかとの指摘注2が注目さみてれています。腸内環境や腸の調子を整える腸活は、健康のために重要です。今回から3回シリーズで、この腸活についてみていきたいと思います。今回は腸活の大切さや分類などの全般を概観し、各論として、次回は「食べる腸活」、その次は「食べる以外の腸活」についてお話します。    

    ■腸活とは、なにか?

      「腸活」という言葉は割と新しく、「婚活」や「終活」と同じ「〇活」族のひとつです。「〇活」という言葉は、前向きかつ包括的で便利だからか好感度が高いようで、文化庁の「令和元年度「国語に関する世論調査」の結果の概要」によると、「〇活」のような言い方を他人が言うのが気にならないと答えた人の割合は90%にのぼるそうです。2文字でイメージが膨らむ、わかりやすいネーミングですね。この2文字の裏には、とても幅広くて奥が深い世界が広がっています。  

    腸活の目的

      腸活の目的は、だいたい次の3つに絞られます。   (1)便通を改善する (2)腸内環境自体を改善する (3)以上の結果としての、ダイエット、長寿、美容など   (1)の便通の改善は、いわゆる便秘解消・便秘改善です。日本人の約3割の人が便秘に悩んでいて、その中の約1割は、週に0回から2回しか排便ができていないという報告があります注3。便秘に悩む人は多く、人によっては大変深刻にとらえられています。便通の改善は、腸活の主要テーマです。(2)の腸内環境の改善は以前にもまして脚光を浴びてきている考え方です。腸内の環境を整えてあげることは、健康維持や便秘の改善・解消のために大切です。私たちの腸の中には、約100兆個もの細菌(腸内細菌)がいて、その状態は、健康と密接に関係しています。腸内環境を改善するような食材や、ヨーグルトなどの加工食品の人気は、高まっています。   関連リンク:ブログ記事「ニッポン人の便秘事情を俯瞰する」   (3)になると、やや高次な目的で、あまり短期的で明確な成果は期待しないほうが無難かもしれません。ただ、腸活を一生懸命実行しているうちに、だいたい半年くらいで食の好み全般や生活リズムが今より健康的なものに変わってくるはずです。そうすると美容健康上の様々な好影響が大いにみられるでしょう。   腸内環境と肥満の関係についてはまだわからない点が多いのですが、肥満の人は腸内細菌の多様性が失われていると考えられています注4。また、腸に良いヘルシーな食材(食物繊維やオートミール)を好む人たちにはスリムな人が多いという調査報告があります注5。腸活で腸内環境を改善すること自体が一種のダイエットといえるかもしれません。   また、便秘は生活の質を下げるだけでなく、寿命を縮めるという指摘が複数ありますので注6、便秘改善は長寿にも寄与すると思われます。更に、腸によい食物繊維の摂取が、長期の総死亡率を2割近く下げるという長期にわたる大規模追跡調査の報告もあります注7。腸活は、気長に続ければ、ダイエットや健康増進・長寿につながる可能性を秘めているといえるでしょう。   美容については、医学的なエビデンスは見つかりませんが、生き生きと腸活をしている人は、生活の質も高く、見た目も健康的なことでしょう。例えば、便秘で張ったお腹や、お腹周りの筋肉の衰えは、ぽっこりお腹の原因です。腸内環境の改善や運動といった腸活でこれらを改善すれば、ぱっと見の印象まで変わってきます。   関連リンク:ブログ記事「便秘と寿命」/「便秘と野菜の話」/「ぽっこりお腹と便秘」  

    腸活のアプローチ

      腸活のアプローチを大まかにわけると、2つに分類できます。  

    (A)善玉菌のチカラを借りるための「食べる腸活」

      まず、「食べる腸活」とはどういう活動なのでしょうか。広く知られているように、腸の中にはおよそ100兆個もの細菌がいて、私たちの体はそのうち善玉菌と呼ばれている菌に助けられながら生きています(乳酸菌やビフィズス菌は、善玉菌の代表格です)。善玉菌は、その代謝物で腸の動きを高め、また有害な菌の働きを抑えることで、便通を良くしたり、便の状態を改善したりしてくれます。この善玉菌を増やしてあげるために、食べるものに工夫を凝らすことが、「食べる腸活」です。腸によいとされるヨーグルトなどの加工食品や、食材を積極的に摂るようにします。   関連リンク:「腸内細菌と、健康・便秘」/「便秘によい食べ物」  

    (B)それ以外の方法で腸の動きを正常にする、「食べる以外の腸活」

      「食べる以外の腸活」は、主に腸の動きを助けてあげるような腸活で、腸内環境の改善というよりは、より便秘改善に比重を置いた活動です。腸内環境が整っても、腸が正常に動かなければ、快便や健康な毎日は望めません。   腸活のイメージ画像    

    腸活の具体的な方法

      もうすこし詳しく方法論を分解してみます。  

    (A)「食べる腸活」(=腸によい食生活)

      (1)善玉菌を食す (2)善玉菌のエサになるものを食す (3)善玉菌が作り出すのと同じ良い物質を食す   人間は、生まれた時には、腸内に細菌を持っていません。生後間もなく母親から細菌を受け継ぎ、その後、食事や環境との接触を通じて徐々に善玉菌を含む安定した腸内フローラを作り上げていきます。(1)から(3)の方法は、その営みを意図的に補完しようとしているわけです。これらは、腸活の中核なので、次会に詳しく触れてみたいと思います。   (1)の善玉菌を食すとは、ヨーグルトを食べることや、乳酸菌・ビフィズス菌含有食品、サプリメント、あるいは整腸薬を摂ることです。腸活ブーム以前からある方法なのでエビデンスも豊富で、生きた善玉菌(プロバイオティクスとも言います)を食すことについては、排便回数の増加や腸管通過時間の短縮が認められるとして、慢性便秘の治療法の1つとしても推奨されています(「慢性便秘症治療ガイドライン」2017 南江堂)。   近年、善玉菌は免疫力を整えるのではないかと注目されています。腸は善玉菌だけでなく、大腸菌や口から入ってきた病原菌など様々な微生物にさらされますから、腸管には免疫機能にかかわる細胞が多く集まっています。この免疫細胞たちは、腸内の一部の細菌と共生しながら体を守ってくれています。ヨーグルトに用いられる様々な種類の善玉菌が、体の免疫全般を整えてくれるという調査結果も数多く出され、巷にはこうした菌が入った乳酸菌飲料があふれています。今や、ヨーグルトが「食べる腸活」のメインストリームになっているように感じる方もいらっしゃるかもしれません。   善玉菌を増やしてくれる方法は他にもあります。(2)(3)にあるように、善玉菌そのものを食べなくても、発酵食品・オリゴ糖・食物繊維といった食品を食べることで、腸内環境を改善し、便秘も改善することができます。第2回では、食べる腸活(=腸によい食生活)について、食品ごとに分けてご説明します。   バランスのとれた食事   野菜の画像  

    (B)「食べる以外の腸活」

      大腸の働きは、自分の意思でコントロールすることができません。そのため、適切な刺激をあたえることで、働きをサポートしてあげよう― それが食べる以外の腸活に共通した考え方です。自律神経の乱れをとる、朝コップ1杯の水を飲む、マッサージ、有酸素運動や筋トレ等、腸を動かすための魅力的な方法がたくさんあります。これらは第3回でご説明したいと思います。   運動する女性   ◇  ◇  ◇  ◇  ◇   便秘は様々な原因で引き起こされるので、実は腸活だけで便秘が解消されるとは限りません。なので便秘に悩んでいる方の中には、腸活で便秘が改善せず期待外れに感じてしまう人がいるかもしれません。しかし、便秘が完全に治らなかったとしても、腸活は腸内環境が悪化しがちな便秘の人にこそ、実行してほしい、便秘薬メーカーとしてはそんな風にも思います。今後、腸内細菌についての研究はさらに進むとみられ、健康維持の重要課題として腸活の実践がこれまで以上に注目されてくるでしょう。    

    ■シリーズ目次

      腸活の具体的なアクティビティを解説する、次回以降の構成は、以下の通りです。クリックすると各項目に直接飛ぶことができます。  

    「腸活」について② 腸に良い食生活 実践レシピ付き

      ポイント1 朝食を食べる ポイント2 ヨーグルトなどの乳酸菌を摂る ポイント3 食物繊維を摂る ポイント4 発酵食品を摂る ポイント5 オリゴ糖を摂る 実践!腸活レシピ  

    「腸活」について③ 食べる以外の腸活

      ■腸への語りかけ 1.リラックスして自律神経を整える 2.運動をする 3.マッサージをする 4.ツボ押しをする   関連リンク:ブログ記事「腸内環境と便秘 ① 腸内フローラ/ヨーグルト」/「腸内環境と便秘 ② 発酵食品やオリゴ糖、食物繊維、整腸薬の活用」/「便秘と運動」   (最終更新日:2022年4月23日)   注1:Sun, S.X. et al, Impact of chronic constipation on health-related quality of life, work productivity, and healthcare resource use: an analysis of the National Health and Wellness Survey, Dig Dis Sci., 2011 Sep;56(9):2688-95. 注2:Peter J Turnbaugh et al, An obesity-associated gut microbiome with increased capacity for energy harvest.  Nature, 2006 Dec 21;444(7122):1027-31. や、Matsumoto M, et al.,  Cerebral low-molecular metabolites influenced by intestinal microbiota: a pilot study. Front Syst Neurosci. 2013 Apr 23;7:9. 注3:Tamura A, et al.Prevalence and Self-recognition of Chronic Constipation: Results of an Internet SurveyJ Neurogastroenterol Motil. 2016; 22(4): 677-84.  注4:入江 潤一郎ほか,  腸内細菌叢と肥満症, 日内会誌  104 : 703~709, 2015.   注5:食物繊維と肥満の関係については、例えば Kuijsten, A et al., Dietary fibre and incidence of type 2 diabetes in eight European countries: the EPIC-InterAct Study and a meta-analysis of prospective studies. Diabetlogia. 2015 Jul;58(7):1394-408./ オートミールについては、Victor L Fulgoni 3rd, et. al., Oatmeal consumption is associated with better diet quality and lower body mass index in adults: the National Health and Nutrition Examination Survey (NHANES), 2001-2010Nutr Res2015 Dec;35(12):1052-9.  注6:例えば、Joseph Y Chang, et al. Impact of functional gastrointestinal disorders on survival in the community. Am J Gastroenterol. 2010 Apr;105(4):822-32.  や Kenji Honkura, et al. Defecation frequency and cardiovascular disease mortality in Japan: The Ohsaki cohort study. Atherosclerosis. 2016 Mar;246:251-6.  注7:Park Y,  et al.,  Dietary fiber intake and mortality in the NIH-AARP diet and health studyArch Intern Med. 2011 Jun 27;171(12):1061-8.  アメリカでの9年間の追跡調査で、食物繊維の摂取は、男女両方における総死亡率低下と有意な関連を示した(男性 0.78(95% CI:0.73~0.82;p<0.001)、女性 0.78(95%CI:0.73~0.85;p<0.001))。 Ryoko Katagiri, et al., Dietary fiber intake and total and cause-specific mortality: the Japan Public Health Center-based prospective studyAm. J. Clin. Nutr., 111(5), May 2020, 1027–1035  日本での18~21年の追跡調査で、食物繊維の摂取量が最も多いグループでは、最も少ないグループに比べ、総死亡リスクが男性で23%、女性で18%、それぞれ低下した。   ひとこと 最後までお読みいただきありがとうございます。今後、記事がお役に立ちましたら、SNSでもご共有いただけますと幸いです! 毒掃丸のお買い求めは全国のドラッグストア・通販サイトで。見つからない場合は「毒掃丸をください」と申し出てください。こちら(SHOPどくそうがん)でも販売しております→ショップどくそうがん | 便秘薬の毒掃丸 山崎帝國堂のネットショップ (dokusougan.jp)

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  • 世の中に、自分が便秘だと自覚している人は、いったいどのくらいいるのでしょうか?それは老若男女どんな人たちで、どの程度ひどい便秘なのでしょうか。また、最近便秘は増えているのか、減っているのでしょうか? 日ごろあまり接することのない情報かと思いますが、今回はそうしたニッポン人の便秘事情が分かるようなデータをいくつかご紹介してみます。

    ■国民生活基礎調査にみる便秘

      まず最初に、国民生活基礎調査という国の大規模な調査から数字を抜き出して、2つの観点からニッポン人の便秘事情をみたいと思います。この調査は、現在我が国で行われている53の基幹統計の一つで、統計法に基づき厚生労働省によって実施されています。保健、医療、福祉、年金、所得等国民生活の基礎的事項を調査するかなりカバー範囲が広い調査であり、内容を絞った小規模な調査が毎年、フルスペックの大規模な調査が3年ごとに行われています。大規模調査の年には、調査対象は最大70万人にもおよび、対象の抽出方法や調査方法も統計学的にちゃんと設計されているからでしょう、調査の結果は政策以外にも広く活用されています。 国民生活基礎調査|厚生労働省 (mhlw.go.jp) まず、この3年ごとの大規模調査から、性・年齢ごとの便秘訴求者数を見ることができます。     縦軸が便秘の悩みを訴える人が1000人中何人いるかで、横軸が年齢、赤い棒が女性で、青い棒は男性です。1000人中の有訴者数が少なく見えるのは、複数回答可とは言え43もの症状(体がだるい、眠れない、耳鳴りがする、等々)から選ぶからだと思います。ここで便秘を選んだ人は、おそらく自分が便秘持ちであると強く自覚している人たちなのでしょう。 グラフから解るのは、(1)女性の方が男性より便秘に悩んでいること、(2)高齢になると便秘に悩む人がぐっと増える、の2点ですが、これは皆さんの感覚と一致しませんか? 女性は、筋肉量・骨盤の形・黄体ホルモンの影響など、便秘になりやすい要素が男性より多いのです。また、加齢は、腸の動きが衰えることや、食事量の減少、腸内細菌叢の変化など便秘の要因になります。80歳代になると、ほぼ男女の差がなくなるのが印象的です。当社にも、高齢男性からの便秘の相談は大変多いです。
    便秘の有訴者数の推移
    便秘の有訴者数の推移 1998年から2019年まで 国民生活基礎調査より
    グラフ:厚労省 国民生活基礎調査 1998~2019より作成 また、この調査は長期にわたり比較可能であるという利点があります。グラフは、この20年間で便秘に悩む人が減っていないことを示しています。しばらく前から乳酸菌入り食品の市場は爆発的に増加しており、巷では腸活ブームです。生活態度も以前より健康的になってきていると思うのですが、便秘に悩む人はなかなか減りません。年齢別に細かく見ると、実は多少の変化は見られ、中高年層の便秘有訴者数減少を、高齢者自体の人数が増えている影響が相殺している(若い人の便秘は増減が見られない)のですが、ちょっと細かい話なので今日は深入りしません。便秘は意外と長く付き合わなければならない人が多い症状なのです。  

    ■研究論文にみる、日本人の便秘の認識と排便頻度

      つづいて、5155人の日本人を対象にしたインターネット調査に基づく研究論文から、興味深い数字を2つご紹介します。 Prevalence and Self-recognition of Chronic Constipation: Results of an Internet Survey (nih.gov) Tamura A, Tomita T, Oshima T, Toyoshima F, Yamasaki T, Okugawa T, et al.  J Neurogastroenterol Motil. 2016; 22(4): 677-84 「日本人における便秘に対する認識と頻度」というのが日本語題なのですが、この調査によると、日本人の28.4%が、自分を便秘だと認識しているそうです。男女別にわけると男性の19.1%、女性の37.5%が自分を便秘だと認識しています。なかなかリアルな結果です。 この研究では、実に興味深いことに、同じ人たちに週の排便頻度も聞いています。結果は次の通りです。 8回以上  25.0% 3から7回 66.6% 0から2回  8.4% 平均排便回数 6.9回 平均すると、毎日1度出ているんですね。一方で、週に0から2回しか排便できていない人が8.4%もいらっしゃるというのは、驚きです。これまでの当社のデプス調査と呼ばれる消費者調査(少人数にプロが長時間インタビューする調査)で、便秘は自分にとっては深刻な悩みであると言われる方が何人もいらっしゃいましたが、それも納得です。  

    ■まとめ

      以上2つのデータから見えるニッポン人の便秘事情をまとめてみます。 ・便秘に悩むのは女性が多いが、高齢になると男女ともである ・この20年で、日本において、便秘に悩む方の数は減っていないようだ ・日本人の約3割の方が自分を便秘と認識している(という調査がある) ・日本人の約1割は、週に0から2回程度の排便しかできていない(という調査がある) 便秘を完全におこらなくする方法は、残念ながら今のところ見出されていません。でも、生活習慣や食生活の改善など、日々の便秘に対処する方法はたくさんあります。また、正しく服用すれば、市販の便秘薬も頼もしい助っ人になります。肝心なことは、便秘を悪化させることを避け、上手に便秘に対処しながら、便秘を気にしすぎることなく日常生活を楽しく送っていくことだと思います。   関連リンク:「女性の便秘・男性の便秘 ~年代による、その変化と対策~」   (最終更新日:2022年12月15日)   写真説明:会社の食堂から、敷地内の桜がきれいだったので写しました。木々の新緑が美しい季節になりましたが、ヒンヤリした朝の風に、一瞬、桜の花が咲く時期のことを思い出しました。   ひとこと 最後までお読みいただきありがとうございます。今後、記事がお役に立ちましたら、SNSでもご共有いただけますと幸いです! 毒掃丸のお買い求めは全国のドラッグストア・通販サイトで。見つからない場合は「毒掃丸をください」と申し出てください。こちら(SHOPどくそうがん)でも販売しております→ショップどくそうがん | 便秘薬の毒掃丸 山崎帝國堂のネットショップ (dokusougan.jp)

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